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情報セキュリティマネジメント 2018年 春期 午前(科目A)03


問題文

JIS Q 27000:2014(情報セキュリティマネジメントシステム用語)におけるリスク評価についての説明として、適切なものはどれか。

選択肢

対策を講じることによって、リスクを修正するプロセス
リスクとその大きさが受容可能か否かを決定するために、リスク分析の結果をリスク基準と比較するプロセス(正解)
リスクの特質を理解し、リスクレベルを決定するプロセス
リスクの発見、認識及び記述を行うプロセス

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リスク評価【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

JIS Q 27000:2014 における「リスク評価」は、リスク分析(risk analysis:リスクの特質や大きさを明らかにすること)の結果を、あらかじめ定めた「リスク基準(risk criteria:どの程度のリスクなら許容できるかを示す基準)」と照らし合わせて、当該リスクが受容可能か否かを判断するプロセスです。したがって、選択肢の中でこの定義に一致するのは です。 は「リスク分析の結果をリスク基準と比較して受容可能かを決める」と明確に述べており、JIS/ISO の定義に合致します。

解法ステップ

  1. 設問の用語が JIS/ISO の英語定義(risk evaluation)に対応するかを確認する。
  2. 各選択肢の動詞に注目する(例:修正する、比較する、決定する、発見する)。
  3. 「比較して受容可能かを決定する」という表現があれば、それがリスク評価(evaluation)を指すと判断する。
  4. 残りはリスク分析(analysis)やリスク処置(treatment)など別概念でないか照合する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「対策を講じることによって、リスクを修正するプロセス」
    • これはリスク処置(risk treatment:リスクを低減・回避・移転・受容するための対策実施)の説明です。評価ではなく実際の対策の段階なので誤りです。
  • : 「リスクとその大きさが受容可能か否かを決定するために、リスク分析の結果をリスク基準と比較するプロセス」
    • JIS/ISO の定義そのものです。分析結果を基準と比較して判断する活動がリスク評価です。
  • ウ: 「リスクの特質を理解し、リスクレベルを決定するプロセス」
    • これはリスク分析(risk analysis)に該当します。リスクの性質や発生確率・影響度を評価して“リスクレベル”を算出するのが分析です。評価はその後に行う判断フェーズです。
  • エ: 「リスクの発見、認識及び記述を行うプロセス」
    • これはリスクの特定(risk identification)に該当します。まずリスクを見つけて記述する段階であり、評価とは別の工程です。

よくある誤解

  • リスク評価=リスク全体の作業、と思い込む
    • 実務では「リスク評価」は分析結果を基準と比較して判断する狭い意味です。リスクの発見や分析、処置は別工程として整理されます。
  • リスク基準は曖昧でよいと思う
    • 基準が不明瞭だと評価結果がばらつきます。被害金額や許容ダウンタイムなど、具体的な数値や条件を決めることが重要です。
  • 評価は数値だけの作業と思う
    • 数値(発生確率や影響度)は重要ですが、法令、社会的影響、事業継続性など定性的な観点も評価に含めます。

補足コラム

  • 用語の整理(JIS/ISO の考え方)
    • リスク特定(risk identification):リスクを見つけて書き出す。
    • リスク分析(risk analysis):リスクの原因、発生確率、影響の大きさを明らかにしてリスクレベルを算出する。
    • リスク評価(risk evaluation):分析結果を「リスク基準」と比較して受容可能か判断する。
    • リスク処置(risk treatment):判断に基づき対策を決めて実施する。
  • 覚え方のヒント:見つける→測る→比べる→対処する(特定→分析→評価→処置)。
職場での運用イメージ:経営層やリスク管理責任者が「業務停止は最大でも1日以内」「情報漏えいによる金銭的損失は100万円未満なら受容する」といったリスク基準を設定します。担当者は分析結果(発生確率30%、想定損失50万円など)を基準と比較し、受容するか対策を講じるか決め、記録します。

FAQ

Q1: リスク評価は誰が行うべきですか?
A1: 分析は現場や担当者が行い、最終的な評価(受容可否の判断)は経営層やリスクオーナー(そのリスクの責任者)が行うのが望ましいです。基準設定も経営の関与が必要です。
Q2: リスク基準が無い場合はどうなる?
A2: 比較対象が無いため、一貫した判断ができません。まず基準を作り、組織で合意することが先決です。
Q3: 定量評価できないリスクは評価できないですか?
A3: いいえ。定性的評価(高/中/低など)やスコア化して基準と比較する方法で評価できます。重要なのは基準との比較が可能な形に整理することです。

関連キーワード: リスク評価、risk evaluation、リスク分析、リスク処置、リスク基準、リスク特定、JIS Q 27000、ISO 31000
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