基本情報技術者 2026年 科目A 問01
問題文
入力されたビットに対して出力されるビットが0か1のいずれかである確率を遷移確率という。遷移確率を表にしたとき、a, b, c, dの関係はどれか。

選択肢
ア:a + b + c + d = 1
イ:a + b = 1, c + d = 1(正解)
ウ:a + c = 1, b + d = 1
エ:a + d = 1, b + c = 1
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入力ごとの遷移確率和【午前解説】
正解の理由
表は「入力を行、出力を列」に持つ遷移確率表です。各入力値に対して出力が0か1のいずれかになる確率の合計は必ず1になります。したがって、入力が0の行の確率和 は1、入力が1の行の確率和 も1になります。これが選択肢のうち イ(a + b = 1, c + d = 1)が正しい理由です。
解法ステップ
- 表の行と列の意味を確認する(行:入力、列:出力)。
- 「ある入力が与えられたときに出力が0になる確率」と「出力が1になる確率」は相互に排他的で全事象であることを認識する。
- 各入力行ごとに出力確率を足し合わせる:入力0なら 、入力1なら 。
- これに該当する選択肢を選ぶ(イ)。
選択肢別の誤答解説
- ア:
誤り。各行がそれぞれ1になるため、四つの値をすべて足すと通常は になります(入力が2種類のとき)。全体で1になるとは限りません。 - ウ:
誤り。これは列ごとの和が1になると仮定したもの(出力0について両入力を足す等)。列和が1になるのは別の正規化条件(列確率が条件付確率になっている場合など)を定めた場合のみで、ここでは誤りです。 - エ:
誤り。対角成分・非対角成分の和が1になるという誤った読み取りです。何らかの対称性がある特殊なチャネルを仮定しない限り成り立ちません。
よくある誤解
- 「表の全ての要素の和が1である」と誤解する
→ この表は条件付き確率(入力ごとの出力確率)なので、行ごとに和が1で、全体の和は入力数に応じて変わります。 - 「列ごとの和も必ず1になる」と考える
→ 列和が1になるのは列確率が正規化されている(列条件付け)場合のみ。一般的な遷移確率表は行和 = 1(行確率が条件付)です。
補足コラム
二値通信チャネルの典型例として、バイナリ対称チャネル(Binary Symmetric Channel, BSC)を考えると、誤り確率 に対して表は次のようになります:
- 入力0が出力0になる確率:(これは)
- 入力0が出力1になる確率:(これは)
- 入力1が出力0になる確率:(これは)
- 入力1が出力1になる確率:(これは) この場合も各行の和は です。
行列表示では、遷移確率行列 を
と書くと、行和が1であることは「行確率で正規化された行列(row-stochastic matrix)」であることを意味します。
FAQ
Q: なぜ行ごとに和が1なのですか?
A: 「入力が与えられたときに出力が0または1のいずれかになる」という排反かつ全事象の性質から、同じ条件(同じ入力)下の出力確率は全て合計して1になります。
A: 「入力が与えられたときに出力が0または1のいずれかになる」という排反かつ全事象の性質から、同じ条件(同じ入力)下の出力確率は全て合計して1になります。
Q: もし入力の出現確率(事前確率)が与えられていれば、全要素の和はどうなりますか?
A: 各要素が条件付き確率 のみを示すなら、それらの単純和は入力数に等しい(ここでは2)。事前確率 が与えられると、出力の周辺確率は などで計算します。この場合、全要素の重み付き和は1になります。
A: 各要素が条件付き確率 のみを示すなら、それらの単純和は入力数に等しい(ここでは2)。事前確率 が与えられると、出力の周辺確率は などで計算します。この場合、全要素の重み付き和は1になります。
Q: 列和が1になる場面はありますか?
A: はい。行と列の意味(どちらを条件とするか)を逆に取れば、列ごとに和が1になる「列正規化(column-stochastic)」な表も考えられます。問題文で行が「入力」と明示されている場合は行和が1です。
A: はい。行と列の意味(どちらを条件とするか)を逆に取れば、列ごとに和が1になる「列正規化(column-stochastic)」な表も考えられます。問題文で行が「入力」と明示されている場合は行和が1です。
関連キーワード: 遷移確率、条件付き確率、行和、列和、二値チャネル、確率分布

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