基本情報技術者 2018年 春期 午前(科目A) 問37
問題文
攻撃者がシステムに侵入するときにポートスキャンを行う目的はどれか。
選択肢
ア:後処理の段階において、システムログに攻撃の痕跡が残っていないかどうかを調査する。
イ:権限取得の段階において、権限を奪取できそうなアカウントがあるかどうかを調査する。
ウ:事前調査の段階において、攻撃できそうなサービスがあるかどうかを調査する。(正解)
エ:不正実行の段階において、攻撃者にとって有益な利用者情報があるかどうかを調査する。
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ポートスキャンの目的【午前解説】
正解の理由
正解は ウ です。ポートスキャンは攻撃の「事前調査(リコノサンス)」段階に属し、対象ホストのどのポートが開いているか、どのサービスが動作しているかを確認して攻撃の足がかりとするために行います。開放ポートとサービス種別が分かれば、それに対応する既知の脆弱性や攻撃手法を検討して次の攻撃段階(脆弱性突攻、権限取得など)に移れます。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを確認:「ポートスキャン」「侵入」「目的」などを注視します。
- 攻撃ライフサイクルを思い出す:事前調査(リコノサンス)→侵入→権限取得→不正実行→後処理の流れを頭に入れます。
- 各選択肢をライフサイクルのどの段階に当てはまるか分類し、ポートスキャンはリコノサンスに一致する選択肢を選びます。
- 余裕があれば他の選択肢がなぜ不適切かを簡潔に除外して確信を固めます。
選択肢別の誤答解説
- ア: 後処理の段階において、システムログに攻撃の痕跡が残っていないかどうかを調査する。
- 誤り。これはカバリング(痕跡隠蔽)やログ消去に関する活動で、ポートスキャンの目的とは異なります。
- イ: 権限取得の段階において、権限を奪取できそうなアカウントがあるかどうかを調査する。
- 誤り。アカウントの有無やパスワード推測はクレデンシャル攻撃や権限昇格に関わる活動で、別の手法(ブルートフォース、辞書攻撃、脆弱性利用)が用いられます。
- ウ: 事前調査の段階において、攻撃できそうなサービスがあるかどうかを調査する。
- 正解。ポートスキャンは開放ポートやサービスを確認して攻撃対象を見つけるためのリコノサンス手法です。
- エ: 不正実行の段階において、攻撃者にとって有益な利用者情報があるかどうかを調査する。
- 誤り。不正実行やデータ窃取は、既に侵入や権限取得が行われた後の行為であり、ポートスキャンはそこに直接当たるものではありません。
よくある誤解
- ポートスキャンは「権限取得」や「不正実行」の直接手段だと誤解することがありますが、実際は前段の情報収集手段です。
- 「ログ確認(痕跡の有無)」のために行うという誤り:それは痕跡隠蔽や後処理の観点での活動であり、ポートスキャンとは目的が異なります。
- ポートスキャンでユーザのパスワードや個人情報が直接得られると考える人がいますが、ポートスキャンは主にサービスや開放ポートの把握が目的です。
補足コラム
- よく使われるツール:nmap(ポートスキャン、バナー取得、バージョン検出機能あり)。例:nmap -sS -sV -p 1-65535 対象IP。
- スキャンの種類:SYNスキャン(ステルス)、CONNECTスキャン(フル接続)、UDPスキャンなど。検知されやすさと情報量が異なります。
- 防御側の対策:不要ポート閉鎖、サービスの非公開化(ファイアウォール/ACL)、IDS/IPSによるスキャン検知、ログ収集と相関分析。
- 法的注意:許可なくポートスキャンを実施すると不正アクセス禁止法や各国の法律に抵触する可能性があります。必ず許可を得て実施してください。
例:nmap の基本コマンド
# ステルスSYNスキャンでバージョン検出(ポート範囲指定可能)
nmap -sS -sV -p 1-65535 192.0.2.10
FAQ
Q: ポートスキャンだけで侵入できますか?
A: いいえ。ポートスキャンは侵入のための情報収集であり、実際の侵入には脆弱性の悪用や認証情報の取得など別の手法が必要です。
A: いいえ。ポートスキャンは侵入のための情報収集であり、実際の侵入には脆弱性の悪用や認証情報の取得など別の手法が必要です。
Q: ポートスキャンはどうやって検出されますか?
A: IDS/IPSやホストベースのログ分析、一定時間内の多数の接続試行(ポートスキャン)を検知する仕組みで検出されます。タイミングを遅くしても完全に隠せるわけではありません。
A: IDS/IPSやホストベースのログ分析、一定時間内の多数の接続試行(ポートスキャン)を検知する仕組みで検出されます。タイミングを遅くしても完全に隠せるわけではありません。
Q: バナー情報はどの程度信頼できますか?
A: バナーは有用ですが偽装(バナーグラブの改変)されることがあるため、必ずしも正確とは限りません。複数手法で確認することが推奨されます。
A: バナーは有用ですが偽装(バナーグラブの改変)されることがあるため、必ずしも正確とは限りません。複数手法で確認することが推奨されます。
関連キーワード: ポートスキャン、サービス識別、nmap、SYNスキャン、バナー取得、脆弱性検出、ネットワークセキュリティ

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