情報セキュリティマネジメント 2019年 春期 午前(科目A) 問25
問題文
データベースのアカウントの種類とそれに付与する権限の組合せのうち、情報セキュリティ上、適切なものはどれか。

選択肢
ア:
イ:(正解)
ウ:
エ:
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権限分離と最小権限【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
データベース(DB: Database;データを保存・検索する仕組み)で、役割ごとに権限を分けることが安全です。スキーマ(テーブル構造などを定義する作業)はテーブルの作成・削除などの権限(DDL: Data Definition Language;データ定義言語)が必要です。一方、日常のデータ入力・更新はレコードの操作(DML: Data Manipulation Language;データ操作言語)が主です。
設問の組合せでは、スキーマ定義用アカウントがテーブルの作成・削除権限を持ち、レコードの更新権限は持たないものが最も適切です。これが イ の選択肢にあたります。理由は次の通りです。
- 最小権限(必要最小限の権限だけ付与する原則)を満たすため、スキーマ変更権限と日常データ操作権限を分離する必要がある。
- スキーマ変更はデータ消失やサービス停止につながるリスクが大きく、専用アカウントで厳格に管理するべきだからです。
解法ステップ
- アカウントの用途を確認する(「データ構造の定義用」か「データの入力・更新用」か)。
- それぞれが実際に必要とする操作を対応させる。
- スキーマ定義 → テーブルの作成・削除(DDL)が必要。日常のレコード更新(DML)は不要。
- データ入力・更新 → レコードの更新(DML)が必要。テーブル作成・削除(DDL)は不要。
- 最小権限と職務分離(役割分離)に照らして、不要な権限が付与されていない組合せを選ぶ。
- 上の基準に合致する選択肢を選ぶ(今回の場合は イ)。
選択肢別の誤答解説
-
ア(データ構造の定義用アカウント:レコード更新 有、テーブル作成・削除 無)
- 誤り。スキーマ定義用にレコード更新権限を与えるのは過剰です。誤操作や侵害時の被害範囲が広がります。
-
ウ(データの入力・更新用アカウント:レコード更新 有、テーブル作成・削除 有)
- 誤り。日常作業担当にテーブル作成・削除権限を与えるのは危険です。誤ってテーブルを削除すると業務停止やデータ消失の重大事故につながります。
-
エ(データの入力・更新用アカウント:レコード更新 無、テーブル作成・削除 有)
- 誤り。入力・更新用であるのにレコード更新権限が無いのは用途に合っていません。さらにテーブル作成権限だけ与えるのは役割が逆転しており不適切です。
よくある誤解
- 「管理者アカウントだから何でも与えてよい」
→ 管理者権限を常用すると誤操作や不正利用時の被害が大きくなります。管理作業は専用アカウントで実施し、普段は使わないようにします。 - 「DDLは滅多に使わないから監視は不要」
→ DDL操作は稀だが影響が大きいので、ログや承認プロセスで必ず監視・記録します。 - 「アプリが動かないからといって都度権限を広げる」
→ 一時的な権限付与は監査・記録を残し、作業後に必ず取り消す運用が必要です。
補足コラム
実務では次の対策を組み合わせます。
- 役割ベースアクセス制御(RBAC: Role-Based Access Control;役割に基づくアクセス制御)で、DDL権限は「DBA」ロール、DML権限は「アプリ」ロールに分ける。
- スキーマ変更は変更管理(申請・承認)を経て、メンテナンス時間に限定して実施する。
- 管理操作は個人アカウントではなく管理専用アカウントで行い、ログ(監査)を残す。必要なら多要素認証(MFA)で保護する。 職場でのイメージ:テーブルを作るのは設計担当者(申請と計画あり)、日常的なデータ入力は営業や事務が使うアプリのアカウント、という分担にすると運用しやすいです。
FAQ
Q: アプリが自動でテーブルを作る必要がある場合はどうする?
A: 原理としてはDBのDDL権限をアプリに直接与えない方が安全です。代替案として、マイグレーション(schema migration)ツールを使い、リリース時にDBAや自動化されたデプロイパイプラインがDDLを実行する形にします。どうしても動的に必要なら、限定的なストアドプロシージャを介して実行させる方法もあります(プロシージャに必要権限を限定)。
A: 原理としてはDBのDDL権限をアプリに直接与えない方が安全です。代替案として、マイグレーション(schema migration)ツールを使い、リリース時にDBAや自動化されたデプロイパイプラインがDDLを実行する形にします。どうしても動的に必要なら、限定的なストアドプロシージャを介して実行させる方法もあります(プロシージャに必要権限を限定)。
Q: 一人で運用していて権限分離が難しい場合は?
A: 完全な分離が難しくても、普段使うアカウントと管理作業用のアカウントを分け、管理アカウントは普段の業務に使わないようにするだけでもリスク低減になります。操作は記録し、手順書を整備しましょう。
A: 完全な分離が難しくても、普段使うアカウントと管理作業用のアカウントを分け、管理アカウントは普段の業務に使わないようにするだけでもリスク低減になります。操作は記録し、手順書を整備しましょう。
関連キーワード: 最小権限、権限分離、DDL、DML、ロールベースアクセス制御、監査ログ、DBA、権限委譲、変更管理

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