基本情報技術者 2016年 春期 午前(科目A) 問09
問題文
PCのクロック周波数に関する記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:CPUのクロック周波数と、主記憶を接続するシステムバスのクロック周波数は同一でなくてもよい。(正解)
イ:CPUのクロック周波数の逆数が、1秒間に実行できる命令数を表す。
ウ:CPUのクロック周波数を2倍にすると、システム全体としての実行性能も2倍になる。
エ:使用しているCPUの種類とクロック周波数が等しければ、2種類のPCのプログラム実行性能は同等になる。
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クロック周波数とシステムバス【午前解説】
正解の理由
選択肢の中で正しいのは ア です。CPU内部クロック(コアクロック)とシステムバス(例えば外部バスやメモリバス)の周波数は別の信号で駆動されることが一般的です。近年はCPU内部にメモリコントローラを内蔵し、コアは動作倍率(マルチプライヤ)で外部基準クロックから高い周波数で動作する一方、バスやメモリは別の比率・倍数で同期または非同期に動作します。よって「同一でなくてもよい」は正しい記述です。
解法ステップ
- 各選択肢の主張が「周波数=性能」「周波数の一対一対応」「ハードウェアの等価性」に依存していないか確認する。
- 周波数と性能の関係を定式化する: や を念頭に置く。
- バス(外部インターフェース)とCPUコアのクロックが物理的に独立に設定可能であること、マルチプライヤやメモリコントローラの存在を根拠に選択肢を検証する。
- 各選択肢で現実的な反例があるかを考え、反例が存在すれば誤りと判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 正しい。CPUコアクロックとシステムバス(メモリバス、FSBなど)は別のクロック源や倍率で動作し、同一である必要はありません。現代CPUは外部基準クロックと内部マルチプライヤでコア周波数を得ます。
- イ: 誤り。クロック周波数の逆数は1クロック周期の長さであり、1秒間に実行できる命令数は (周波数)だけで決まらず、命令あたり平均クロック数(CPI)に依存します。例えば1命令に平均4サイクル必要なら命令数は です。
- ウ: 誤り。CPUクロックを2倍にしても、メモリ待ちやI/O、キャッシュミス、並列性の限界などがあるとシステム全体の性能は2倍になりません。Amdahlの法則やボトルネック理論を適用すると明確です。
- エ: 誤り。同一CPUの種類と周波数でも、キャッシュ容量、コア数、メモリ帯域、ストレージ性能、BIOS設定、熱設計や電源など周辺要素で実行性能は変わります。ベンチマークでない限り同等とは限りません。
よくある誤解
- クロック周波数の逆数がそのまま1秒間に実行できる命令数になる(イの誤り)。命令あたり複数サイクルが必要で、CPIやパイプラインの効果を無視してはいけません。
- クロックを単純に2倍にすれば常に性能も2倍になる(ウの誤り)。メモリや周辺装置がボトルネックになれば性能向上は限定的です。
- 同じCPU型番・同じGHzなら2台のPCは同等(エの誤り)。キャッシュ容量、コア数、メモリ構成、ストレージ性能、熱設計などで差が出ます。
補足コラム
- 典型例:Intel系ではBCLK(基準クロック、例100MHz)×マルチプライヤ=コアクロックという仕組みがあり、メモリやI/Oは別の比率で動作します。
- 性能比較にはGHzだけでなくIPC(1サイクル当たり命令数)、コア数、ベンチマーク(例:SPEC、SYSmark)を見るのが実務的です。
- メモリクロック(例:DDR)と見かけ上の転送レートは物理クロックの倍数や転送方式によって変わるため、周波数表記だけだと誤解しやすい点に注意してください。
FAQ
Q: クロック周波数が高いほど必ず速いですか?
A: 一般には高いほど潜在的性能は上がりますが、IPCやメモリ/バスのボトルネックにより実効性能は異なります。単純比較は誤りです。
A: 一般には高いほど潜在的性能は上がりますが、IPCやメモリ/バスのボトルネックにより実効性能は異なります。単純比較は誤りです。
Q: CPIやIPCって何を意味しますか?
A: CPIは「Cycles Per Instruction(1命令あたりの平均クロック数)」、IPCは「Instructions Per Cycle(1サイクルあたりの平均命令数)」です。両者は命令セットやマイクロアーキテクチャ、並列実行度で変動します。
A: CPIは「Cycles Per Instruction(1命令あたりの平均クロック数)」、IPCは「Instructions Per Cycle(1サイクルあたりの平均命令数)」です。両者は命令セットやマイクロアーキテクチャ、並列実行度で変動します。
Q: 古いPCでCPUクロックだけ上げれば十分ですか?
A: いいえ。キャッシュミス頻度やメモリ帯域が改善されなければ、クロック増加の効果は限定的です。総合的なアップグレードやボトルネック解消が重要です。
A: いいえ。キャッシュミス頻度やメモリ帯域が改善されなければ、クロック増加の効果は限定的です。総合的なアップグレードやボトルネック解消が重要です。
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