情報セキュリティマネジメント 2018年 秋期 午前(科目A) 問50
問題文
リーダシップのスタイルは、その組織の状況に合わせる必要がある。組織の状況とリーダシップのスタイルの関係に次のことが想定できるとすると、スポーツチームの監督のリーダシップのスタイルのうち、図中のdと考えられるものはどれか。
〔組織の状況とリーダシップのスタイルの関係〕
組織は発足当時、構成員や仕組みの成熟度が低いので、リーダが仕事本位のリーダシップで引っ張っていく。成熟度が上がるにつれ、リーダと構成員の人間関係が培われ、仕事本位から人間関係本位のリーダシップに移行していく。更に成熟度が進むと、構成員は自主的に行動できるようになり、仕事本位、人間関係本位のリーダシップがいずれも弱まっていく。

選択肢
ア:うるさく言うのも半分くらいで勝てるようになってきた。
イ:勝つためには選手と十分に話し合って戦略を作ることだ。
ウ:勝つためには選手に戦術の立案と実行を任せることだ。(正解)
エ:選手をきちんと管理することが勝つための条件だ。
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委任型リーダーシップ【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
図中の点dは「右下」に位置します。横軸は左が仕事本位(指示・管理重視)、右が仕事本位が弱くなる(指示しない)ことを表します。縦軸は上が人間関係本位(関係重視)、下が弱いことを表します。右下は「仕事本位も人間関係本位も弱い」領域で、構成員が自律的に動くためにリーダが任せる(委任)場面です。したがって「勝つためには選手に戦術の立案と実行を任せることだ。」に該当する選択肢は ウ であり、これが図のdに対応します。
(補足用語)委任(いにん:delegation)とは、目標や範囲を示して実行の権限や責任を部下に移すことです。
解法ステップ
- 軸の読み取り:
- 横軸=左が「仕事本位が強い(指示・管理)」、右が「仕事本位が弱い(任せる)」。
- 縦軸=上が「人間関係本位が強い(支持・対話)」、下が「人間関係本位が弱い」。
- 点dの位置確認:図は点a→b→(頂点)→c→dの順で、dは右下(横は右、縦は下)。
- 状況の意味づけ:右下は「構成員が成熟して自主的に行動するので、リーダーの介入は少ない」=委任。
- 選択肢と照合:委任の説明に一致する文が ウ の記述であることを確認する。
(覚え方)変化の流れは「左下(仕事重視・関係弱)→左上(仕事重視・関係強)→右上(仕事弱・関係強)→右下(仕事弱・関係弱=委任)」と進みます。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「うるさく言うのも半分くらいで勝てるようになってきた。」
まだ指示・管理が残っていて、完全な委任ではありません。図では左寄り(仕事本位が残る)で、d(右下)とは合いません。 - イ: 「勝つためには選手と十分に話し合って戦略を作ることだ。」
これは参加・支援型(supporting/participative)で、人間関係を重視して共同で決めるスタイルです。図の右上(c)や左上(b)に近く、委任のdとは異なります。 - ウ: 「勝つためには選手に戦術の立案と実行を任せることだ。」
これは委任(delegation)を明示しており、図の右下に対応します。したがって図のdに該当します。 - エ: 「選手をきちんと管理することが勝つための条件だ。」
管理・統制を強める指示型で、図の左側、特に左下(a)に対応します。委任のdとは逆の位置です。
よくある誤解
- 「人間関係本位が強ければ委任できる」
人間関係が良好なのは委任の前提になり得ますが、委任は「能力(スキル)」「意欲(やる気)」が揃っていることが必須です。関係だけ良くても指示は必要な場合があります。 - 「委任=放任(何もしないこと)」と混同する
委任は権限移譲ですが、目標設定・監督の枠組み(マイルストーンや報告)の設定や最終責任の保持はリーダに残ります。完全な放棄ではありません。 - 軸を取り違えるミス
図の横軸が「仕事本位の強さ」を示す点を見落とすと、選択肢の意味を誤解します。軸ラベルを必ず確認してください。
補足コラム
この図は「状況対応型リーダーシップ(Situational Leadership)」の考え方に近く、一般に次の4類型と対応します(英語名も併記)。
- 指示型(Directing / S1):リーダーが具体的に指示する。図の左下(a)。
- 指導・コーチ型(Coaching / S2):指示と支援を両立する。図の左上(b)。
- 支援・参加型(Supporting / S3):方針は部下と相談し決める。図の右上(c)。
- 委任型(Delegating / S4):目標と枠だけ示して任せる。図の右下(d)。
職場での運用イメージ:新入社員には「指示型」で仕事のやり方を教える。経験を積んだら「コーチ型/支援型」で裁量を広げ、最終的にプロジェクトリーダーなど信頼できる人には「委任」します。情報セキュリティのような重要領域では、委任しても最終的な責任と確認ルール(報告・監査・承認)は明確に残しておくことが重要です。
覚えやすい語呂(経路):
左下(指示)→左上(コーチ)→右上(サポート)→右下(委任)
FAQ
Q: チームのどの段階で委任して良いかわかりません。
A: 基本は「能力(知識・技術)」と「意欲(自信・責任感)」があること。小さな業務から段階的に範囲を広げ、結果と報告頻度で調整します。
A: 基本は「能力(知識・技術)」と「意欲(自信・責任感)」があること。小さな業務から段階的に範囲を広げ、結果と報告頻度で調整します。
Q: 委任して問題が起きたらどうする?
A: 問題が起きた際もリーダは最終責任があります。対処手順やエスカレーションルールを事前に決め、教育・フォローを強化してください。
A: 問題が起きた際もリーダは最終責任があります。対処手順やエスカレーションルールを事前に決め、教育・フォローを強化してください。
Q: 委任と単なる放任の見分け方は?
A: 委任は「目的」「範囲」「期待される成果」「評価基準」を明確にし、報告・相談のタイミングを決めます。放任はこれらが欠けています。
A: 委任は「目的」「範囲」「期待される成果」「評価基準」を明確にし、報告・相談のタイミングを決めます。放任はこれらが欠けています。
関連キーワード: リーダーシップ、委任、状況対応型、指示型、コーチング、参加型、権限移譲、成熟度、マネジメント、運用ルール

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