情報セキュリティマネジメント 2017年 秋期 午前(科目A) 問27
問題文
マルウェアについて、トロイの木馬とワームを比較したとき、ワームの特徴はどれか。
選択肢
ア:勝手にファイルを暗号化して正常に読めなくする。
イ:単独のプログラムとして不正な動作を行う。
ウ:特定の条件になるまで活動をせずに待機する。
エ:ネットワークやリムーバブルメディアを媒介として自ら感染を広げる。(正解)
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ワームの特徴【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
マルウェア(malware:悪意あるソフトウェア)の一種であるワームは、自己増殖して他のコンピュータに感染を広げるプログラムです。したがって、ネットワークやUSBなどのリムーバブルメディアを媒介として自ら感染を広げるという説明が当てはまります。よって正解はエです。
ここで用語を簡単に整理します。
- マルウェア:悪意のあるソフトウェア全般の呼び名。
- ワーム(worm):自己増殖してネットワークや媒体経由で広がるプログラム。
- トロイの木馬(Trojan horse):見た目は有用なプログラムに偽装し、内部で不正を行うマルウェア。自力で増殖する機能は通常持ちません。
解法ステップ
- 問題で問われている「ワームとは何か」を頭に置く(自己増殖して広がる)。
- 各選択肢を「増殖するか」「単独か」「条件待ちか」「暗号化するか」で分類する。
- ワームの定義に合致する選択肢を選ぶ(自己感染・拡散を示すもの)。
- 他の選択肢がワーム以外のマルウェア(ランサムウェア、トロイの木馬、論理爆弾など)に該当しないか確認する。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 勝手にファイルを暗号化して正常に読めなくする。
これはランサムウェア(ransomware:身代金要求型のマルウェア)が典型的です。ワームの特徴ではありません。 -
イ: 単独のプログラムとして不正な動作を行う。
トロイの木馬やスタンドアロンのマルウェアにも当てはまる記述で、ワーム特有の「自ら拡散する」性質を示していません。 -
ウ: 特定の条件になるまで活動をせずに待機する。
これは「論理爆弾」や「タイマー付きマルウェア」に近い特徴です。ワームは条件に関わらず自己複製・拡散することが主要な性質です。 -
エ: ネットワークやリムーバブルメディアを媒介として自ら感染を広げる。
ワームは自己増殖して他の端末へ感染を広げるため、この記述が最も合致します。
よくある誤解
-
「ウイルスとワームは同じ」と考える誤解
ウイルスは通常、宿主ファイル(プログラムやファイル)に寄生して増殖するためユーザ操作やファイル実行を必要とする場合が多いです。一方ワームは単独で動作し、ネットワーク経由で自動的に広がる点が異なります。 -
「トロイの木馬も自動で拡散する」と勘違いする
トロイの木馬(Trojan)は有用ソフトに偽装して不正動作を行う点が特徴で、自己増殖機能は本質的には持ちません。拡散する場合は別のワームやウイルスの仕組みを組み合わせていることが多いです。
補足コラム
ワームの被害は急速に拡大する点が怖さです。例えばネットワークの脆弱性(ソフトの穴)を突いて一日に多数の端末に感染することがあります。歴史的にはMorrisワームやSQL Slammerなどがネットワークを混乱させました。職場では、OSやソフトの更新(パッチ適用)、ファイアウォール設定、USB使用ポリシー、アンチウイルスの導入が実務的な対策になります。特にネットワーク境界だけでなく内部ネットワークの分割(ネットワークセグメント化)も有効です。
FAQ
Q. ワームは必ずネットワーク経由で広がりますか?
A. 主にネットワーク経由が多いですが、USBなどのリムーバブルメディアやファイル共有経由で広がることもあります。重要なのは「自己増殖して拡散する」という性質です。
A. 主にネットワーク経由が多いですが、USBなどのリムーバブルメディアやファイル共有経由で広がることもあります。重要なのは「自己増殖して拡散する」という性質です。
Q. ワームに感染したらどうすればよいですか?
A. 速やかに感染端末をネットワークから隔離し、バックアップからの復旧やアンチウイルスでの駆除、及び感染経路の遮断(脆弱性修正)を行います。職場では事前にインシデント対応手順を決めておくと対応が速くなります。
A. 速やかに感染端末をネットワークから隔離し、バックアップからの復旧やアンチウイルスでの駆除、及び感染経路の遮断(脆弱性修正)を行います。職場では事前にインシデント対応手順を決めておくと対応が速くなります。
Q. メールの添付ファイルで広がるマルウェアはワームですか?
A. 添付ファイルを開くことで拡散するタイプはウイルスやトロイの木馬である場合が多いです。ワームもメールの脆弱性や自動送信機能を使って拡散することはありますが、自己増殖・自律的拡散の有無で判断します。
A. 添付ファイルを開くことで拡散するタイプはウイルスやトロイの木馬である場合が多いです。ワームもメールの脆弱性や自動送信機能を使って拡散することはありますが、自己増殖・自律的拡散の有無で判断します。
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