ITパスポート 2009年 春期 問81
問題文
マクロウイルスに関する記述として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:PCの画面上に広告を表示させる。
イ:ネットワークで接続されたコンピュータ間を、自己複製しながら移動する。
ウ:ネットワークを介して、他人のPCを自由に操ったり、パスワードなど重要な情報を盗んだりする。
エ:ワープロソフトや表計算ソフトのデータファイルに感染する。(正解)
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マクロウイルスに関する記述【ITパスポート 解説】
正解の理由
マクロウイルスは、ワープロソフトや表計算ソフトの「マクロ(作業を自動化する命令のまとまり)」に組み込まれているウイルスです。したがって、データファイル(文書ファイルや表計算ファイル)に感染して広がります。問題文の記述のうち、ワープロや表計算のデータファイルに感染すると述べている選択肢が正しいため、エが正解です。
(補足)マクロは英語で macro。実際のマクロウイルスは、Microsoft Office のマクロ言語である VBA(Visual Basic for Applications:アプリケーション用の Visual Basic)などを悪用して動作します。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを探す:「マクロウイルス」とは何かを問う問題と分かる。
- マクロウイルスの定義を思い出す:マクロに組み込まれるウイルスで、文書や表計算のファイルを介して感染する。
- 各選択肢と照合する:文書・表計算ファイルに感染すると書かれたものを選ぶ。
- 間違いそうな選択肢(ネットワークを介して自己複製する=ワーム、画面広告を出す=アドウェア、他人のPCを遠隔操作する=トロイの木馬/スパイウェア)を除外する。
選択肢別の誤答解説
-
ア: PCの画面上に広告を表示させる。
- これはアドウェア(adware:広告を表示するソフト)が行う動作です。マクロウイルスの特徴ではありません。
-
イ: ネットワークで接続されたコンピュータ間を、自己複製しながら移動する。
- これはワーム(worm:自己複製してネットワークで広がるマルウェア)の特徴です。マクロウイルスは主にファイルを介して広がります。自動でネットワーク上を移動するとは限りません。
-
ウ: ネットワークを介して、他人のPCを自由に操ったり、パスワードなど重要な情報を盗んだりする。
- これはリモートアクセス型のトロイの木馬(Trojan:遠隔操作されたり情報を盗んだりする不正プログラム)やスパイウェア(spyware)の役割です。マクロウイルスはまず文書ファイル等に感染し、マクロの命令で有害な処理を行うことはありますが、「他人のPCを自由に操る」ことを主目的とする説明とは異なります。
-
エ: ワープロソフトや表計算ソフトのデータファイルに感染する。
- ここがマクロウイルスの本質を示しています。したがってエが正解です。
よくある誤解
-
「マクロ=悪いもの」と思い込む
- マクロ自体は作業を自動化する便利な機能です。正しく使えば業務効率化に役立ちます。問題は悪用されることです。
-
「マクロウイルスは必ず実行ファイル(.exe)に感染する」
- マクロウイルスは文書や表計算ファイル(例:.doc/.docm/.xls/.xlsmなど)に入り、そこから広がります。実行ファイルだけが感染対象ではありません。
-
「ウイルス=必ず自動でネットワーク拡散する」
- 種類によって動作が違います。ワームは自己複製でネットワーク拡散しますが、マクロウイルスはファイル共有やメール添付などを介して広がることが多いです。
補足コラム
- 歴史的な事例:代表的なマクロウイルスに「Melissa」があります(1999年)。これはWordマクロに仕込まれ、感染ファイルをメールで送ることで広がりました。
- なぜ危険か:文書を開いただけで「マクロを有効にしますか?」と表示され、ユーザーが無条件に有効にするとマクロ内の悪意ある命令が実行されることがあります。
- 対策のポイント:
- Office製品ではデフォルトでマクロを無効にする(設定を確認)。
- 不明な送信者からの添付ファイルは開かない。
- マクロに署名(デジタル署名)がある場合のみ有効にする設定にする。
- 定義ファイルが最新のアンチウイルスソフトを導入する。
- USBやクラウドでファイルを受け取る場合も注意する。
FAQ
Q1: マクロを全部無効にすれば問題ないですか?
A1: 多くの環境では安全ですが、業務で正当なマクロを使う場合は「署名付きマクロのみ有効」など安全な設定にするのが現実的です。
A1: 多くの環境では安全ですが、業務で正当なマクロを使う場合は「署名付きマクロのみ有効」など安全な設定にするのが現実的です。
Q2: どの拡張子のファイルが危険ですか?
A2: Officeのマクロを含む拡張子には .docm, .xlsm のように「m」が付くものがあります。ただし古い形式やマクロを含められる他のファイルもあるので油断は禁物です。
A2: Officeのマクロを含む拡張子には .docm, .xlsm のように「m」が付くものがあります。ただし古い形式やマクロを含められる他のファイルもあるので油断は禁物です。
Q3: 開いてしまったらどうする?
A3: マクロを有効にして実行してしまったら、すぐにネットワークを切断し(感染拡大防止)、アンチウイルスでスキャンして指示に従います。必要ならIT管理者に連絡してください。
A3: マクロを有効にして実行してしまったら、すぐにネットワークを切断し(感染拡大防止)、アンチウイルスでスキャンして指示に従います。必要ならIT管理者に連絡してください。
関連キーワード: マクロ, マクロウイルス, VBA(Visual Basic for Applications), ワーム, トロイの木馬, アドウェア, 添付ファイル対策, マクロ無効化, Melissaウイルス, 文書ファイル感染

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