ITパスポート 2009年 春期 問80
問題文
横軸を点数(0〜10点)とし、縦軸を人数とする度数分布のグラフが、次の黒い棒グラフになった場合と、グレーの棒グラフになった場合を考える。二つの棒グラフを比較して言えることはどれか。

選択肢
ア:分散はグレーの棒グラフが、黒の棒グラフより大きい。
イ:分散はグレーの棒グラフが、黒の棒グラフより小さい。(正解)
ウ:分散はグレーの棒グラフと、黒の棒グラフで等しい。
エ:分散はこのグラフだけで比較することはできない。
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得点分布の比較【ITパスポート 解説】
正解の理由
図を見ると、黒塗り棒と斑点(グレー)棒はどちらも合計人数が同じで、両者の平均点(重み付き平均)がともに「5点」になっています。しかし、斑点棒は点数5点に人数が集中しており、周辺の点(4点・6点)にもほどほどいる一方で、遠く離れた低得点・高得点にはほとんど人がいません。つまり点数が平均の周りに「より固まっている」ため、ばらつき(分散)は斑点棒の方が小さくなります。したがって、イが正しいです。
解法ステップ
- 各得点ごとの人数(度数)を読み取る。
- 黒塗り:1,2,3,4,5,4,3,2,1(点数1〜9、合計25人)
- 斑点 :2,5,11,5,2(点数3〜7、合計25人)
- 平均(期待値)を計算する。
- 平均 = (得点 × 人数) の合計 ÷ 総人数
- 両者とも合計が125点、人数が25人なので平均 = 点
- 分散を計算する。分散の定義(ここでは母分散の扱い)を使う。
- 分散
- 黒塗りの分散:各点と平均5との差の2乗に人数を掛けて合計すると 。分散
- 斑点の分散:同様に計算すると合計 。分散
- 分散の比較: のため、斑点(グレー)の方が分散が小さい。
(数値は図から読み取れる目安を使った計算です。概念理解のため十分な精度です。)
選択肢別の誤答解説
- ア: 「分散はグレーが黒より大きい」
誤り。グレーは得点5に集中しており、端の方にほとんど人がいないため、ばらつきは小さい。実際の分散でも黒=4、グレー≈1.04。 - イ: 「分散はグレーが黒より小さい」
正しい。上記の通り、グレーの分布は平均付近に集中しており分散が小さい。 - ウ: 「等しい」
誤り。平均は等しいが、分布の広がり(ばらつき)は異なるため分散は等しくない。 - エ: 「このグラフだけで比較できない」
誤り。棒ごとの人数(度数)が読み取れるため、平均・分散の比較は可能であり、明確に比較できます。
よくある誤解
- 「山の高さ(ピークの人数)が高い方が分散が大きい」
実際は逆です。ピークが高く中心に集中していれば分散は小さくなります。ピーク高さだけで分散を判断しないこと。 - 「平均が同じなら分散も同じ」
平均はデータの中心位置を示すだけで、データの広がり(分散)は別の指標です。平均が同じでも分散は異なり得ます。 - 「細い縦線(ごく低い棒)は無視して良い」
多くのケースで微小な人数は分散にほとんど影響しませんが、数がまとまると影響します。図中では無視して差し支えない程度です。
補足コラム
- 分散と標準偏差の関係:分散はデータのばらつきの二乗平均なので単位が元のデータの二乗になります。標準偏差は分散の平方根で、元の単位(ここでは点)に戻るため直感的に分かりやすいです。上の例では黒の標準偏差が 点、グレーは 点です。
- 「母分散」と「標本分散」:ここでは分布全体(度数分布)が与えられているので分母に を使う母分散の扱いで計算しました。実際のデータから母集団の分散を推定する場合は不偏分散(分母に )を使うことがありますが、この問題の比較目的には影響しません。
- 視覚的判断のコツ:グラフで「中心に厚く集中している」ほど分散は小さい。左右に広がっているほど分散は大きい。
FAQ
Q. 棒グラフが等間隔でないと分散は計算できませんか?
A. 得点(0〜10点)のように等間隔のカテゴリなら、各カテゴリを数値として扱って分散を計算できます。等間隔でないカテゴリ(例:年齢層の幅がまちまち)は代表値を決めるなど工夫が必要です。
A. 得点(0〜10点)のように等間隔のカテゴリなら、各カテゴリを数値として扱って分散を計算できます。等間隔でないカテゴリ(例:年齢層の幅がまちまち)は代表値を決めるなど工夫が必要です。
Q. 棒グラフの高さだけで直感的に判断する方法はありますか?
A. 「ピークの高さ」と「広がり」を見ます。ピークが高く幅が狭ければ分散小、ピークが低く幅が広ければ分散大、という目安です。
A. 「ピークの高さ」と「広がり」を見ます。ピークが高く幅が狭ければ分散小、ピークが低く幅が広ければ分散大、という目安です。
Q. もし総人数が違っていたら比較できますか?
A. 比較は可能ですが、分散は頻度の合計で正規化されるので、人数が違うと直接比較する前に割合(比率)で正規化するか、平均・分散の計算で総人数を考慮する必要があります。
A. 比較は可能ですが、分散は頻度の合計で正規化されるので、人数が違うと直接比較する前に割合(比率)で正規化するか、平均・分散の計算で総人数を考慮する必要があります。
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