情報セキュリティマネジメント 2019年 春期 午前(科目A) 問08
問題文
JIS Q 27001:2014(情報セキュリティマネジメントシステムー要求事項)において、情報セキュリティ目的をどのように達成するかについて計画するとき、“実施事項”、“責任者”、“達成期限”のほかに、決定しなければならない事項として定められているものはどれか。
選択肢
ア:“必要な資源”及び“結果の評価方法”(正解)
イ:“必要な資源”及び“適用する管理策”
ウ:“必要なプロセス”及び“結果の評価方法”
エ:“必要なプロセス”及び“適用する管理策”
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情報セキュリティ目的の計画要素【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
JIS Q 27001:2014(ISO/IEC 27001準拠)の「情報セキュリティ目的とその達成のための計画」では、目的をどう達成するかを決めるときに、単に「何をやるか(実施事項)」や「誰がやるか(責任者)」「いつまでにやるか(達成期限)」を決めるだけでなく、達成に必要な資源(人員・予算・ツールなど)と、成果をどのように評価するか(評価方法=測定指標や評価手順)を明確にすることを要求しています。したがって、選択肢の中では、必要な資源と結果の評価方法を挙げている ア が正解です。
(補足)ISMS(Information Security Management System:情報セキュリティマネジメントシステム)における目的は、単なる目標設定ではなく「達成するための具体的な計画」まで求められます。
解法ステップ
- 問題文が参照している規格は、ISO/IEC 27001 の「目的と計画」に関する条項(一般に6.2)。ここに何を決めるべきかが列挙されていることを思い出す。
- 規格の要求内容を短くまとめると「実施事項」「責任者」「達成期限」「必要な資源」「結果の評価方法」が含まれる。
- 選択肢を見て、規格に書かれていない語句(例:適用する管理策、必要なプロセス)を含むものを除外する。
- 残るもののうち、規格に明示される組合せを含む選択肢が ア であるため選択する。
選択肢別の誤答解説
- ア(必要な資源及び結果の評価方法)
→ 正しい。規格が明確に「資源」と「評価方法」を計画項目に含めるよう求めています。 - イ(必要な資源及び適用する管理策)
→ 誤り。管理策(security controls)はリスク対応の検討で選ぶ対象ですが、目的達成計画で必ず「適用する管理策」を直接列挙することは規格のこの箇所の要求事項ではありません。 - ウ(必要なプロセス及び結果の評価方法)
→ 誤り。「必要なプロセス」は明示されていません。規格は「実施事項(what to do)」という表現を使い、必ずしも“プロセス”という語を要求しません。 - エ(必要なプロセス及び適用する管理策)
→ 誤り。上記と同様、規格の計画項目に「適用する管理策」は直接の列挙項目ではなく、「プロセス」も必須項目ではありません。
よくある誤解
- 「管理策(コントロール)を計画に必ず書くべき」と思い込む
→ 実際は目的達成計画ではまず何をするか・誰がするか・期限・資源・評価方法を定めます。管理策はリスクアセスメントや対応の文脈で選定・実施されます。 - 「評価方法は曖昧でよい」と考える
→ 測定可能性(可能ならば測定可能であること)が要求されます。曖昧だと達成が確認できず、改善(PDCA)が回りません。
補足コラム
職場での実務イメージ:
目的:従業員の情報アクセス権見直しを6か月以内に完了する。
計画例(簡単な項目)
計画例(簡単な項目)
- 実施事項:権限棚卸→不整合の修正→報告書作成
- 責任者:人事部のAさん(実務担当)、情報セキュリティ委員会(監督)
- 達成期限:yyyy/mm/dd
- 必要な資源:作業時間(延べ40人時)、専用ツール1本、外部監査1回の予算
- 結果の評価方法:全ユーザーのアクセス権レビュー率(%)と異常件数の減少で評価
このように、計画は実務でそのまま使えるテンプレートに落とし込むと運用しやすくなります。
また、ISMS(Information Security Management System:情報セキュリティマネジメントシステム)運用では、目的とそれを達成する計画を文書化して定期的に見直すことが求められます。運用側は「誰が見るか」「どの指標で判断するか」を明確にしておくと、監査や定期レビューが楽になります。
FAQ
Q. 「評価方法」は具体的な数値でないとダメですか?
A. 可能なら測定可能(数値や判定基準)にしておくのが望ましいです。数値化が難しい場合は、判定基準(例:レビュー済みとみなす条件)を明確にしてください。
A. 可能なら測定可能(数値や判定基準)にしておくのが望ましいです。数値化が難しい場合は、判定基準(例:レビュー済みとみなす条件)を明確にしてください。
Q. 「必要な資源」に含めるものは何ですか?
A. 人(スキル含む)、時間、予算、ツール・ソフトウェア、外部支援(業者・顧問)など、目的達成に実際に必要なもの全般を指します。
A. 人(スキル含む)、時間、予算、ツール・ソフトウェア、外部支援(業者・顧問)など、目的達成に実際に必要なもの全般を指します。
Q. 管理策はどのタイミングで決めればよいですか?
A. リスクアセスメントとリスク対応の段階で、どの管理策を適用するかを検討します。目的計画の段階では、管理策採用の可能性を資源見積りに反映することはあります。
A. リスクアセスメントとリスク対応の段階で、どの管理策を適用するかを検討します。目的計画の段階では、管理策採用の可能性を資源見積りに反映することはあります。
関連キーワード: 情報セキュリティ目的、ISO/IEC 27001、ISMS(Information Security Management System)、資源配分、評価指標、PDCA、リスク対応

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