情報セキュリティマネジメント 2018年 秋期 午前(科目A) 問21
問題文
APTの説明はどれか。
選択肢
ア:攻撃者がDoS攻撃及びDDoS攻撃を繰り返し、長期間にわたり特定組織の業務を妨害すること
イ:攻撃者が興味本位で場当たり的に、公開されている攻撃ツールや脆弱性検査ツールを悪用した攻撃を繰り返すこと
ウ:攻撃者が特定の目的をもち、標的となる組織の防御策に応じて複数の攻撃方法を組み合わせ、気付かれないよう執拗に攻撃を繰り返すこと(正解)
エ:攻撃者が不特定多数への感染を目的として、複数の攻撃方法を組み合わせたマルウェアを継続的にばらまくこと
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APT(標的型持続的脅威)【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
設問で示された説明のうち、攻撃者が「特定の目的を持ち」「標的の防御策に応じて複数手段を組み合わせ」「気付かれないよう執拗に継続する」特徴を最もよく表すのが ウ です。
APTは英語で Advanced Persistent Threat(高度で持続的な脅威)を意味します。ここでのポイントは「標的型(特定の組織や目的)」「持続性(長期間・執拗)」「高度(複数手法を組み合わせ、検知を避ける)」の三点で、これが ウ に合致します。
APTは英語で Advanced Persistent Threat(高度で持続的な脅威)を意味します。ここでのポイントは「標的型(特定の組織や目的)」「持続性(長期間・執拗)」「高度(複数手法を組み合わせ、検知を避ける)」の三点で、これが ウ に合致します。
(補足:DoS/DDoSはサービス妨害攻撃、マルウェアは悪意ソフト、脆弱性はソフトの弱点、などの用語は後述します。)
解法ステップ
- 「特定の目的か不特定か」を確認する。APTは特定目的・標的型→これが合致する選択肢を探す。
- 「持続的(長期間・執拗)か瞬発的か」を確認する。持続的ならAPT寄り。
- 「攻撃手法の高度さ(複数手法や防御回避)」を確認する。複合手法で回避を狙う説明があればAPT。
- 上記三点すべてを満たす選択肢が正解。今回は ウ が該当。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「DoS攻撃及びDDoS攻撃を繰り返し、長期間にわたり業務を妨害する」── DoS(Denial of Service:サービス妨害)/ DDoS(Distributed DoS:分散型サービス妨害)は主に可用性を奪う攻撃で、標的が不特定でも行われます。持続する場合もあるが、目的は妨害であって「標的を長期的に侵害し情報窃取や潜伏する」点がAPTと異なります。
- イ: 「興味本位で場当たり的に公開ツールを悪用」── この説明はスクリプトキディ(技術未熟だがツールを使う攻撃者)や一般的な雑多な攻撃を表します。標的性・長期性・高度な回避がないためAPTではない。
- ウ: 「特定目的・標的・複数手法・気付かれない執拗な攻撃」── これがAPTの本質を表すため正解。
- エ: 「不特定多数に感染を目的にマルウェアをばらまく」── ワーム型や一般的なマルウェア拡散の説明。広く感染させる点でAPTとは異なる(APTは狙った標的に対する持続的活動)。
よくある誤解
- 「長期間=APT」と考える誤解
長期間というだけでAPTとは限りません。持続の目的が「妨害」か「潜伏して情報を盗む」かで区別します。妨害目的ならDDoS系、情報窃取や潜伏ならAPT寄りです。 - 「高度=最先端のツールを使うこと」と誤解する
APTは必ずしも最新ツールを使うわけではありません。既知の脆弱性やフィッシングなど単純手段でも、標的の防御を避けて長期的に維持できればAPTと見なされます。
補足コラム
- 用語メモ
- APT(Advanced Persistent Threat:高度で持続的な脅威)── 標的に対して長期にわたり組織的に攻撃を続ける活動。主に情報窃取や機密奪取が目的。
- DDoS/DoS(Denial of Service:サービス妨害)── サービスを利用不能にする攻撃。目的は可用性の阻害。
- マルウェア(malicious software:悪意のあるソフトウェア)── ウイルス・ワーム・トロイの木馬などの総称。
- 脆弱性(vulnerability:弱点)── ソフトや設定の欠陥で、不正利用されると被害につながる。
- 職場での運用イメージ(簡単に)
APT対策は単一の製品だけで済みません。メールのフィルタリング、エンドポイント検知(EDR:Endpoint Detection and Response)、ログ監視、アクセス管理、定期的な脆弱性管理と教育(従業員のフィッシング耐性向上)が組み合わさる必要があります。疑わしい通信を見つけたら速やかにインシデント対応ルールに沿って隔離・調査を行います。
FAQ
Q. APTは誰が行うことが多いですか?
A. 組織的でリソースを持つ攻撃者(国家支援のグループや組織的犯罪グループ)が行うことが多いですが、必ずしも国家絡みとは限りません。
A. 組織的でリソースを持つ攻撃者(国家支援のグループや組織的犯罪グループ)が行うことが多いですが、必ずしも国家絡みとは限りません。
Q. 小さな会社でもAPTの被害はある?
A. はい。標的が中小企業であっても、取引先の関係から狙われることがあります。重要なのは標的価値で、規模は関係ありません。
A. はい。標的が中小企業であっても、取引先の関係から狙われることがあります。重要なのは標的価値で、規模は関係ありません。
Q. APTの初期侵入はどんな手段?
A. フィッシングメール(標的型メール)、公開サーバの脆弱性、サプライチェーン攻撃(委託先経由)など、多様です。
A. フィッシングメール(標的型メール)、公開サーバの脆弱性、サプライチェーン攻撃(委託先経由)など、多様です。
関連キーワード: APT、標的型攻撃、持続的脅威、マルウェア、DDoS、脆弱性管理、インシデント対応、EDR、フィッシング、サプライチェーンリスク

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