基本情報技術者 2016年 春期 午前(科目A) 問61
問題文
ソフトウェアのパッチの適用において、システムに不具合が発生するリスクを低減するコントロールを監査する際のチェックポイントはどれか。
選択肢
ア:キャパシティプランニングの手続を定めていること
イ:データベース管理者が任命され、マスタデータの管理手続を定めていること
ウ:ハードウェア管理台帳を作成し、システム管理者が管理していること
エ:本稼働前にシステムの動作確認を十分に実施していること(正解)
🔒 解説は解答すると表示されます
パッチ適用時の動作確認【午前解説】
正解の理由
正解は エ です。パッチ適用後にシステムが正常に動作するかどうかは、事前の十分な動作確認(テスト)によって最も効果的に評価・低減できます。具体的には、ステージング環境での結合テスト、回帰テスト、性能テスト、ユーザー受入試験(UAT)やパイロット導入などを実施することで、本番で発生する可能性のある不具合を事前に検出・修正できます。また、検証と合わせてバックアウト手順やリカバリープランを整備しておけば、想定外の事象が発生した場合でも迅速に復旧できるため、リスク低減効果が高くなります。監査では「テスト計画・実施記録・承認履歴・バックアウト手順」の存在と実効性を確認します。
解法ステップ
- 問題文で求めている統制目的を明確にする(今回は「パッチ適用時の不具合リスクを低減」)。
- 各選択肢がその目的に直接結びつくかを判断する(「テスト・検証・事前確認」が直結)。
- 関連する活動(テスト、ステージング、バックアウト、承認)を含む選択肢を優先する。
- 間接的な管理(キャパシティ、台帳、役職)と直接的な検証を区別して選ぶ。
- 正解を選んだら、監査証拠としてどのドキュメントを確認するかを一言でイメージする(テスト計画・結果・承認・バックアウト手順)。
選択肢別の誤答解説
- ア: キャパシティプランニングの手続を定めていること
解説:キャパシティ計画は性能やリソース確保に関する統制であり、パッチ適用による機能・互換性不具合の事前検出には直接寄与しません。監査上は補助的な観点で確認しますが、主要なチェックポイントではありません。 - イ: データベース管理者が任命され、マスタデータの管理手続を定めていること
解説:DB管理者任命やマスタデータ管理はデータ整合性の観点で重要ですが、ソフトウェアパッチ適用時の動作検証やシステム間影響の検出とは目的が異なります。 - ウ: ハードウェア管理台帳を作成し、システム管理者が管理していること
解説:ハードウェア管理は資産管理や保守に関する統制であり、ソフトウェアパッチ適用後の動作確認や不具合検出の統制とは直接対応しません。 - エ: 本稼働前にシステムの動作確認を十分に実施していること
解説:本稼働前の動作確認はパッチ適用による不具合リスクを直接低減する最も有効な統制です。テスト計画、テスト結果、UAT、ステージング環境、バックアウト手順などの証憑が揃っていれば監査上も評価できます。
よくある誤解
- 「資産台帳やキャパシティ計画が整っていればパッチは安全」と考える誤解:これらは運用管理には有益だが、パッチ適用後の動作確認そのものを代替しません。
- 「データベース管理者が管理していればDBパッチは安心」と過信する誤解:DB管理は重要だが、パッチ適用によるシステム間影響やアプリ側の互換性問題は別途テストが必要です。
- 「単体テストだけで十分」という誤解:単体テストは一部の不具合検出に有効だが、統合や運用条件下での問題は結合・回帰・性能テストでしか検出できないことが多いです。
補足コラム
パッチ管理のベストプラクティス(監査で重視される点の実務的チェックリスト):
- パッチ評価と優先度付け(CVEや影響範囲の評価)
- テスト計画の整備(テスト項目、受入基準、担当、環境)
- 本番に近いステージング環境の用意(データや設定をできるだけ再現)
- 回帰テストと性能テストの実施(既存機能や負荷の観点から確認)
- パイロット導入やカナリアリリースの活用(段階的展開で被害を限定)
- バックアウト/リカバリ手順の文書化とリハーサル(実行可能性の確認)
- 変更管理プロセスと承認履歴の保持(リリースノート、チケット)
監査では「計画→実行→結果→是正」までの一貫した履歴があるかを重視します。
FAQ
Q1: 単体テストだけで監査は通りますか?
A1: 通りません。監査では統合・回帰・ユーザー受入など、実運用に近い観点での検証が求められます。
A1: 通りません。監査では統合・回帰・ユーザー受入など、実運用に近い観点での検証が求められます。
Q2: ステージング環境が無くてもよい監査証拠は?
A2: 代替策として、パイロット導入記録、限定ユーザでの検証結果、仮想環境での再現テスト結果などが有効です。ただし本番再現性が評価されます。
A2: 代替策として、パイロット導入記録、限定ユーザでの検証結果、仮想環境での再現テスト結果などが有効です。ただし本番再現性が評価されます。
Q3: バックアウト手順はどこまで詳しくすべきですか?
A3: 手順は実行者が迷わず復旧できる水準で具体的に記載し、実際にリハーサルした記録があると高評価です。
A3: 手順は実行者が迷わず復旧できる水準で具体的に記載し、実際にリハーサルした記録があると高評価です。
Q4: 監査で最も重視される証拠は何ですか?
A4: テスト計画と実施結果、変更承認記録、リリースノート、バックアウト手順およびそのリハーサル記録です。
A4: テスト計画と実施結果、変更承認記録、リリースノート、バックアウト手順およびそのリハーサル記録です。
関連キーワード: パッチ管理、変更管理、ステージング環境、回帰テスト、バックアウト計画、パイロット導入、リリース管理、脆弱性対応

\ せっかくなら /
基本情報技術者を
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

