基本情報技術者 2016年 春期 午前(科目A) 問45
問題文
機密ファイルが格納されていて、正常に動作するPCの磁気ディスクを産業廃棄物処理業者に引き渡して廃棄する場合の情報漏えい対策のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:異なる圧縮方式で、機密ファイルを複数回圧縮する。
イ:専用の消去ツールで、磁気ディスクのマスタブートレコードを複数回消去する。
ウ:ランダムなビット列で、磁気ディスクの全領域を複数回上書きする。(正解)
エ:ランダムな文字列で、機密ファイルのファイル名を複数回変更する。
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磁気ディスクの安全な上書き消去【午前解説】
正解の理由
選択肢の中で最も適切なのは ウ です。磁気ディスクはファイル削除やファイル名変更だけではデータ本体が残り、マスタブートレコード(MBR)の消去や圧縮操作でもディスク上のデータ痕跡は残ります。ランダムなビット列でディスクの全領域を複数回上書きする方法は、データの磁気的残留(remanence)を除去し、復元を困難にする実効的な手段です。産業廃棄物として第三者に渡す前の対策として、ディスクの全領域上書きが最も妥当です。
解法ステップ
- 問題文で「磁気ディスク」「正常に動作するPC」「産業廃棄物処理業者に引き渡して廃棄」を確認する。
- 各選択肢が「データが物理的/論理的に消えるか」を判定する。ファイル名やMBRだけでは不十分と判断。
- 「全領域をランダムなビット列で複数回上書き」はデータ残留の除去を目的とするため最適と選択。
- 余談としてSSD等は別扱い(上書きが有効とは限らない)を念頭に置く。
選択肢別の誤答解説
- ア: 異なる圧縮方式で、機密ファイルを複数回圧縮する。
誤り。圧縮はデータ形式を変えるだけで、元データや未使用領域の痕跡は残ります。圧縮操作は情報消去手段になりません。 - イ: 専用の消去ツールで、磁気ディスクのマスタブートレコードを複数回消去する。
誤り。MBR の消去はパーティションや起動情報の破壊に過ぎず、ディスク上の実データや未割当領域は残るため復元可能です。専用ツールでも「全領域上書き」処理が必要です。 - ウ: ランダムなビット列で、磁気ディスクの全領域を複数回上書きする。
正解。ディスクの全領域をランダムデータで複数回上書きすることで磁気的残留を低減し、データ復元を困難にします。ウ が最も適切です。 - エ: ランダムな文字列で、機密ファイルのファイル名を複数回変更する。
誤り。ファイル名はメタデータの変更であり、ファイル本体はそのまま残るため情報漏えい防止になりません。
よくある誤解
- 圧縮や多重圧縮すればデータは消える:圧縮は表示・格納形式を変えるだけで、元データの痕跡は残り復元可能です。
- MBR を消去すれば安全:MBR はパーティションやブート情報だけで、ファイルデータや未割当領域は消えません。
- ファイル名変更で情報消去できる:ファイル名はメタデータであり、ファイル本体はそのまま残ります。
補足コラム
- 現代の磁気ディスク(HDD)では、1回の上書き(ランダムデータまたはゼロ)で実用上十分とする見解もありますが、試験や組織ポリシーでは「複数回上書き」が想定されることが多いです。
- SSD(フラッシュメモリ)ではウェアレベリングのため単純な上書きが効かない場合があるため、メーカーのセキュアイレース(Secure Erase)コマンドや暗号化と暗号鍵破棄、物理破壊を検討します。
- 廃棄時は上書きの実施記録(ログ)や消去証明、委託先の破棄証明(溶解・破砕の証明書)を揃えると運用上の安全性と監査対応が向上します。
FAQ
Q1: HDDは何回上書きすれば安全ですか?
A1: 試験対策としては「複数回」の表現を選べば良いです。実務では1回のランダム上書きで十分とする場合もありますが、組織基準に従ってください。
A1: 試験対策としては「複数回」の表現を選べば良いです。実務では1回のランダム上書きで十分とする場合もありますが、組織基準に従ってください。
Q2: 専用消去ツールは有効ですか?
A2: 有効です。ツールがディスク全領域をランダムデータで上書きする機能を持つことが前提で、処理後の検証ログが重要です。MBR消去だけのツールでは不十分です。
A2: 有効です。ツールがディスク全領域をランダムデータで上書きする機能を持つことが前提で、処理後の検証ログが重要です。MBR消去だけのツールでは不十分です。
Q3: SSDを廃棄するときはどうすればいいですか?
A3: SSDはウェアレベリングで上書きが無効化される場合があるため、ATA Secure Erase、暗号化+鍵破棄、または物理破壊を推奨します。
A3: SSDはウェアレベリングで上書きが無効化される場合があるため、ATA Secure Erase、暗号化+鍵破棄、または物理破壊を推奨します。
関連キーワード: データ消去、上書き消去、ランダムデータ、磁気ディスク、廃棄処分、個人情報保護

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