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ITパスポート 2010年 秋期 47


問題文

現行システムを新システムに切り替えるに当たり、現行システムから新システムに移行すべきデータ、移行に必要な資源などを整理して、移行計画書を作成した。移行計画書に含める事項として、最も適切なものはどれか。

選択肢

新システムで提供される画面や帳票の操作手順
新システムに切り替えるためのスケジュール及び体制(正解)
新システムに求められる機能要件
データの定期的なバックアップ手順

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現行システムを新システムに切り替える際に移行計画書に含めるべき事項はどれか【ITパスポート 解説】

正解の理由

移行計画書は、現行システムから新システムへ「いつ」「誰が」「どのように」切り替えるかをまとめた文書です。したがって「スケジュール及び体制(誰が何をするか)」を明確にすることが最も重要です。
  • スケジュール(切り替えの日時・順序・マイルストーン)は、業務停止時間やリスクを最小化するために必須です。
  • 体制(担当者、責任者、連絡先、判断者)は、問題発生時の対応や判断を速やかに行うために必要です。
移行計画には、データの移行対象や必要な資源を整理する作業の結果を反映して、具体的な日時と担当を定めることが目的です。よって選択肢イが最も適切です。

解法ステップ

試験でこの種の問題に当たったら、次の手順で考えます。
  1. 問題文のキーワードを探す:「移行計画書」「移行すべきデータ、移行に必要な資源を整理している」とある。
  2. 「移行計画書」に本来期待される情報を思い出す:具体的なスケジュール、体制、移行手順、検証方法、ロールバック(元に戻す手順)など。
  3. 選択肢を1つずつ当てはめる:どれが「計画書に含めるべきか」を判断する。
  4. 結論:スケジュールと体制を示すイが最適。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 新システムで提供される画面や帳票の操作手順
    • 「帳票(ちょうひょう)」は業務で使うレポートや伝票のことです。画面や帳票の操作手順は利用者向けの操作マニュアルや研修資料にあたります。移行計画書が詳細な操作マニュアルまで含む必要は通常ありません。移行計画書には「操作手順の準備」や「研修日程」は含めますが、具体的な操作手順そのものは別文書です。
  • イ: 新システムに切り替えるためのスケジュール及び体制
    • 正解。前述の通り、移行の日時、順序、担当者、連絡系統、実施判断(ゴー/ノーゴー)などを明確にすることが移行計画の中心です。
  • ウ: 新システムに求められる機能要件
    • 「機能要件」はシステムが何をできるべきかを定めた仕様です。これはシステム開発段階で作成する仕様書に含まれます。移行計画書は「既に決まった機能をどう切り替えるか」が主題なので、機能要件そのものをここで示すのは適切ではありません。
  • エ: データの定期的なバックアップ手順
    • 「バックアップ」はデータ保護のための手順です。移行直前のバックアップは移行計画で扱うべき項目の一つ(移行前の最終バックアップなど)ですが、「定期的なバックアップ手順」は運用手順書や業務継続計画の内容であり、移行計画書の主眼ではありません。移行計画書には移行前後のバックアップ時点や検証方法を明記しますが、日常バックアップの全手順までは含めません。

よくある誤解

  1. 「移行計画書=操作マニュアル」
    • 誤りです。操作マニュアルは利用者向けで、移行計画書は切り替えの実行計画(いつ誰が何をするか)をまとめた文書です。操作マニュアルは別に準備します。
  2. 「バックアップさえあれば移行計画はいらない」
    • バックアップは重要ですが、スケジュールや体制、検証、ロールバック手順が無ければ実行時に混乱し、業務停止が長引くことがあります。計画は不可欠です。
  3. 「機能要件も移行計画に含めるべき」
    • 機能要件は設計・開発段階の文書で、移行計画は切り替え工程の管理文書です。混同しないようにします。

補足コラム:移行計画書に一般的に含める項目(チェックリスト)

  • 切り替えの目的と範囲(何をいつまでに切り替えるか)
  • スケジュール(日時、順序、マイルストーン、稼働停止時間)
  • 体制(プロジェクト責任者、実施担当、エスカレーション先、連絡網)
  • 移行手順(事前準備、データ移行手順、検証、切り替え作業)
  • データ一覧と移行方法(どのデータをいつどう移すか)
  • 検証方法(移行後の確認項目、受け入れ基準)
  • ロールバック(元に戻す条件・手順)
  • 必要資源(人員、ツール、環境、作業時間)
  • リスクと対応策(想定トラブルと対処法)
  • コミュニケーション計画(関係者への通知タイミング)
簡単な例(切り替え当日の流れ):
  1. 事前確認(担当者点検)
  2. 業務停止(○時〜○時)
  3. バックアップ取得(最終バックアップ)
  4. データ移行実行(移行ツールによる)
  5. 動作確認(主要機能のチェック)
  6. 利用開始(ゴーサイン)
  7. 監視・フォロー(初期1日〜数日の監視)

FAQ

Q1: 移行計画書は誰が作るべきですか?
A1: プロジェクトの移行担当者やプロジェクトマネージャーが中心となり、開発チーム、運用チーム、業務担当者と協力して作成します。
Q2: 操作手順(ユーザーマニュアル)は絶対に別に作るべきですか?
A2: はい。移行計画書は切り替えの手順を示す文書で、詳細な操作手順は利用者向けマニュアルとして別に用意します。ただし、移行で必要な最低限の操作チェックリストは移行計画に含めます。
Q3: バックアップだけでリスクは防げますか?
A3: バックアップは重要な保険ですが、作業の順序ミスや担当者の不在、コミュニケーション不足などはバックアップだけでは防げません。スケジュールと体制の明確化が不可欠です。

関連キーワード: 移行計画、切り替えスケジュール、ロールバック、データ移行、移行手順、体制設計、移行チェックリスト
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