情報セキュリティマネジメント 2016年 秋期 午前(科目A) 問27
問題文
ランサムウェアに分類されるものはどれか。
選択肢
ア:感染したPCが外部と通信できるようプログラムを起動し、遠隔操作を可能にするマルウェア
イ:感染したPCに保存されているパスワード情報を盗み出すマルウェア
ウ:感染したPCのキー操作を記録し、ネットバンキングの暗証番号を盗むマルウェア
エ:感染したPCのファイルを暗号化し、ファイルの復号と引換えに金銭を要求するマルウェア(正解)
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ランサムウェア【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
ランサムウェアとは、端末やファイルを「勝手に使えない状態にして(主に暗号化)」その復旧と引き換えに金銭を要求する不正なソフトウェアです。問題文の選択肢のうち、感染したPCのファイルを暗号化し、ファイルの復号と引換えに金銭を要求するものが該当します。したがって正答は エ です。
ポイントは「ファイルを暗号化して金銭を要求する」という振る舞いです。他の選択肢は遠隔操作・情報窃取・キー入力の記録といった別の目的のマルウェアであり、ランサム(身代金)を直接要求する行為がありません。
解法ステップ
- 設問のキーワードを探す:「暗号化」「復号」「金銭要求」など金銭とファイル操作が組み合わさっているか確認する。
- 各選択肢の目的を短く分類する:遠隔操作、窃取、記録、暗号化+請求。
- 「金銭を要求」かつ「ファイルを使えなくする(暗号化)」の組み合わせがある選択肢を選ぶ。
短時間のテストでも、この手順で迷わず選べます。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 感染したPCが外部と通信できるようにして遠隔操作を可能にするマルウェア
→ これはバックドア(遠隔操作トロイの木馬)です。攻撃者が端末を遠隔で操作する目的で使いますが、必ずしも金銭要求をするわけではありません。 -
イ: 感染したPCに保存されているパスワード情報を盗み出すマルウェア
→ これは情報窃取タイプのマルウェア(パスワードスティーラー)です。盗んだ情報を売ったり、不正利用する目的で使われます。暗号化して身代金を要求するランサムウェアとは異なります。 -
ウ: 感染したPCのキー操作を記録し、ネットバンキングの暗証番号を盗むマルウェア
→ これはキーロガー(キー入力記録型マルウェア)です。入力内容を盗むことで不正送金などを行います。ファイル暗号化や身代金要求は行いません。 -
エ: 感染したPCのファイルを暗号化し、ファイルの復号と引換えに金銭を要求するマルウェア
→ これがランサムウェアの典型的な定義です。被害の本質は「業務や個人データの利用不能化」と「金銭要求」です。
よくある誤解
-
「身代金を要求すればすべてランサムウェアだ」
→ 身代金要求はランサムウェアの特徴ですが、最近はデータの持ち出し→公開をちらつかせる『二重恐喝(double extortion)』もあり、単純に「暗号化しないが脅す」ケースもあります。定義は「利用不能化+金銭要求」が基本です。 -
「ランサムウェア=画面ロックだけ」
→ 古いタイプの「ロッカー型」もありますが、多くはファイルを暗号化する「クリプト型」です。どちらも業務停止を狙いますが、対策はバックアップと隔離です。 -
「身代金を払えば確実に復旧する」
→ 支払っても復号キーが提供されない、あるいは完全に復旧しないことがあります。支払は推奨されません。
補足コラム
職場での運用イメージ:
- 定期バックアップ:重要なデータはネットワークから切り離した場所(オフラインまたは書き込み不可のストレージ)に保管します。これで暗号化被害後に復旧できます。
- アップデートと権限管理:OSやソフトを最新に保ち、管理者権限を不要な人に与えない運用が有効です。
- 教育とメール対策:添付ファイルや不審リンクを開かないことを従業員に周知し、メールのフィルタリングを行います。
- インシデント対応:感染したらすぐにネットワークから切り離し、ログや感染範囲を把握した上で専門家や法執行機関に連絡します。企業では事前に対応手順(インシデントレスポンス計画)を整備します。
最近の傾向として、攻撃者はファイル暗号化に加え、データを盗んで公開をちらつかせる「ダブルエクストーション」を行うことが増えています。つまり、暗号化だけでなく機密情報の持ち出しにも注意が必要です。
FAQ
Q: ランサムウェアに感染したらまず何をすべきですか?
A: まずネットワークからそのPCを切り離して拡散を防ぎます。その後、IT担当者や外部専門家に連絡し、ログの保存や感染範囲の特定、バックアップからの復旧可否を確認します。法的手続き(警察への届出)も検討します。
A: まずネットワークからそのPCを切り離して拡散を防ぎます。その後、IT担当者や外部専門家に連絡し、ログの保存や感染範囲の特定、バックアップからの復旧可否を確認します。法的手続き(警察への届出)も検討します。
Q: バックアップがあれば安心ですか?
A: バックアップがあれば復旧可能性は高まりますが、バックアップが感染時に上書きされる設計だと無効化されます。オフラインや読み取り専用のバックアップが望ましいです。
A: バックアップがあれば復旧可能性は高まりますが、バックアップが感染時に上書きされる設計だと無効化されます。オフラインや読み取り専用のバックアップが望ましいです。
Q: 支払ってデータは戻ってきますか?
A: 必ずしも戻ってきません。復号キーの提供や完全復旧は保証されず、さらに攻撃者にターゲットとされ続けるリスクもあります。原則として支払は推奨されません。
A: 必ずしも戻ってきません。復号キーの提供や完全復旧は保証されず、さらに攻撃者にターゲットとされ続けるリスクもあります。原則として支払は推奨されません。
Q: ランサムウェアの感染経路は?
A: 主にメールの添付ファイルやリンク、脆弱なリモート接続、ソフトウェアの脆弱性、USBなどの外部媒体です。多層的な防御が必要です。
A: 主にメールの添付ファイルやリンク、脆弱なリモート接続、ソフトウェアの脆弱性、USBなどの外部媒体です。多層的な防御が必要です。
関連キーワード: ランサムウェア、暗号化、バックドア、キーロガー、情報窃取、二重恐喝、復号鍵、バックアップ、インシデント対応、EDR(Endpoint Detection and Response:端末検知・対応)

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