情報セキュリティマネジメント 2016年 秋期 午前(科目A) 問39
問題文
事業継続計画(BCP)について監査を実施した結果、適切な状況と判断されるものはどれか。
選択肢
ア:従業員の緊急連絡先リストを作成し、最新版に更新している。(正解)
イ:重要書類は複製せずに1か所で集中保管している。
ウ:全ての業務について、優先順位なしに同一水準のBCPを策定している。
エ:平時にはBCPを従業員に非公開としている。
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事業継続計画(BCP)【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
監査で適切と判断されるのは ア「従業員の緊急連絡先リストを作成し、最新版に更新している」です。
事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)は、災害や事故時に事業を続ける・早く復旧するための計画です。従業員の安否確認や連絡体制は、初動の成否を決めます。緊急連絡先リストが整備され、最新版に更新されていることは、実務上すぐ使える体制が整っていることを示す重要な証拠になります。監査では「計画が作られている」だけでなく「運用できる状態か(現場で使えるか)」を見るため、連絡先の整備・更新は適切と評価されます。
事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)は、災害や事故時に事業を続ける・早く復旧するための計画です。従業員の安否確認や連絡体制は、初動の成否を決めます。緊急連絡先リストが整備され、最新版に更新されていることは、実務上すぐ使える体制が整っていることを示す重要な証拠になります。監査では「計画が作られている」だけでなく「運用できる状態か(現場で使えるか)」を見るため、連絡先の整備・更新は適切と評価されます。
解法ステップ
- BCPの目的を確認する:何を守り、何を早く復旧するか(人命・業務・取引先信頼など)。
- 各選択肢が「BCPの目的に合致しているか」「運用性(現場で使えるか)」を検討する。
- 危険になるのは「単一障害点(Single Point of Failure)」や「計画が現場に知られていないこと」。これらを含む選択肢は不適切と判断する。
- 最も現場対応に直結するもの(安否確認・連絡網の整備)が適切と判断する。
選択肢別の誤答解説
-
ア:従業員の緊急連絡先リストを作成し、最新版に更新している。
→ 適切。安否確認や初動連絡に必須。定期更新が行われている点も重要で、監査で高評価となる。なお、これだけでBCPが完璧になるわけではなく、訓練や他の手順と合わせて評価される。 -
イ:重要書類は複製せずに1か所で集中保管している。
→ 不適切。重要書類を単一の場所にだけ置くのは「単一障害点」であり、保管場所が被災したら復旧できない。冗長化(複製・別拠点保管・電子データのバックアップ)が必要。 -
ウ:全ての業務について、優先順位なしに同一水準のBCPを策定している。
→ 不適切。リソースは限られるため、重要度(顧客影響、人命、法令遵守など)に基づいて業務の優先順位を決め、重点的に復旧計画を作るのが現実的かつ合理的。すべて同一では非効率。 -
エ:平時にはBCPを従業員に非公開としている。
→ 不適切。BCPは従業員が自分の役割を理解し行動できるように公開・周知し、訓練も行う必要がある。機密すぎると初動で混乱する。なお、詳細な配置情報やセキュリティ上公開すべきでない情報は限定的に扱う。
よくある誤解
- 「BCPは作れば十分」:計画だけでなく、周知・訓練・定期見直し・実際に使える状態が必要です。
- 「データの1か所保管で安全」:むしろ地震や火災で全て失うリスクが高まります。電子データは別拠点やクラウドでのバックアップを検討します。
- 「BCPは経営だけの問題」:初動対応は現場の従業員が行います。従業員が計画を知り、役割を理解していることが成功の鍵です。
補足コラム
- 用語メモ:DRP(Disaster Recovery Plan:災害復旧計画)は、主にITやシステムの復旧を扱う計画です。BCPは事業全体(人・業務・取引先対応など)を含みます。
- 実務の一例(職場での運用):緊急連絡リストは人事が中心に管理し、部署ごとの安否確認フローを定めておきます。年1回以上の更新と、社内訓練で実際にその連絡先を使った想定訓練を行うと効果的です。個人情報の扱いはプライバシーに配慮し、閲覧権限を制限します。
FAQ
Q. 緊急連絡先は紙と電子どちらで保管すべきですか?
A. 両方が望ましいです。停電や通信障害を想定して紙媒体の最新版も保管し、電子版は別拠点や暗号化したクラウドで保管します。
A. 両方が望ましいです。停電や通信障害を想定して紙媒体の最新版も保管し、電子版は別拠点や暗号化したクラウドで保管します。
Q. BCPを従業員に公開するとリスクが増えませんか?
A. 全公開は避けるべき機密情報(個別のセキュリティ設定や詳細な拠点情報)を除き、役割・手順・連絡先は公開・周知すべきです。周知されていないと初動が遅れます。
A. 全公開は避けるべき機密情報(個別のセキュリティ設定や詳細な拠点情報)を除き、役割・手順・連絡先は公開・周知すべきです。周知されていないと初動が遅れます。
Q. どのくらいの頻度で緊急連絡先を更新すればよいですか?
A. 原則は変更があった都度。実務では最低でも年1回の確認を推奨します。人事異動や携帯番号変更時には更新フローを設けます。
A. 原則は変更があった都度。実務では最低でも年1回の確認を推奨します。人事異動や携帯番号変更時には更新フローを設けます。
関連キーワード: BCP、事業継続、BCM(Business Continuity Management:事業継続管理)、DRP(Disaster Recovery Plan:災害復旧計画)、RTO(Recovery Time Objective:目標復旧時間)、RPO(Recovery Point Objective:目標復旧時点)、緊急連絡先、単一障害点、事業継続訓練、災害対応

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