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情報セキュリティマネジメント 2019年 秋期 午前(科目A)37


問題文

入出金管理システムから出力された入金データファイルを、売掛金管理システムが読み込んでマスタファイルを更新する。入出金管理システムから売掛金管理システムに受け渡されたデータの正確性及び網羅性を確保するコントロールはどれか。

選択肢

売掛金管理システムにおける入力データと出力結果とのランツーランコントロール
売掛金管理システムのマスタファイル更新におけるタイムスタンプ機能
入金額及び入金データ件数のコントロールトータルのチェック(正解)
入出金管理システムへの入力のエディットバリデーションチェック

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コントロールトータル【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

入出金管理システムから売掛金管理システムへ渡されたデータの「正確性(内容が合っている)」と「網羅性(漏れがない)」を同時に確認するには、合計金額や件数といった集計値を送信側と受信側で照合する「コントロールトータル(control total:制御合計)」が有効です。具体的には、送信元がファイルに合計金額と件数を付け、受信側が受け取ったファイルの金額合計と件数を再計算して比較します。これにより、転送中のレコード欠落(網羅性の問題)や誤った金額反映(正確性の問題)を検出できます。したがって選択肢の中では が適切です。
(用語補足)コントロールトータルは、金額合計や件数などの「集計値」で検査する方式です。英語では control total と呼びます。

解法ステップ

  1. 問題のポイントを確認:求められているのは「受け渡されたデータの正確性および網羅性を確保するコントロール」。
  2. 正確性→データ内容が合っていること。網羅性→記録が漏れていないこと。
  3. 各選択肢を「正確性」「網羅性」の観点で当てはめる。
  4. 合計金額と件数を比較するコントロールは両方をカバーするため最適と判断する。
実務では、送信ファイルに「合計金額=¥100,000、件数=3」を付記し、受信側で実際に受け取った明細を合算して同じ数値か照合します。ずれがあれば自動でアラートを出し、差異調査を行います。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 売掛金管理システムにおける入力データと出力結果とのランツーランコントロール
    ランツーラン(run-to-run)コントロールは、あるバッチ処理の前後や連続する処理間で管理合計が変わっていないかを確認するための手法です。今回の問題はシステム間のデータ受渡しの「内容と漏れ」を確認する点が主題であり、ランツーランはプロセス連携の整合確認には使える場合もありますが、直接的に受渡しの件数・金額の照合を指すものではありません。よって最良ではありません。
  • イ: 売掛金管理システムのマスタファイル更新におけるタイムスタンプ機能
    タイムスタンプ(timestamp:処理時刻の記録)は「いつ更新されたか」を記録します。更新の順序管理や最新性の確認には有用ですが、データ自体が正しいか、レコードが抜けていないかは検出できません。
  • : 入金額及び入金データ件数のコントロールトータルのチェック
    送受信の両側で合計金額と件数を照合するため、誤転記やファイル欠落を検出できます。正確性(額が一致)と網羅性(件数が一致)の両方に対応できるため適切です。
  • エ: 入出金管理システムへの入力のエディットバリデーションチェック
    エディットバリデーションチェック(edit validation:データ入力時の妥当性チェック)は、入力フォーマットや必須項目、金額の桁数などを検査します。入力段階で不正なデータを防ぐ重要な対策ですが、システム間の転送でレコードが抜けたり、ファイルが破損したりした場合の検出には直接役立ちません。

よくある誤解

  • 合計が合えば個々の明細も全て正しいと思い込む誤り:合計金額や件数が一致しても、個々の取引が別の取引と入れ替わっている、あるいは複数の誤りが打ち消し合っている場合は検出できません。必要に応じて明細レベルの突合(照合)が必要です。
  • タイムスタンプで網羅性が担保されると思う誤り:タイムスタンプは「いつ更新されたか」を示すだけで、レコード漏れや金額誤りまでは判定できません。
  • 入力チェックだけで転送後も安心と思う誤り:入力時のチェックは重要ですが、転送途中のネットワーク障害やファイル破損、人為的な抜け落ちには無力です。受信側での照合も必須です。

補足コラム

現場での運用イメージ:
  • 送信システムがファイルを出力する際、ヘッダに「件数」「合計金額」「ファイルシーケンス番号」を付けます。受信側は受信直後に再計算して照合し、不一致なら自動停止・担当者へ通知します。
  • さらに厳格にするなら、ファイル転送自体の破損検知にCRCやハッシュ(例えばMD5やSHA-256)を使い、暗号化されたチャネル(SFTP等)で転送します。ハッシュはビット列の一貫性を確認しますが、業務的整合性(誤った金額が混入していないか)はコントロールトータルと併用してチェックします。
  • 差異発生時は「何が抜けたか」「どの取引がずれているか」を明細突合で特定し、送信元との再送/修正で整合させます。

FAQ

Q. 件数と合計が一致していれば完全に安全ですか?
A. ほとんどの漏れや誤りは検出できますが、個々の金額が入れ替わるなど合計に影響しない誤りは検出できません。重要な場合は明細レベル突合やハッシュ、逐次確認を併用します。
Q. ハッシュ(チェックサム)とコントロールトータルはどちらが必要ですか?
A. 目的が異なります。ハッシュはファイルのビット単位の破損や改ざん検出に有効。コントロールトータルは業務的な金額・件数の整合性確認に有効。両方を併用すると堅牢です。
Q. 自動化は可能ですか?
A. はい。受信時に合計値と件数を自動計算して照合し、差異で自動通知・受入停止する仕組みは一般的です。運用ルール(誰が差異対応するか、再送手順)も合わせて規程化しましょう。

関連キーワード: コントロールトータル、トータルチェック、合計照合、件数照合、バッチ処理検査、ファイル転送検証、突合(突合せ)
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