戦国IT - 情報処理技術者試験の過去問対策サイト
ブログお知らせお問い合わせ料金プラン

情報セキュリティマネジメント 2019年 春期 午前(科目A)27


問題文

楕円曲線暗号の特徴はどれか。

選択肢

RSA暗号と比べて、短い鍵長で同レベルの安全性が実現できる。(正解)
共通鍵暗号方式であり、暗号化や復号の処理を高速に行うことができる。
総当たりによる解読が不可能なことが、数学的に証明されている。
データを秘匿する目的で用いる場合、復号鍵を秘密にしておく必要がない。

🔒 解説は解答すると表示されます

楕円曲線暗号【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

楕円曲線暗号(ECC:Elliptic Curve Cryptography)は、同じ安全度を実現するのに必要な鍵長が短くできる点が大きな特徴です。これは、楕円曲線離散対数問題(ECDLP:Elliptic Curve Discrete Logarithm Problem)が高い計算困難性を持つためです。対照的にRSA(Rivest–Shamir–Adleman)は素因数分解の困難性に依存しますが、同等の安全性を得るにはより長い鍵が必要になります。よって選択肢のうち の記述が正しいです。
補足例:一般的に ECC の 256bit 鍵は RSA の 3072bit 鍵と同等の安全性と言われます。短い鍵長は計算コスト・通信コスト・メモリ使用量を抑えられるため、スマホや組み込み機器で有利です。
(用語)
  • 公開鍵暗号(Public-key cryptography):暗号化に使う鍵と復号に使う鍵が別々の方式。公開鍵を広く配布でき、復号用の秘密鍵は秘匿する。
  • 共通鍵暗号(Symmetric-key cryptography):暗号化と復号で同じ鍵を使う方式。処理が速いが鍵の共有が課題。

解法ステップ

  1. 問題文は「楕円曲線暗号の特徴」を問うていると確認する。
  2. 各選択肢で「楕円曲線暗号は公開鍵?共通鍵?」を判定する。
  3. 「鍵長と安全度の関係」「処理速度」「数学的証明の有無」「復号鍵の取り扱い」を順に照らし合わせる。
  4. 合致する記述を選ぶ。楕円曲線暗号は公開鍵暗号で、短い鍵長で高い安全性という性質があるため が一致する。

選択肢別の誤答解説

  • : 正しい。ECC は ECDLP の難しさを利用し、RSA と比べて同等の安全性をより短い鍵長で実現できる。実務では鍵交換やデジタル署名でよく使われる(例:TLS、電子署名)。
  • : 誤り。これは共通鍵暗号(例:AES:Advanced Encryption Standard)の特徴。ECC は公開鍵暗号で、処理は一般に共通鍵暗号より遅い(だが鍵長が短いため通信やメモリで有利)。
  • : 誤り。「総当たり(ブルートフォース)による解読が不可能であることが数学的に証明されている」は正しくない。ECDLP が難しいことは経験的に広く信頼されているが、「不可能」との厳密な証明はない。暗号の安全性は「証明」ではなく「困難性の評価」によることが多い。
  • : 誤り。データを秘匿する(機密性)用途では、受信者が復号するための秘密鍵(プライベートキー)を厳重に秘匿する必要がある。公開鍵は配布して良いが、復号鍵は秘密にするのが公開鍵暗号の前提。

よくある誤解

  • ECC は「万能に速い」と思う誤解:公開鍵暗号としての計算は共通鍵暗号ほど高速ではありません。ECC の利点は鍵が短く扱いやすい点です。
  • 「安全性が数学的に証明されている」と混同する誤解:多くの暗号で「安全と考えられている」理由は数学的な難問への帰着であり、絶対的な証明ではありません。
  • 「鍵が短い=安全性が低い」との単純な捉え方:鍵長だけで判断せず、鍵長と問題の計算難易度(例:ECDLP vs 素因数分解)を合わせて評価する必要があります。

補足コラム

実務での使い方イメージ:社内のウェブサービスで TLS(通信の暗号化)を導入する際、サーバ証明書の鍵に ECC を使うと、スマホや組み込み機器への負荷を抑えながら高い安全性を確保できます。また、電子署名(ECDSA:Elliptic Curve Digital Signature Algorithm)としても広く使われ、署名サイズが小さいためログやトランザクションで効率的です。
将来の注意点:量子コンピュータが実用化すると、RSA や ECC は量子アルゴリズム(Shorのアルゴリズム)で破られる可能性があります。量子耐性のある暗号(ポスト量子暗号)に移行する計画も検討され始めています。

FAQ

Q. ECC と RSA はどちらを選べばよいですか?
A. 用途次第です。リソースが限られる端末や通信帯域を節約したい場合は ECC が有利です。既存システムや互換性を優先する場合は RSA を選ぶこともあります。将来的には量子耐性も考慮に入れて検討します。
Q. 「短い鍵長」は本当に安全ですか?
A. はい。ただし「短い」の意味は相対的です。ECDLP の難しさに基づくため、設計された鍵長(例:256bit)で十分な安全度があるとされています。標準や推奨値に従うことが重要です。
Q. 職場でどう管理すればよいですか?
A. 秘密鍵は厳重に管理し、アクセスを限定します。公開鍵は証明書や信頼できる発行元(CA)を通じて配布します。鍵の更新や失効の手順も定めておきます。

関連キーワード: 楕円曲線暗号, ECC, ECDLP, 公開鍵暗号, ECDSA, 鍵長比較, RSA
← 前の問題へこの年度をクイズで解く次の問題へ →
戦国ITクイズ機能

\ せっかくなら /

情報セキュリティマネジメント
クイズ形式で学習しませんか?

クイズ画面へ遷移する

すぐに利用可能!

©︎2026 情報処理技術者試験対策アプリ

このサイトについてブログプライバシーポリシー利用規約特商法表記開発者について