ITパスポート 2009年 秋期 問02
問題文
パレート図の使用が最も適切である分析対象はどれか。
選択肢
ア:生産工程の信頼性
イ:製品の重量のばらつき
ウ:品質不良の要因ごとの構成比率(正解)
エ:二つの変動要素の間の関係
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パレート図の使用が最も適切である分析対象はどれか。 【ITパスポート 解説】
正解の理由
パレート図(Pareto chart:要因ごとの構成比とその累積比を一目で示す、棒グラフと折れ線グラフの組合せ)は、項目ごとに「どの要因が全体にどれだけ寄与しているか」を示すのに最適です。選択肢ウ「品質不良の要因ごとの構成比率」は、まさに各要因の割合(構成比)と寄与の大きさを比較して優先対策を決める場面で使います。
パレート図は「多くの問題の原因はごく一部の要因によって大きく占められる(80/20の法則)」という考え方を視覚的に確認できます。よって、要因別の構成比を見る問題に最も適しています。
解法ステップ
- 問題文を読み、分析対象のデータの種類を確認する。
- カテゴリごとの割合か、数値のばらつきか、2変数の関係か、信頼性(故障の時間経過)かを判断します。
- 各グラフの用途を思い出す(初出で説明)。
- パレート図(Pareto chart):カテゴリ別の寄与度と累積比を示す。
- ヒストグラム(histogram):数値データの度数分布(ばらつき)を示す。
- 散布図(scatter plot):二つの変数の関係(相関)を見る。
- 信頼性解析(reliability analysis):時間経過による故障や寿命の解析に使う。
- 各選択肢の目的とグラフの用途を照らし合わせ、最も合致するものを選ぶ。
- 「要因ごとの構成比率」→ パレート図 → 正解。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 生産工程の信頼性
信頼性(reliability:故障しにくさや寿命の指標)は、時間経過と故障発生の関係を見る解析を必要とします。生存時間分析や故障率曲線(例:ワイブルプロット)などが適切で、パレート図は不向きです。 -
イ: 製品の重量のばらつき
製品の重量は連続的な数値データです。ばらつきや分布を表すのはヒストグラム(histogram:数値データの度数分布を棒で表す図)や箱ひげ図です。パレート図はカテゴリ別の割合表示で、連続値の分布解析には使いません。 -
ウ: 品質不良の要因ごとの構成比率
正解。カテゴリ(不良の種類)ごとに発生数や割合を示し、累積比でどの要因から手を付けるべきか優先順位を付けられます。 -
エ: 二つの変動要素の間の関係
二変数の関係(例:温度と出力)は散布図(scatter plot:点で二つの変数の関係を示す)で確認します。傾向や相関を読むためのグラフで、パレート図の用途とは異なります。
よくある誤解
-
「パレート図はただの棒グラフ」
→ 誤解です。パレート図は棒グラフ(各要因の値)に、原因の累積比率を示す折れ線を重ねて表示します。この累積比率を見ることで「少数の要因が大部分を占めるか」を判断できます。 -
「パレート図で相関が分かる」
→ パレート図は相関(因果関係や変数間の関係)を見るものではありません。相関を調べるなら散布図や相関係数を使います。 -
「パレート図は80/20が必ず当てはまる」
→ 80/20(80%の問題が20%の原因による)は経験則であり、常に成立するわけではありません。パレート図はその成立有無を確かめる手段です。
補足コラム
パレート図は品質管理の基本ツールで、QCの「7つ道具(QC7つ道具)」の一つでもあります。作り方の簡単な手順は次の通りです。
- カテゴリごとの発生回数を集める(例:不良A=50件、B=20件、C=15件、D=10件、E=5件)。
- 合計を求める(上の例は合計100件)。
- 各カテゴリの構成比率を計算する: 例:Aは 。
- 割合の降順に並べ、累積比率を計算する(累積は前の項目までの合計)。
例:累積は 50%、70%、85%、95%、100%。 - 棒グラフは各カテゴリの件数(または割合)を降順で表示し、右上に累積比率の折れ線を重ねる。
簡単な数値例:
- A: 50(50%)→累積50%
- B: 20(20%)→累積70%
- C: 15(15%)→累積85%
- D: 10(10%)→累積95%
- E: 5(5%)→累積100%
小さなPython例(集計→割合→累積):
counts = {"A":50, "B":20, "C":15, "D":10, "E":5}
total = sum(counts.values())
items = sorted(counts.items(), key=lambda x: x[1], reverse=True)
cumulative = 0
for name, cnt in items:
pct = cnt / total * 100
cumulative += pct
print(name, cnt, f"{pct:.1f}%", f"累積{cumulative:.1f}%")
FAQ
Q1: パレート図は何件くらいのデータから使える?
A1: カテゴリがいくつか存在し、それぞれの件数が分かれば使えます。数件でも構わないが、傾向を判断するには十分な件数(数十件以上)が望ましいです。
A1: カテゴリがいくつか存在し、それぞれの件数が分かれば使えます。数件でも構わないが、傾向を判断するには十分な件数(数十件以上)が望ましいです。
Q2: 連続値をカテゴリに分ければパレート図で使える?
A2: 技術的には可能ですが、元が連続値ならヒストグラムや箱ひげ図の方がばらつきの把握に適しています。カテゴリ化すると情報が失われることがあります。
A2: 技術的には可能ですが、元が連続値ならヒストグラムや箱ひげ図の方がばらつきの把握に適しています。カテゴリ化すると情報が失われることがあります。
Q3: 累積比率が重要なのはなぜ?
A3: 累積比率を見ることで「上位何割の要因で全体の何割を占めるか」が分かり、対策の優先順位を効率的に決められます。
A3: 累積比率を見ることで「上位何割の要因で全体の何割を占めるか」が分かり、対策の優先順位を効率的に決められます。
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