基本情報技術者 2024年 科目A 問19
問題文
図は、製品の製造上のある要因の値xと品質特性の値yとの関係をプロットしたものである。この図から読み取れることはどれか。

選択肢
ア:xからyを推定するためには、2次回帰係数の計算が必要である。
イ:xからyを推定するための回帰式は、yからxを推定する回帰式と同じである。
ウ:xとyの相関係数は正である。
エ:xとyの相関係数は負である。(正解)
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相関係数の符号【午前解説】
正解の理由
図の散布点は全体として右に行くほどyの値が小さくなる(右下がり)傾向を示しています。散布図の点群が右下がりであれば、xの増加に対してyが減少するので、xとyの共分散は負になり、ピアソンの相関係数も負の値を取ります。したがって選択肢のうち正しいのは エ(xとyの相関係数は負である)です。
解法ステップ
- 散布図全体の傾向(トレンド)を見る:点群が右上がりか右下がりかを判定する。
- 右下がりなら相関は負、右上がりなら正、明確な傾向がなければ零または弱い相関と判断する。
- 問で求められているのが「相関係数の符号」なら、傾きの符号をそのまま相関の符号と対応させる。
- 必要なら相関係数 の定義(共分散の符号)を確認して確信を持つ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「2次回帰係数の計算が必要である」
→ 図はほぼ直線的な帯状分布で、傾向の符号判定なら線形(一次)で十分です。二次(2次)回帰が必須とは言えません。二次回帰はデータに明確な曲線(放物線状)のパターンがある場合に使います。 - イ: 「xからyを推定する回帰式は、yからxを推定する回帰式と同じである」
→ 一般に回帰直線は回帰する変数を入れ替えると異なります(最小二乗法で求める回帰直線は対称ではありません)。完全相関(|r|=1)でない限り同じになりません。 - ウ: 「xとyの相関係数は正である」
→ 図は右下がりであり、これは負の相関を示します。正とは矛盾します。 - エ: (正答)「xとyの相関係数は負である」
→ 上述の通り、右下がりの散布は負の共分散/負の相関を意味します。
よくある誤解
- 見た目の散らばり幅と符号を混同する:点がばらついていても「傾向の向き(右上がり/右下がり)」は符号判定に重要であり、ばらつきの大きさは相関の絶対値(強さ)に影響するが符号には影響しない点を誤解しやすい。
- 回帰式の左右入れ替えで同じと考える:yをxで回帰する式とxをyで回帰する式は通常異なる(左右対称ではない)ことを忘れる。
- 負の相関=因果が逆とは限らない:負の相関は単に一方が増えると他方が減る傾向を示すだけで、因果関係を直接示すものではありません。
補足コラム
ピアソンの相関係数 は次の式で定義され、符号は共分散の符号と一致します。
- :右上がり(正の相関)
- :右下がり(負の相関)
- が 1 に近いほど強い線形関係を示す。
また、最小二乗回帰の傾きは相関係数と標準偏差の比で書けます:
この式からも、回帰の傾きは相関係数の符号と一致することがわかります。回帰式を入れ替えた場合の傾きは一般に異なります()。
FAQ
Q. 散布図で点が完全に一直線上に並んでいないと相関の符号は判断できない?
A. いいえ。一直線でなくても点群の全体的な傾向(右上がりか右下がりか)で符号は判断できます。強さ(|r|)はばらつきで変わりますが、符号は傾きの向きで決まります。
A. いいえ。一直線でなくても点群の全体的な傾向(右上がりか右下がりか)で符号は判断できます。強さ(|r|)はばらつきで変わりますが、符号は傾きの向きで決まります。
Q. 負の相関が見えるが外れ値があるとどうなる?
A. 外れ値は相関係数を大きく変える可能性があります。視覚判断で外れ値の影響を考慮するか、数値的に を計算して確認してください。
A. 外れ値は相関係数を大きく変える可能性があります。視覚判断で外れ値の影響を考慮するか、数値的に を計算して確認してください。
Q. 回帰式が左右で同じになる条件は?
A. 回帰式が互いに逆関数の形でなく「同じ」になるのは、変数の標準偏差が等しいか、あるいは完全相関(|r|=1)など特別な場合に限られます。
A. 回帰式が互いに逆関数の形でなく「同じ」になるのは、変数の標準偏差が等しいか、あるいは完全相関(|r|=1)など特別な場合に限られます。
関連キーワード: 散布図、相関係数、共分散、回帰直線、ピアソン相関、傾き、外れ値、線形関係

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