情報セキュリティマネジメント 2019年 秋期 午前(科目A) 問20
問題文
ディジタル署名に用いる鍵の組みのうち、適切なものはどれか。

選択肢
ア:
イ:
ウ:
エ:(正解)
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ディジタル署名の鍵対【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
ディジタル署名は、署名者が「自分が作った」と証明し、改ざんがないことを確認するための仕組みです。ここで用いる暗号方式は非対称暗号(公開鍵暗号:Public key cryptography)で、鍵は「秘密鍵(Private key:本人だけが保持する鍵)」と「公開鍵(Public key:誰でも使える検証用の鍵)」の対になります。署名の作成は署名者が保持する秘密鍵で行い、検証は対応する公開鍵で行います。したがって選択肢エ(作成に秘密鍵、検証に公開鍵)が正しい理由です。
ポイントを平たく言うと:
- 署名を作るのは「本人だけにしかできない」操作にする必要がある → 秘密鍵で署名。
- 署名の正当性を誰でも確認できる必要がある → 公開鍵で検証。
解法ステップ
- 問題文から「ディジタル署名」をキーにする。目的は「作成者確認」と「改ざん検出」だと確認する。
- 「作成(サイン)」に使う鍵は本人だけが持つべきかを考える → はい(秘密鍵)。
- 「検証(Verify)」は第三者でもできるべきかを考える → はい(公開鍵)。
- 選択肢を見て、作成=秘密鍵、検証=公開鍵になっている組合せを選ぶ(エ)。
覚え方の一言メモ:署名は「秘密鍵で押すハンコ」、検証は「公開された印影で照合」。
選択肢別の誤答解説
- ア:作成に共通鍵/検証に秘密鍵
- 共通鍵(対称鍵)は署名の作成・検証に使うと、鍵を共有する全員が同じ操作を行えるため「誰が作ったか」を証明できません。共通鍵を使う方式はMAC(メッセージ認証コード)に相当し、否認防止(本人否認の防止)ができないため誤りです。
- イ:作成に公開鍵/検証に秘密鍵
- 公開鍵は誰でも手に入るため、それで署名を作れると「誰でも署名できる」ことになり意味がありません。役割が逆になっており誤りです。
- ウ:作成に秘密鍵/検証に共通鍵
- 作成は秘密鍵で合っても、検証が共通鍵というのは成立しません。秘密鍵と共通鍵はペアではないため、対応関係が取れず検証できないか、検証しても署名の作成者を特定できません。
- エ:作成に秘密鍵/検証に公開鍵(正解)
- 非対称鍵ペアの正しい役割分担です。秘密鍵でのみ署名を作成でき、公開鍵で誰でも検証できます。
よくある誤解
- 「公開鍵で暗号化したら署名になる」
- 暗号化と署名は目的が違います。暗号化は「秘密にする」ため、署名は「本人性・改ざん検出」のためです。公開鍵で暗号化すると受信者(秘密鍵持ち)しか復号できず、署名とは逆の目的になります。
- 「共通鍵でも署名の代わりになる」
- 共通鍵は通信の両端が同じ鍵を持つため、第三者に対する証明力が弱く、否認防止ができません。業務上「誰が作ったか」を示すには非対称署名が必要です。
- 「公開鍵は信用できるものと自動的に信頼して良い」
- 公開鍵自体が偽造され得ます。公開鍵を安全に結びつける仕組み(PKIや証明書、公開鍵の指紋確認)が重要です。
補足コラム
職場での運用イメージ:
- 署名を使う場面:電子契約書の署名、ソフトウェアのコード署名、メールのS/MIME署名など。
- 秘密鍵の管理:秘密鍵はHSM(Hardware Security Module:秘密鍵を安全に保管する専用機器)やパスフレーズで保護されたキーストアに入れます。私物のUSBやPCに無防備に置くと漏洩リスクが高く、漏えい時は直ちに鍵の失効(リボーク)と新鍵発行が必要です。
- 公開鍵の配布:社内なら社内ディレクトリや証明書、社外なら認証局(CA:Certificate Authority)による証明書を通じて配布・検証します。
FAQ
Q1. 秘密鍵をなくしたらどうなる?
A1. 署名作成ができなくなります。もし紛失や漏洩なら、対応として当該鍵の証明書を失効(リボーク)し、新しい鍵で再発行・再配布する必要があります。
A1. 署名作成ができなくなります。もし紛失や漏洩なら、対応として当該鍵の証明書を失効(リボーク)し、新しい鍵で再発行・再配布する必要があります。
Q2. 署名と暗号化は同時にできる?
A2. はい。例えば文書を署名してから暗号化すれば、受信者は復号して署名を検証できます。順序と目的を理解して使います。
A2. はい。例えば文書を署名してから暗号化すれば、受信者は復号して署名を検証できます。順序と目的を理解して使います。
Q3. 電子署名は法的効力がある?
A3. 多くの国で電子署名に法的効力が認められていますが、具体的な要件(誰の署名か確定できるか、改ざん検出できるか等)は法制度や運用に依存します。重要な文書は社内規程や法律に従って運用してください。
A3. 多くの国で電子署名に法的効力が認められていますが、具体的な要件(誰の署名か確定できるか、改ざん検出できるか等)は法制度や運用に依存します。重要な文書は社内規程や法律に従って運用してください。
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