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情報セキュリティマネジメント 2016年 春期 午前(科目A)04


問題文

ノートPCやスマートフォンなどのモバイル機器に重要情報を格納して持ち出すとき、機器の紛失による情報漏えい対策として有効なものはどれか。

選択肢

モバイル機器でのSNSの使用を制限する。
モバイル機器内の情報をリモートから消去できるツールを導入する。(正解)
モバイル機器に通信を暗号化するツールを導入する。
モバイル機器にのぞき見防止フィルムを貼付する。

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遠隔消去(リモートワイプ)【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

ノートPCやスマートフォンなどのモバイル機器を紛失したとき、最も問題になるのは「端末内に保存された重要情報」が第三者に見られたり抜き取られたりすることです。こうした「端末内のデータ」を直接消去できるのが遠隔消去(リモートワイプ)です。したがって今回有効なのは の遠隔消去ツール導入です。
遠隔消去は、管理者や所有者がネットワーク経由で機器に対してデータ消去命令を送り、端末内の情報を削除する仕組みです。これにより、端末が物理的に回収される前でも情報漏えいのリスクを下げられます。
(補足)遠隔消去を確実に機能させるには、事前の導入・設定(管理ツールへの登録や権限付与)が必要です。実運用では MDM(Mobile Device Management:モバイル端末管理)と組み合わせて使われることが多いです。

解法ステップ

  1. 脅威の特定:設問は「紛失による情報漏えい」が問題。被害は端末内の保存データが盗まれること。
  2. 防御対象の確認:通信中のデータ(送受信時)ではなく、端末内の「保管(at rest)」データを守る必要がある。
  3. 対策の照合:選択肢のどれが「端末内のデータを削除・無効化できるか」を検討する。
  4. 結論:端末を遠隔で消去できる が最も直接的で有効。

選択肢別の誤答解説

  • ア: モバイル機器でのSNS使用制限
    SNSの使用制限は、業務外での情報発信やソーシャルエンジニアリングのリスクを下げますが、既に端末に保存されたファイルやメールを防ぐ対策にはなりません。紛失時の直接的な漏えい対策には不十分です。
  • : モバイル機器内の情報をリモートから消去できるツールを導入する
    端末紛失時に端末内のデータを遠隔で消去できるため、保存データ漏えいに対して直接的に有効です。ただし、端末が完全にオフラインで長期間接続されない場合は消去命令が届かない点や、消去後の復旧や法的手続きの問題(証跡の保存など)には注意が必要です。
  • ウ: モバイル機器に通信を暗号化するツールを導入する
    通信の暗号化はネットワーク上の盗聴を防ぐ対策であり、データの「送受信中」を守ります。紛失して端末内のデータが見られるケース(保存データの漏えい)には直接効果がありません。端末内データの保護には、別途暗号化(端末のディスク暗号化)や遠隔消去が必要です。
  • エ: のぞき見防止フィルムを貼付する
    のぞき見防止フィルムは画面の肩越し覗き見(視線盗み見)を防ぎます。物理的に画面が見られることには有効ですが、紛失して端末が手元にない場合のデータ流出対策にはならず、今回の想定(紛失による漏えい)には適切でありません。

よくある誤解

  1. 「通信暗号化があれば大丈夫」
    通信の暗号化は送受信時の防御です。端末紛失で保存データが盗まれるケースとは別物です。両方を組み合わせるのが望ましいです。
  2. 「遠隔消去は必ず動作する」
    遠隔消去は端末がインターネットに接続しないと命令が届きません。さらに、工場出荷化や不正なリセットで管理機能が外れると効果が減ります。事前登録・管理・暗号化との併用が重要です。
  3. 「のぞき見防止やSNS制限で情報漏えいは防げる」
    これらは有効な補助策ですが、紛失による保存データの抜き取りを防ぐ直接的な対策ではありません。

補足コラム

職場での運用イメージ(短く)
  • 事前準備:全端末を MDM(Mobile Device Management:モバイル端末管理)に登録。端末は必ずディスク暗号化(端末内データを暗号化)を有効にする。パスコードや生体認証を必須にする。
  • 紛失時の流れ:従業員が速やかに報告 → 管理者がMDMから遠隔でロックまたはワイプを実行 → 端末がオンラインになった時点で消去される。並行して警察届出や業務上の対応を行う。
  • 実務ポイント:業務データだけ消す「コンテナ方式」や、消去前に端末の位置情報を取得する機能も検討するとよいです。
補助的な対策(併用が重要)
  • 端末のフルディスク暗号化(端末内データを不正に読み出せないようにする)
  • 強固な認証(パスワード・PIN・生体認証)
  • 定期バックアップとデータ分類(業務データはクラウドに保管し、端末には最小限のみ保存)

FAQ

Q: 遠隔消去は端末がオフラインでも使える?
A: いいえ。消去命令は端末がネット接続されて初めて届きます。オフラインの間は即効性がありません。だからこそ端末の暗号化と併用する必要があります。
Q: 個人所有の端末(BYOD)でも遠隔消去して良い?
A: 法的・プライバシー面の配慮が必要です。企業は業務データのみを管理・消去できる仕組み(コンテナ化)や事前の同意を取り、ポリシーを明確にします。
Q: 遠隔消去で完全にデータは消えるの?
A: 多くの遠隔消去は端末上の論理的なデータを削除または暗号鍵を破棄しますが、物理的・高度な復元に対しては限界があります。端末暗号化を組み合わせれば実務上の安全性は高まります。

関連キーワード: リモートワイプ、遠隔消去、MDM(Mobile Device Management:モバイル端末管理)、モバイル端末管理、端末暗号化、データ漏えい対策、BYOD、紛失対策、コンテナ化、画面のぞき見防止
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