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情報セキュリティマネジメント 2016年 春期 午前(科目A)07


問題文

IPA “組織における内部不正防止ガイドライン”にも記載されている、組織の適切な情報セキュリティ対策はどれか。

選択肢

インターネット上のWebサイトへのアクセスに関しては、コンテンツフィルタ(URLフィルタ)を導入して、SNS、オンラインストレージ、掲示板などへのアクセスを制限する。(正解)
業務の電子メールを、システム障害に備えて、私用のメールアドレスに転送するよう設定させる。
従業員がファイル共有ソフトを利用する際は、ウイルス対策ソフトの誤検知によってファイル共有ソフトの利用が妨げられないよう、ウイルス対策ソフトの機能を一時的に無効にする。
組織が使用を許可していないソフトウェアに関しては、業務効率が向上するものに限定して、従業員の判断でインストールさせる。

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内部不正防止対策【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が示すガイドラインは、組織内の不正や情報漏えいを防ぐために、アクセス制御や通信制限など「業務に関係のない外部との接点を減らす」対策を推奨します。選択肢の中でこれに沿っているのは、Webサイトへのアクセス制限を行うコンテンツフィルタ導入を示した です。
コンテンツフィルタ(URLフィルタ:特定のWebサイトやサービスへの接続を制限する仕組み)は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス:交流や情報発信のためのWebサービス)やオンラインストレージ(クラウド上のファイル保存サービス)など、業務外のチャネルを通じたデータ持ち出しや不正通信のリスクを低下させます。したがって、内部不正防止の観点で適切です。
一方、他の選択肢は業務上のセキュリティを損なう行為(私用メールへの転送、ウイルス対策の無効化、未承認ソフトの放任)を容認するものであり、ガイドラインに反します。

解法ステップ

  1. 問題の主題を確認:内部不正防止に関する組織的な対策かどうかを把握する。
  2. 各選択肢が「情報漏えいリスクを下げるか」「業務の安全性を損なうか」を判断する。
  3. ガイドラインの基本原則(最小権限、管理された例外、セキュリティ機能の恒常活用)と照らし合わせる。
  4. 業務運用面で起こり得るリスク(私用転送、無効化、勝手なインストール)を優先的に排除できる選択肢を選ぶ。
この問題では、上の基準に合致するのが であると判断できます。

選択肢別の誤答解説

  • :コンテンツフィルタ(URLフィルタ)は業務に不要な外部サービスへのアクセスを制限し、情報の持ち出しや不正サービス利用の抑止につながる。業務上どうしても必要なサイトはホワイトリストや申請による例外管理で対応します。したがって適切です。
  • イ:私用のメールアドレスへの転送は、業務データが社外の管理外(個人のサービス)に保存・蓄積されるため、情報漏えいや外部流出のリスクが高まります。システム障害対策は、企業側で冗長化やバックアップ(例:サーバ型のメールアーカイブ)を用意するのが正しい対応です。
  • ウ:ウイルス対策ソフト(マルウェアを検出・隔離するソフト)の機能を意図的に無効にすることは、マルウェア感染や不正アクセスを招くため危険です。ファイル共有ソフト利用時の誤検知は、除外設定や運用ルール、製品の調整で対応すべきであり、無効化は正しい対処ではありません。
  • エ:組織が許可していないソフトを従業員の判断でインストールさせると、脆弱性やライセンス違反、情報漏えいの恐れが生じます。業務効率向上の可能性があっても、事前審査と承認プロセスを経ることが必要です(例:IT部門への申請→評価→許可/不許可)。

よくある誤解

  • 誤解1:厳しいアクセス制限は業務効率を必ず下げる。
    → 実際には、業務で必要なサイトを事前に許可(ホワイトリスト)し、申請窓口を設けることで効率と安全性を両立できます。
  • 誤解2:私用ツールに転送すれば復旧が速くなるので安全である。
    → 私用サービスは企業の管理下にないため、個人アカウントの紛失や外部からのアクセスで情報が漏れるリスクが高まります。
  • 誤解3:ウイルス対策ソフトの誤検知は常に無効化で対処する。
    → 一時的な例外設定やホワイトリスト、ベンダーへの報告で恒久的な解決を図るべきです。

補足コラム

実務での運用イメージ:
  • コンテンツフィルタは全社員のネットワーク出口(プロキシやゲートウェイ)で適用します。例えば「オンラインストレージ全般を原則遮断→業務で必要なら申請して一時的に許可」といった運用をします。申請履歴は監査証跡になります。
  • 例外運用は文書化し、情報管理責任者が承認する仕組みにするとよいです。これにより「業務上必要だが通常は禁止」のケースでの乱用を防げます。
  • 併せてログ監視やDLP(Data Loss Prevention:データ漏えい防止)を導入すると、許可されたチャネルでの不正持ち出しも検出しやすくなります。

FAQ

Q. SNSを全部禁止するのは過剰ですか?
A. 業務上必要なSNS利用は許可し、用途や投稿ルールを定め、監査と教育を行うのが現実的です。全社禁止は業務影響を招く場合があります。
Q. 私用メールに自動転送してはいけない理由は?
A. 個人のメールアカウントは企業の管理外であり、漏えいや二次利用、バックアップの欠如など多くのリスクが生じます。緊急時は企業側で代替手段(メールサーバの冗長化)を用意します。
Q. ウイルス対策が業務を妨げるときはどうする?
A. 一時的な業務停止が問題なら、事前に除外設定やベンダー対応、ソフトの調整を行い、無効化はしない運用にします。

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