基本情報技術者 2017年 秋期 午前(科目A) 問72
問題文
MRPの特徴はどれか。
選択肢
ア:顧客の注文を受けてから製品の生産を行う。
イ:作業指示票を利用して作業指示、運搬指示をする。
ウ:製品の開発、設計、生産準備を同時並行で行う。
エ:製品の基準生産計画を基に、部品の手配数量を算出する。(正解)
MRPの特徴はどれか。【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:正解はエ。MRPは基準生産計画(MPS)を起点にBOMを展開して部品ごとの手配数量と時期を算出する計画手法です。
- 根拠:MRPはBOM、在庫残、リードタイム、基準生産計画を用いて正味所要量を計算し、発注・製造の計画を立てる仕組みだからです。
- 差がつくポイント:MRPはプッシュ型の計画志向であり、受注後生産(受注生産)や並行設計、現場の作業指示そのものとは目的と手順が異なります。
正解の理由
エは「製品の基準生産計画を基に、部品の手配数量を算出する。」であり、これはMRP(Material Requirements Planning、所要量計画)の定義に一致します。MRPはまずマスタ生産計画(MPS, 基準生産計画)を入力としてBOM(部品表)を展開(BOM爆発)し、既存在庫やリードタイムを考慮して各部品の「いつ」「いくつ」手配するか(正味所要量と計画発注)を算出します。したがって選択肢エが正解です。
よくある誤解
- MRPは「受注を受けてから生産する(受注生産)」と思い込む誤解:MRPは基準生産計画に基づく計画生産(プッシュ)で、受注に直接連動する手法ではありません。
- MRPと現場の作業指示を混同する誤解:MRPは手配数量と時期を算出する計画であり、実際の作業指示票の発行や運搬指示は現場管理や生産管理システムの別機能です。
- MRPとMRP II/ERPを同一視する誤解:MRP IIは生産能力計画やコスト管理を含めた拡張で、ERPはさらに企業資源全体に範囲を広げた概念です。
解法ステップ
- 各選択肢のキーワードを把握する:受注生産、作業指示票、同時並行設計、基準生産計画など。
- MRPの本質を思い出す:BOM展開、基準生産計画、在庫・リードタイム考慮、所要量算出。
- 選択肢と突き合わせる:MRPのキーワードと一致するかを確認する。
- 一致するものを正解にする(エが該当)。他は別の手法や工程であると判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「顧客の注文を受けてから製品の生産を行う。」は受注生産(Make-to-Order)やジャストインタイム(受注対応型)に近い概念で、MRPの特徴ではありません。
- イ: 「作業指示票を利用して作業指示、運搬指示をする。」は現場の作業管理・現場指示(製造実行システム:MESや現場管理)の説明であり、MRP自体は計画(何をいつ手配するか)を算出する役割です。
- ウ: 「製品の開発、設計、生産準備を同時並行で行う。」はコンカレントエンジニアリング(並行設計)の説明で、MRPとは領域が異なります。
- エ: 「製品の基準生産計画を基に、部品の手配数量を算出する。」 — これがMRPの基本機能であり正解です。
補足コラム
- BOM爆発のイメージ:最終製品Pが1台につき部品Aを2個、Bを3個必要とし、Aがさらに下位部品a1を4個必要とする場合、基準生産計画で台ならAは個、a1は個が理論所要量になります。MRPはこれを在庫やリードタイムで調整します。
- ロットサイズや発注方式:MRPは所要量を算出しますが、実際の発注ロットはEOQやロットフォロー、最小発注量などのルールで決定されます。
- MRP II / ERP:MRPを生産能力やコスト管理まで拡張したのがMRP II、さらに購買・販売・会計まで統合したのがERPです。
簡単なBOM展開の例(Python)
# 最終製品P: A x2, B x3 ; A: a1 x4 mps_P = 100 req_A = mps_P * 2 # 200 req_B = mps_P * 3 # 300 req_a1 = req_A * 4 # 800 print(req_A, req_B, req_a1)
FAQ
Q1: MRPは受注生産では使えませんか?
A1: MRPは基準生産計画に基づくため、一般には計画生産向けですが、受注情報をMPSに反映すれば部分的に利用可能です。
A1: MRPは基準生産計画に基づくため、一般には計画生産向けですが、受注情報をMPSに反映すれば部分的に利用可能です。
Q2: MRPは在庫削減に役立ちますか?
A2: 適切なリードタイムと精度のあるデータがあれば、必要なときに必要量だけ手配することで在庫最適化に寄与しますが、運用精度が重要です。
A2: 適切なリードタイムと精度のあるデータがあれば、必要なときに必要量だけ手配することで在庫最適化に寄与しますが、運用精度が重要です。
Q3: MRPで能力(工数)も自動で調整されますか?
A3: 基本のMRPは数量・時期の算出が中心で、能力計画はMRP IIや別機能で扱うことが多いです。
A3: 基本のMRPは数量・時期の算出が中心で、能力計画はMRP IIや別機能で扱うことが多いです。
関連キーワード: MRP、部品表(BOM)、所要量計算、基準生産計画(MPS)、リードタイム、プッシュ型生産管理、在庫管理、MRP II、BOM爆発、ロットサイズ

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