ITパスポート 2009年 秋期 問70
問題文
からまでの一様乱数からとを取り出すことを回繰り返す。このときを満たす回数の期待値は幾らか。
選択肢
ア:
イ:
ウ:(正解)
エ:
🔒 解説は解答すると表示されます
Y < X を満たす回数の期待値【ITパスポート 解説】
正解の理由
この問題では、0から1までの一様乱数(各値が同じ確率で出る乱数)を使って、X と Y を取り出すことを600回繰り返します。各回で「Y < X」になる確率は です。したがって期待値(平均的に観測される回数)は
となり、選択肢の中では ウ が正解です。
理由の要点
- X, Y は同じ分布で独立(お互いに影響しない)と考えられます。
- 連続一様分布の場合、X=Y となる確率は 0 です。よって「Y<X」と「Y>X」は対称で、それぞれの確率は同じ(=1/2)になります。
解法ステップ
- 各試行で「Y < X」が起こる確率を求めます。
方法A(対称性): X と Y は同じ分布で独立なので、Y<X と Y>X の確率は等しい。X=Y の確率は 0 なので、それぞれ 。 - 方法B(積分で示す): 条件付きで考えると、 (ここで は 0–1 の一様分布の確率密度)
- 期待値は回数(600)に確率を掛けて求めます:
選択肢別の誤答解説
- ア: 150
「1/4」を使った計算から来る値です。例えば と誤解するとこの値になりますが、正しくは です。 - イ: 200
「1/3」を使った誤りです。 という根拠がよくわからない場合、積分や対称性を見落としています。 - ウ: 300
正解。理由は上記の通り、確率が だからです。 - エ: 400
「2/3」を用いた誤りです。例えば「Y<X となる領域が単位正方形の 2/3 だ」と誤認する場合に生じますが、実際は対角線より下の三角形の面積が です。
よくある誤解
- X=Y を含めて考えてしまう
連続分布では X=Y となる確率は 0 です。よって「Y<X」と「Y>X」はほぼ確実に互いに排他的で、合計確率は 1 になり、それぞれ です。 - 「一様乱数」の意味の取り違え
「0〜1の一様乱数」は区間内の値が均等に出るという意味です。これを「0か1だけが出る」といった離散の誤解と混同しないようにします。 - 独立性を忘れる
X と Y が独立でない場合、確率は必ずしも にはなりません。問題文は独立に取り出すことを前提と解釈します。
補足コラム
- 面積による直感:X,Y を横軸・縦軸に取ると、全事象は単位正方形(面積1)です。条件 Y<X に相当するのは対角線 y=x より下の三角形で、その面積は 。直感的で視覚的に理解しやすい方法です。
- 分布のばらつき(参考): 各試行は成功(Y<X)か失敗のベルヌーイ試行です。600回の成功回数は二項分布 に従います。分散は 標準偏差は約 です。つまり実際の観測値はだいたい 300 ± 12 の範囲でばらつくことが多いです。
- 一般化:連続で同じ分布の 個の変数から一つが最小になる確率は です。例えば3つの変数なら「Y が最小になる確率」は 。
(確認のための短いシミュレーション例)
import random
N=10_0000
count=0
for _ in range(N):
x=random.random()
y=random.random()
if y<x:
count+=1
print(count/N) # 大体 0.5 に近づく
FAQ
Q. X と Y が互いに独立でないとどうなる?
A. 独立でない場合は確率が偏る可能性があります。例えば Y が必ず X より小さくなる仕組みなら確率は 1 になります。問題文では「取り出す」ことから独立と解釈します。
A. 独立でない場合は確率が偏る可能性があります。例えば Y が必ず X より小さくなる仕組みなら確率は 1 になります。問題文では「取り出す」ことから独立と解釈します。
Q. X=Y の場合はどう扱う?
A. 連続分布では X=Y の確率は 0 なので、期待値に影響しません。実務的にも無視してよい値です。
A. 連続分布では X=Y の確率は 0 なので、期待値に影響しません。実務的にも無視してよい値です。
Q. なぜ面積で確率を求められるの?
A. 連続確率では確率は確率密度の積分(面積)で表されます。ここでは密度が一定(1)なので、領域の面積がそのまま確率になります。
A. 連続確率では確率は確率密度の積分(面積)で表されます。ここでは密度が一定(1)なので、領域の面積がそのまま確率になります。
関連キーワード: 確率、期待値、一様分布、確率密度、二項分布、独立性、単位正方形、面積確率

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