基本情報技術者 2026年 科目A 問03
問題文
プロセッサの一つであるGPUの特徴として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:OS及び他のハードウェアから独立して機能し、暗号キーなどの情報を安全に管理する。
イ:並列に動作する多数の浮動小数点演算ユニットによって、高速な3D演算ができる。(正解)
ウ:目的に応じて半導体デバイス内部の論理回路を再構成できる。
エ:量子ビットによって0と1を重ね合わせた状態を計算に使うことができる。
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GPUの並列浮動小数点処理【午前解説】
正解の理由
選択肢イが正解です。GPU(Graphics Processing Unit)は多数の演算ユニットを並列に動かして、高スループットの浮動小数点演算を得意とします。3Dグラフィックス処理は頂点・ピクセルごとに同種の数値演算を大量に行うため、並列に動作する浮動小数点演算ユニット群を備えたGPUが高速に処理できます。設計上はスループット重視(多数の演算を同時に処理)であり、これが3D演算や科学技術計算、機械学習の行列計算に適しています。
解法ステップ
- 選択肢のキーワードを拾う:「並列」「多数」「浮動小数点」「3D演算」→ グラフィックス処理や行列計算に最適化された装置を想起。
- 各選択肢を代表する装置を短く分類する:
- セキュア管理(暗号キー)→ TPM/セキュアエレメント
- 再構成可能な論理回路→ FPGA
- 量子ビットの重ね合わせ→ 量子コンピュータ
- 並列浮動小数点→ GPU
- キーワード一致で最も該当するものを選ぶ(上記の手順でイが合致)。
選択肢別の誤答解説
- ア: OSや他ハードウェアから独立して暗号キーを安全に管理する機能は、TPM(Trusted Platform Module)やセキュアエレメントが担います。GPUの主機能ではありません。
- イ: GPUの代表的な特徴を正確に表しています。多数の演算ユニット(シェーダープロセッサ/CUDAコア等)で並列に浮動小数点演算を行い、3Dレンダリングや並列計算を高速化します。
- ウ: 「半導体デバイス内部の論理回路を再構成できる」特徴はFPGA(Field-Programmable Gate Array)です。GPUは固定アーキテクチャ(プログラマブルだが論理そのものを再構成するわけではない)です。
- エ: 量子ビットによる計算は量子コンピュータの特性です。GPUは古典的な演算装置であり、量子的な重ね合わせやエンタングルメントを使いません。
よくある誤解
- GPUは「グラフィックス専用」だが本来はGPGPU(汎用目的GPU)として汎用計算にも使える。単に画面描画だけの装置と考えるのは誤り。
- FPGAとGPUを混同する受験者が多い。FPGAは回路を再構成して専用ハードを作るのに対し、GPUは大量の並列汎用演算ユニットでソフト的に処理を並列化する。
- GPUが「高速=高クロックの単一コア」だと誤解することがあるが、実際は多数の低〜中クロックコアの並列動作による高スループットが本質。
補足コラム
- GPUアーキテクチャでは「スレッドを多数束ねて同時に処理する」設計(SIMDやSIMT的実行)が用いられます。近年はAI向けにテンソルコアなど特化ユニットを持つGPUもあり、FP32/FP64だけでなく混合精度演算が性能向上に寄与します。
- 性能指標としては FLOPS(浮動小数点演算/秒)とメモリ帯域幅が重要です。高い並列性を活かすには十分なメモリ帯域と適切なアルゴリズムの並列化が必要です。
- 例(簡単なGPU利用のイメージ、CuPyを使った行列積):
import cupy as cp
a = cp.random.rand(1000,1000).astype(cp.float32)
b = cp.random.rand(1000,1000).astype(cp.float32)
c = cp.dot(a, b) # GPU上で高速に行列積を実行
FAQ
Q1: GPUはCPUの代わりになりますか?
A1: 役割が異なります。CPUは制御や低遅延処理を得意とし、GPUは大量の同種演算を並列に処理することで高スループットを出します。用途に応じて共存します。
A1: 役割が異なります。CPUは制御や低遅延処理を得意とし、GPUは大量の同種演算を並列に処理することで高スループットを出します。用途に応じて共存します。
Q2: どんな処理がGPUで特に速くなるのですか?
A2: 行列計算、ベクトル演算、ピクセル・頂点単位で同じ処理を繰り返すグラフィックスや科学技術計算、機械学習の訓練・推論などです。
A2: 行列計算、ベクトル演算、ピクセル・頂点単位で同じ処理を繰り返すグラフィックスや科学技術計算、機械学習の訓練・推論などです。
Q3: FPGAと比べていつGPUを選ぶべきですか?
A3: 開発期間を短くして汎用的な並列処理を行いたい場合はGPU。超低消費電力やハードウェアレベルの最適化(遅延短縮や専用回路)が必要ならFPGAが有利です。
A3: 開発期間を短くして汎用的な並列処理を行いたい場合はGPU。超低消費電力やハードウェアレベルの最適化(遅延短縮や専用回路)が必要ならFPGAが有利です。
関連キーワード: GPU、GPGPU、並列処理、浮動小数点演算、CUDA、SIMT、FPGA、TPM、量子コンピュータ、メモリ帯域幅

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