基本情報技術者 2019年 秋期 午前(科目A) 問47
問題文
エラー埋込法において、埋め込まれたエラー数を、埋め込まれたエラーのうち発見されたエラー数を、埋め込まれたエラーを含まないテスト開始前の潜在エラー数を、発見された総エラー数をとしたとき、, , , の関係を表す式はどれか。
選択肢
ア:(正解)
イ:
ウ:
エ:
エラー埋込法に関する問題【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:埋込まれたエラーの検出率 は、埋込まれていない潜在エラーから検出された数の割合 と一致するという関係式が成り立ちます。
- 根拠:埋込エラーはテスト対象と同じ検出確率で見つかる前提に立ち、検出率を母集団(潜在エラー)に適用して導出します。
- 差がつくポイント: と を混同せず、 やサンプルサイズ が小さい場合の不安定さを理解していることが重要です。
正解の理由
正解は ア の
です。理由は次の通りです。埋込まれたエラー のうち発見された数 からテストの「検出率」を
と推定します。埋込まれていない潜在エラー についても同じ検出率 で見つかると仮定すれば、期待される発見数は です。実際に埋込エラーを除いた自然に発見されたエラー数は であるため
が成り立ちます。
よくある誤解
- 「(総エラー)をそのまま分子や分母に使う」:自然に見つかったエラーは であり、埋込エラー分 を除く必要があります。
- 「検出率の逆比を使う( や )」:検出率は発見数÷投入数の形で扱い、逆にすると意味が逆転します。
- 「 や が小さい場合でも推定が安定すると思う」: では推定不可能、 が小さいとばらつきが大きく信頼性が低下します。
解法ステップ
- 埋込エラーの検出率を定義する:。
- 埋込まれていない潜在エラー に同じ検出率が適用されると仮定する:期待発見数は 。
- 実際の自然発見数は なので 。
- を代入して整理すると を得る。
選択肢別の誤答解説
- ア:正解。上記の導出どおり、埋込エラーの検出率と自然欠陥の検出率を等置すると成立します。
- イ: は両辺を逆にした形や位置を入れ替えた誤りで、単位や意味(割合 vs 個数)が不一致になります。
- ウ: は を使っているため、埋込エラー を差し引いて自然発見数に合わせる必要を無視しています。
- エ: もやはり左右の次元が合わず、検出率(割合)と個数の比の取り方が間違っています。
(簡単な数値チェック)例: とすると検出率 。 から期待される発見数は で、これは に相当するので 。アのみ成立します。
補足コラム
エラー埋込法は捕獲再捕獲法(Lincoln–Petersen推定)と本質的に同じ考え方です。重要な前提は「埋め込んだエラーと実際の欠陥がテストに対して同様に検出される」ことです。現実には埋込エラーが簡単すぎたり難しすぎたりすると推定にバイアスが生じます。式を変形すると潜在エラー数の推定は
となり、 の場合は推定不可、 が小さい場合は分散が大きく信頼区間が広くなる点に注意してください。
FAQ
Q1: m=0 のときはどうすればよいですか?
A1: だと検出率がゼロで分母が 0 になり推定不能です。埋込数 を増やすかテスト条件を見直して検出可能性を上げる必要があります。
A1: だと検出率がゼロで分母が 0 になり推定不能です。埋込数 を増やすかテスト条件を見直して検出可能性を上げる必要があります。
Q2: 埋込エラーはどの程度の数を入れるべきですか?
A2: 統計的に信頼性を得るためには十分な が必要です。経験的には検出確率や期待される欠陥数に応じて数個〜数十個を検討しますが、試験のスコープやコストを考慮して決定します。
A2: 統計的に信頼性を得るためには十分な が必要です。経験的には検出確率や期待される欠陥数に応じて数個〜数十個を検討しますが、試験のスコープやコストを考慮して決定します。
Q3: この方法で推定した は絶対値として信頼できますか?
A3: 前提が満たされれば有用な推定ですが、前提が崩れるとバイアスが生じます。複数手法や履歴データと併用して評価するのが望ましいです。
A3: 前提が満たされれば有用な推定ですが、前提が崩れるとバイアスが生じます。複数手法や履歴データと併用して評価するのが望ましいです。
関連キーワード: エラー埋込法、バグ検出率、欠陥推定、捕獲再捕獲法、ソフトウェアテスト、品質保証、テスト設計、統計的推定

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