情報セキュリティマネジメント 2018年 春期 午前(科目A) 問39
問題文
システム監査において、監査証拠となるものはどれか。
選択肢
ア:システム監査チームが監査意見を取りまとめるためのミーティングの議事録
イ:システム監査チームが監査報告書に記載した指摘事項
ウ:システム監査チームが作成した個別監査計画書
エ:システム監査チームが被監査部門から入手したシステム運用記録(正解)
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監査証拠(エビデンス)【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
監査で使う「証拠」とは、監査人(監査を行う人)が監査意見(判断)を裏付けるために入手する客観的な記録や資料です。被監査部門が日常的に作成・保有している「システム運用記録」は、実際の運用状況を示す一次的な記録であり、監査証拠として最も信頼性が高い資料です。したがって、選択肢のうち監査証拠に当たるのは エ の「被監査部門から入手したシステム運用記録」です。
ポイント:
- 監査証拠は監査対象側が作成した客観的な記録(ログ、画面出力、操作履歴、設定ファイルなど)が基本。
- 監査人側が作成した会議議事録や監査計画、最終的な指摘事項は、「監査人の作業文書」や「監査の結論」であり、証拠そのものではありません。
(用語補足)監査(audit):業務やシステムが規程や基準に従っているかを第三者的に確認する活動。
解法ステップ
- 問題のキーワードを見つける:「監査証拠」「入手」「被監査部門」など。
- 監査証拠とは何かを短く定義する(客観的な記録・資料)。
- 各選択肢が「客観的な一次記録か」「監査人側の作業・結論か」を判断する。
- 一次記録や運用ログなど、実際の業務を示す資料を選ぶ。
この流れで選べば、監査人自身が作成した文書(議事録、監査計画、監査報告の指摘)は証拠ではないと判定できます。
選択肢別の誤答解説
-
ア: システム監査チームが監査意見を取りまとめるためのミーティングの議事録
→ 監査人側が作成した会議の記録です。監査のための内部作業文書(ワーキングペーパー)であり、監査意見の根拠を整理する助けにはなりますが、被監査部門の実態を示す一次的証拠ではありません。 -
イ: システム監査チームが監査報告書に記載した指摘事項
→ 監査人の結論・評価です。指摘事項そのものは「判断」であり、監査証拠はその判断を支持するデータ(ログや記録)です。したがって指摘事項自体は証拠ではありません。 -
ウ: システム監査チームが作成した個別監査計画書
→ 監査の計画書は監査人が実施に当たって作る文書で、監査の方法や対象を示すものです。計画書は手続きの証拠(監査が適切に計画されたことを示す資料)にはなり得ますが、ここで問われている「監査証拠(被監査部門の運用を示す証拠)」とは性質が異なります。 -
エ: システム監査チームが被監査部門から入手したシステム運用記録
→ 被監査部門が日常的に作成・保有する運用記録は、実際の操作やイベントを示す一次的で客観的な証拠です。これが監査証拠として適切です。
(正解に関する表記は本文中の エ を参照してください)
よくある誤解
-
「監査人が作った文書=監査証拠」と考える誤り
- 監査人の議事録や計画、指摘は重要ですが、これらは作業文書や結論であり、被監査部門の実態を直接示す証拠とは区別します。
-
「口頭説明だけで証拠になる」と思う誤り
- 口頭の説明は参考情報になりますが、監査証拠としては弱く、可能なら記録(メール、ログ、書類)で裏付けが必要です。
補足コラム
監査証拠の品質を判断する3要素:
- 関連性(relevance):監査の目的・基準に関係があるか。
- 信頼性(reliability):改ざんされていないか、誰がいつ作成したかが分かるか。システムログはタイムスタンプやアクセス制御で信頼性が高い。
- 十分性(sufficiency):結論を支えるのに量的・質的に十分か。単発の記録だけでなく複数の記録で裏付けると強い。
職場での運用イメージ:
- システム運用記録(ログ)は定期的に保存・バックアップし、改ざん防止のためにアクセス権を制限します。監査時にはログの取得方法や保持期間、保存場所を説明できるようにしておくとスムーズです。
関連するガイドライン:ISO 19011(監査実施のガイド)や内部統制の考え方に沿って、証拠収集と保管のルールを整備すると良いでしょう。
FAQ
Q1: 監査人が作った証拠は全く使えないのですか?
A1: 使えますが性質が異なります。監査人の作業文書は「監査が適切に行われた」ことを示す内部記録です。被監査部門の運用実態を裏付ける一次証拠(ログや業務書類)と分けて扱います。
A1: 使えますが性質が異なります。監査人の作業文書は「監査が適切に行われた」ことを示す内部記録です。被監査部門の運用実態を裏付ける一次証拠(ログや業務書類)と分けて扱います。
Q2: 口頭での確認だけで監査は成立しますか?
A2: 基本的に成立しません。口頭確認は補助的な情報で、記録(メール、ログ、ファイル等)で裏付けることが求められます。
A2: 基本的に成立しません。口頭確認は補助的な情報で、記録(メール、ログ、ファイル等)で裏付けることが求められます。
Q3: 電子的なログは改ざんされたら証拠にならない?
A3: 改ざんが疑われると信頼性が下がります。タイムスタンプ、アクセス制御、ハッシュ値などで改ざん防止や検出の仕組みを整えておくことが重要です。
A3: 改ざんが疑われると信頼性が下がります。タイムスタンプ、アクセス制御、ハッシュ値などで改ざん防止や検出の仕組みを整えておくことが重要です。
関連キーワード: 監査証拠、システム監査、運用記録(ログ)、監査人の作業文書、証拠の信頼性、内部監査、記録保持、監査手続き

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