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ITパスポート 2010年 秋期 25


問題文

ERPの説明として、最も適切なものはどれか。

選択肢

経営資源の有効活用の観点から企業活動全般を統合的に管理し、業務を横断的に連携させることによって経営資源の最適化と経営の効率化を図る。(正解)
現行のビジネスプロセスを見直し、仕事の流れややり方だけではなく、組織の構造や管理体制なども革新して、パフォーマンスの向上を図る。
顧客に関する情報をデータベース化し、顧客接点となる全部門が共有することによって、顧客への対応の迅速化を促進し、顧客との良好な関係構築を図る。
従業員の創造性、行動能力や知恵、データベース上に蓄積された知識や情報をばらばらのものとしてではなく、結合した経営資源として活用を図る。

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ERPの説明として、最も適切なものはどれか。【ITパスポート 解説】

正解の理由

まず用語の説明をします。ERP(Enterprise Resource Planning:企業の経営資源を計画的に管理する仕組み)は、企業の「人・物・金・情報」といった経営資源を、業務ごとにバラバラに扱わずに、ひとつの仕組みで統合的に管理する考え方とそのためのシステムです。統合基幹業務システム(複数の業務をまとめて管理するシステム)とも呼ばれます。
選択肢アは「経営資源の有効活用の観点から企業活動全般を統合的に管理し、業務を横断的に連携させることによって経営資源の最適化と経営の効率化を図る」と述べています。これはまさにERPの本質です。ERPは業務を横断してデータや処理を連携し、業務の重複を減らし意思決定を支援します。したがってアが正解です。

解法ステップ

  1. 「ERP」の意味を確認する(Enterprise Resource Planning:経営資源の統合管理)。
  2. 各選択肢が何を説明しているかを見分ける。
    • 統合的に業務を横断して管理する → ERP(ア)
    • 業務プロセスや組織を抜本的に見直す → BPR(イ)
    • 顧客情報を共有して顧客対応を改善する → CRM(ウ)
    • 知識やノウハウを活用する → ナレッジマネジメント(エ)
  3. 「横断的に連携して経営資源を最適化」とある選択肢を正解とする。
試験では「統合」「業務横断」「経営資源の最適化」といったキーワードを探すと早く判別できます。

選択肢別の誤答解説

  • ア(正解)
    経営資源(人・物・金・情報)を企業全体で統合的に管理し、モジュール(会計、人事、販売、生産、在庫など)間でデータを共有して効率化する説明です。ERPの定義に合致します。
  • イ(誤り)
    これはBPR(Business Process Reengineering:業務プロセスの抜本的再設計)を説明しています。BPRは現行の仕事のやり方や組織を大きく見直し、劇的な改善を目指す手法で、ERPそのものの定義とは異なります。ERPは「システムで統合する」ことを指すのに対し、BPRは「業務や組織を変える」ことに重点があります。
  • ウ(誤り)
    これはCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)に関する説明です。データベース(データを整理して保存する仕組み)で顧客情報を共有し、顧客対応を改善するのが目的で、対象が「顧客」に限定されています。ERPは企業全体の経営資源を対象にします。
  • エ(誤り)
    これはナレッジマネジメント(知識管理)の説明に近い表現です。従業員の知識やデータベース上の知識を結合して活用するという点は知識管理の目的であり、ERPの定義とは焦点が異なります。ERPは業務プロセスとデータの統合が中心です。

よくある誤解

  1. ERP=ただの会計ソフト
    • 誤りです。ERPは会計だけでなく、人事、在庫、製造、販売など複数領域を統合します。会計ソフトはERPの一部モジュールになり得ます。
  2. ERPは「導入すれば自動的に業務が速くなる」
    • 誤解です。データの整備や業務プロセスの見直し、社員の使い方教育(定着)が必要です。単にシステムを入れるだけでは効果が限定されます。
  3. ERPとBPRを混同する
    • ERPは「システムで統合すること」。BPRは「仕事のやり方や組織そのものを再設計すること」。両者は連携することもありますが目的が異なります。

補足コラム

  • 歴史メモ:ERPは元々MRP(Materials Requirements Planning:資材所要量計画)という生産管理の仕組みから発展しました。そこに会計や人事などの機能が加わり、企業全体をカバーするERPになりました。
  • 代表的なベンダー:SAP、Oracle、Microsoft Dynamics など。大企業向けから中小向けまで製品があります。
  • 導入の注意点:業務の見直し、データ移行、カスタマイズのコスト、教育と運用ルールの整備が重要です。

FAQ

Q1. ERPは中小企業でも使われますか?
A1. はい。最近は中小企業向けに簡易版やクラウド型(SaaS:Software as a Service:ネット経由でサービスとして提供されるソフトウェア)のERPも増えています。規模や予算に合わせて選べます。
Q2. ERPと「基幹システム」は同じですか?
A2. ほぼ同じ意味で使われることが多いです。基幹システムは会社の主要業務を支えるシステム全般を指し、ERPはその設計思想(統合・横断)を強調した言い方です。
Q3. ERP導入でまず何を見直すべきですか?
A3. データの定義(例えば「顧客」「商品」の扱い)と業務フローの現状把握です。これが曖昧だと導入後のトラブルにつながります。

関連キーワード: ERP、統合基幹システム、モジュール、BPR(Business Process Reengineering)、CRM(Customer Relationship Management)、ナレッジマネジメント、データベース、MRP、SaaS、SAP、Oracle、Microsoft Dynamics
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