情報セキュリティマネジメント 2019年 秋期 午前(科目A) 問18
問題文
WPA3はどれか。
選択肢
ア:HTTP通信の暗号化規格
イ:TCP/IP通信の暗号化規格
ウ:Webサーバで使用するディジタル証明書の規格
エ:無線LANのセキュリティ規格(正解)
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WPA3規格【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
WPA3は、無線LAN(Wi‑Fi:無線でデータを送受信するネットワーク)のセキュリティ規格です。選択肢のうち、無線LANのセキュリティ規格を示すものが正解です。ここでは正解の選択肢を エ と呼びます。
WPAは「WPA(Wi‑Fi Protected Access:Wi‑Fi保護アクセス)」の系列で、WPA3はその最新版です。無線LANの通信を暗号化し、認証(誰が接続できるかを確認する仕組み)や暗号化方式を改良して、盗聴や不正接続などのリスクを下げます。したがって無線LANに関係しない選択肢(HTTP/TCP/IPの暗号化、Webサーバ証明書)は該当しません。
解法ステップ
- 問題文から「WPA3」という用語を見つける。WPAはWi‑Fi(無線LAN)に関係する用語であると思い出す。
- 各選択肢を「どの層・用途の規格か」で分類する。
- HTTP → Webアプリケーション層(ブラウザとサーバのプロトコル)
- TCP/IP → ネットワーク/トランスポート層のプロトコル群
- Webサーバの証明書 → TLS/証明書(公開鍵基盤)関連
- 無線LANのセキュリティ規格 → Wi‑Fiに直接関係するもの
- 「WPA」はWi‑Fiの保護規格であることを確認し、無線LANに関する選択肢(エ)を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: HTTP通信の暗号化規格
- HTTP自体はWebの通信プロトコルです。暗号化は主にTLS(Transport Layer Security:通信の暗号化・認証を行う規格)によって行います。HTTPを暗号化したものがHTTPSで、WPA3とは別分野です。
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イ: TCP/IP通信の暗号化規格
- TCP/IPはネットワークとトランスポートのプロトコル群です。IP層やトランスポート層の暗号化にはIPsecなどがありますが、WPA3は無線リンクの保護(Wi‑Fiフレームの暗号化)を扱います。階層が違います。
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ウ: Webサーバで使用するディジタル証明書の規格
- Webサーバで使う証明書は主にX.509形式の公開鍵証明書で、TLSでのサーバ認証に使います。WPA3は無線LANの認証・暗号化方式で、証明書の規格ではありません。
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エ: 無線LANのセキュリティ規格(正解)
- WPA3は無線LANのための最新のセキュリティ規格で、これにより無線通信の暗号化・認証が強化されます。
よくある誤解
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「WPA3を使えば無線LANが完全に安全になる」
- WPA3はセキュリティを強化しますが、設定ミス、古い端末、強くないパスフレーズ、管理者アカウントの放置など運用の問題があると脆弱です。技術+運用の両方が必要です。
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「WPA3はすべての古い機器で使える」
- WPA3は比較的新しい規格です。対応していない古い端末やアクセスポイント(AP)はファームウェア更新や機器交換が必要です。混在環境では「WPA2/WPA3 対応モード(移行モード)」が使われますが、完全なWPA3の保護は期待できません。
補足コラム
- WPA3の主な技術的改善
- SAE(Simultaneous Authentication of Equals:同等認証方式)
- 旧来のPSK(Pre-Shared Key:事前共有鍵)方式の弱点を補い、オフライン辞書攻撃(盗んだパケットでパスワードを試す攻撃)に強くします。
- OWE(Opportunistic Wireless Encryption:自動暗号化)
- 公衆のオープンWi‑Fi(パスワード無し)でも暗号化を提供し、盗聴リスクを下げます(ただし認証は行わない)。
- WPA3-Enterprise(企業向け)
- より強い暗号スイート(192ビットレベル)を選べます。企業では802.1X(ネットワーク接続時の認証フレームワーク)+RADIUS(認証サーバ)との組合せで運用することが多いです。
- SAE(Simultaneous Authentication of Equals:同等認証方式)
- 職場での運用イメージ
- 無線APのファームウェアを確認・更新し、対応クライアントをリスト化します。移行期間はWPA2/WPA3混在モードを使いつつ、段階的にWPA3専用に切り替えることが現実的です。パスフレーズは長く複雑にし、企業ではPSKより802.1X認証を推奨します。
FAQ
Q1: WPA2とWPA3の違いは何ですか?
A1: WPA3はWPA2の後継で、認証方式(SAE)や公開環境向け暗号化(OWE)、企業向けの強力な暗号スイートなどを追加・改善し、オフライン攻撃や盗聴に対する耐性を高めています。
A1: WPA3はWPA2の後継で、認証方式(SAE)や公開環境向け暗号化(OWE)、企業向けの強力な暗号スイートなどを追加・改善し、オフライン攻撃や盗聴に対する耐性を高めています。
Q2: 自宅でWPA3にしたいが、古いスマホは接続できるか?
A2: 古いスマホがWPA3非対応なら接続できません。多くのルータは「WPA2/WPA3混在モード」を提供しますが、その場合はWPA3の全機能が限定されることがあります。機器の対応状況を確認してください。
A2: 古いスマホがWPA3非対応なら接続できません。多くのルータは「WPA2/WPA3混在モード」を提供しますが、その場合はWPA3の全機能が限定されることがあります。機器の対応状況を確認してください。
Q3: WPA3にすればパスワードが短くても安全?
A3: いいえ。SAEはオフライン辞書攻撃に強くなりますが、短く単純なパスワードは依然リスクです。十分に長く複雑なパスフレーズを設定してください。
A3: いいえ。SAEはオフライン辞書攻撃に強くなりますが、短く単純なパスワードは依然リスクです。十分に長く複雑なパスフレーズを設定してください。
Q4: 会社ではPSKと802.1Xどちらを使うべき?
A4: 会社では管理・ログ管理・ユーザー単位の制御ができる802.1X(EAPを使った認証。RADIUSと組み合わせる)を推奨します。PSKは小規模や来客用の用途に限定するのが安全です。
A4: 会社では管理・ログ管理・ユーザー単位の制御ができる802.1X(EAPを使った認証。RADIUSと組み合わせる)を推奨します。PSKは小規模や来客用の用途に限定するのが安全です。
関連キーワード: WPA3、WPA2、SAE、OWE、PSK、802.1X、RADIUS、無線LAN、Wi‑Fiセキュリティ、暗号化、認証

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