情報セキュリティマネジメント 2017年 春期 午前(科目A) 問17
問題文
1台のファイアウォールによって、外部セグメント、DMZ、内部セグメントの三つのセグメントに分割されたネットワークがある。このネットワークにおいて、Webサーバと、重要なデータをもつデータベースサーバから成るシステムを使って、利用者向けのサービスをインターネットに公開する場合、インターネットからの不正アクセスから重要なデータを保護するためのサーバの設置方法のうち、最も適切なものはどれか。ここで、ファイアウォールでは、外部セグメントとDMZとの間及びDMZと内部セグメントとの間の通信は特定のプロトコルだけを許可し、外部セグメントと内部セグメントとの間の直接の通信は許可しないものとする。
選択肢
ア:WebサーバとデータベースサーバをDMZに設置する。
イ:Webサーバとデータベースサーバを内部セグメントに設置する。
ウ:WebサーバをDMZに、データベースサーバを内部セグメントに設置する。(正解)
エ:Webサーバを外部セグメントに、データベースサーバをDMZに設置する。
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DMZと内部セグメントの分離【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
選択肢ウが適切なのは、重要なデータを持つデータベースサーバをインターネットから直接届かない内部セグメントに置き、公開用のWebサーバだけをDMZ(Demilitarized Zone:外部と内部の中間に置く公開サーバ専用のネットワーク)に置くことで、データベースへの直接攻撃や不正アクセスのリスクを減らせるためです。
ファイアウォール(外部と内部を区切り、通信の種類や方向を制御する機器)は外部⇄内部の直接通信を許可していません。WebはDMZで受け、Webから内部のDBへは必要最小限のプロトコル(例:DB接続ポート)だけを許可するという設計が「公開と保護の両立」を実現します。
ファイアウォール(外部と内部を区切り、通信の種類や方向を制御する機器)は外部⇄内部の直接通信を許可していません。WebはDMZで受け、Webから内部のDBへは必要最小限のプロトコル(例:DB接続ポート)だけを許可するという設計が「公開と保護の両立」を実現します。
解法ステップ
- 「守りたいもの」を明確にする:重要なデータがあるのはデータベース。これをインターネットから守る。
- 問題文の制約を確認する:外部↔内部の直接通信は禁止。外部↔DMZ、DMZ↔内部は特定プロトコルだけ許可できる。
- 最小露出の原則(必要なものだけ公開する)を適用する:公開が必要なのはWebサーバだけ。DBは公開不要。
- 各選択肢を当てはめる:WebのみDMZ、DBを内部に置く構成が条件と整合するかを確認する。
- 結論:条件を満たし、DBを保護できる構成が選択肢ウ。
選択肢別の誤答解説
- ア: WebサーバとデータベースサーバをDMZに設置する。
- なぜ誤りか:DMZは外部に近く、攻撃者に露出しやすい領域です。DBを置くと攻撃成功時に重要データが直接さらされる危険が高まります。ファイアウォールの制約を活かせていません。
- イ: Webサーバとデータベースサーバを内部セグメントに設置する。
- なぜ誤りか:外部からWebにアクセスできなくなります(問題のファイアウォール設定では外部⇄内部の直接通信は禁止)。外部公開が必要なサービスを内部に置くには別途プロキシ等を用意する必要があり、設問条件とは合いません。
- ウ: WebサーバをDMZに、データベースサーバを内部セグメントに設置する。
- なぜ正しいか:公開が必要なWebだけをDMZで受け、DBは内部に隔離。DMZ→内部はファイアウォールで特定プロトコルのみ許可し、DBへの接続をWebサーバからの必要最小限に限定できます。
- エ: Webサーバを外部セグメントに、データベースサーバをDMZに設置する。
- なぜ誤りか:外部セグメントに直接Webを置くとさらに露出が大きくなります。DBをDMZに置くことでDBも攻撃にさらされやすくなり、保護が不十分です。
よくある誤解
- 「DMZに置けば安全」:DMZは公開サーバを置くための領域であって、安全領域(内部)ではありません。公開される分、監視や制限を強化する必要があります。
- 「両方内部に置けば一番安全」:確かにDBの安全性は高まりますが、Webサービスを公開するには外部からの接続を許可する別の仕組み(公開用プロキシやロードバランサなど)が必要になり、設問のファイアウォール条件では不適合です。
- 「ファイアウォールで全て防げる」:ファイアウォールは重要ですが、脆弱なWebアプリや設定ミスがあるとWeb経由で内部に侵入される可能性があります。多層防御(Defense in Depth)が重要です。
補足コラム
現場での運用イメージ:
- WebサーバはDMZに設置し、HTTP/HTTPSのみを受け付ける。管理者のSSHやRDPアクセスは管理用ネットワーク(管理セグメント)や踏み台(Bastion)経由に限定します。
- DBは内部に置き、ファイアウォールでWebサーバのIPからのDB接続(例:ポート3306や1433など)だけを許可します。さらにDBへの管理接続はVPNや管理PCからのみとします。
- ログ収集や侵入検知(IDS/IPS)をDMZ・内部両方で行い、異常を早期に検出します。これが「公開と保護の両立」の現実的な運用です。
FAQ
Q: なぜWebサーバはDMZに置くのですか?
A: Webサーバはインターネットからの接続を受ける必要があるため、内部ネットワークとは分離した領域(DMZ)に置き、内部資産への影響を限定するためです。
A: Webサーバはインターネットからの接続を受ける必要があるため、内部ネットワークとは分離した領域(DMZ)に置き、内部資産への影響を限定するためです。
Q: WebからDBに接続する際、どんな制限が有効ですか?
A: 必要最小限のプロトコルとポート(例:DBのポート)だけをWeb→DB方向で許可し、送信元IPをWebサーバの固定IPに限定するのが効果的です。またアプリケーション層で認証・暗号化を行います。
A: 必要最小限のプロトコルとポート(例:DBのポート)だけをWeb→DB方向で許可し、送信元IPをWebサーバの固定IPに限定するのが効果的です。またアプリケーション層で認証・暗号化を行います。
Q: クラウド環境ではどう適用する?
A: クラウドでも同じ考え方です。サブネットやセキュリティグループでDMZ相当と内部相当を分け、インバウンドルールを最小化します。ロードバランサやWAF(Web Application Firewall)をDMZ側に置くのが一般的です。
A: クラウドでも同じ考え方です。サブネットやセキュリティグループでDMZ相当と内部相当を分け、インバウンドルールを最小化します。ロードバランサやWAF(Web Application Firewall)をDMZ側に置くのが一般的です。
関連キーワード: DMZ、ファイアウォール、セグメント分離、最小権限、公開サーバ運用、データベース保護、踏み台(Bastion)、防御深度、ポート制限、アクセス制御

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