ITパスポート 2010年 秋期 問60
問題文
インターネットでは、通信プロトコルとして使用されてきたIPv4以外にもIPv6が使用され始めている。IPv6の説明のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:IPv4のネットワークとは共存できないので、独立したネットワークとして構築する必要がある。
イ:IPアドレスのビット長がIPv4の4倍あり、心配されていたIPアドレスの枯渇が回避できる。(正解)
ウ:IPアドレスは数値ではなく、ホスト名とドメイン名による文字列で構成されている。
エ:暗号通信の機能はなく、暗号化と復号は上位層のプロトコルで行われる。
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IPv6の説明のうち、適切なものはどれか【ITパスポート 解説】
正解の理由
イが正しい理由は次の通りです。IPアドレス(コンピュータや機器を識別する番号)はビット(情報の最小単位)で長さが決まります。従来のIPv4(Internet Protocol version 4:インターネットで長く使われてきた通信の約束事)は ビット長でした。IPv6(version 6)は設計上 ビット長です。 は のちょうど4倍なので、「IPv4の4倍のビット長がある」と表現できます。ビット数が増えると作れるアドレスの数は で増えるため、IPv6は実質上、IPアドレスの枯渇(足りなくなる問題)を回避できます。
参考数値:
- IPv4: (約43億個)
- IPv6: (桁違いに大きい数)
解法ステップ
- 問題文の各選択肢が示す主張を一文で把握する(共存、長さ、文字列、暗号機能)。
- 基礎知識の確認:
- IPv4は ビット、IPv6は ビットであることを思い出す。
- IPアドレスは本来数値(2進数)であり、ホスト名は別の仕組み(DNS)で対応付けられることを確認する。
- IPv6はセキュリティ機能(IPsec)を設計段階で組み込んでいる点を確認する。
- 数値や定義と照らして選択肢を比較する:
- 「4倍」という表現が成り立つかを で確認。
- 最も正確に述べている選択肢を選ぶ(イ)。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「IPv4のネットワークとは共存できないので、独立したネットワークとして構築する必要がある。」
- 誤り。IPv4とIPv6は共存できます。一般的な移行方法として「デュアルスタック(dual-stack:同じ機器でIPv4とIPv6両方を扱う)」「トンネリング(tunneling:IPv6パケットをIPv4ネットワークで運ぶ)」や「変換(NAT64 など)」があります。したがって独立必須ではありません。
- イ: 「IPアドレスのビット長がIPv4の4倍あり、心配されていたIPアドレスの枯渇が回避できる。」
- 正しい。IPv4の ビットに対してIPv6は ビットで、アドレス数が桁違いに増えるため枯渇問題を実質解決します。
- ウ: 「IPアドレスは数値ではなく、ホスト名とドメイン名による文字列で構成されている。」
- 誤り。IPアドレス自体は数値(コンピュータが扱う2進数)です。ホスト名・ドメイン名(例: www.example.com)は人間向けの名前で、DNS(Domain Name System:名前と数値の対応表)によってIPアドレスに変換されます。
- エ: 「暗号通信の機能はなく、暗号化と復号は上位層のプロトコルで行われる。」
- 誤り。IPv6の設計にはIPsec(Internet Protocol Security:IPレベルの暗号化・認証の仕組み)が盛り込まれています。実運用ではIPsecの利用は任意だったり、アプリ側のTLSなど別の方式で暗号化することもありますが、「暗号機能が全くない」という表現は不正確です。
よくある誤解
- IPv6は「全部自動で安全に暗号化する」と思う誤解
- 説明: IPv6仕様にはIPsecが組み込まれていますが、すべての通信が自動的に暗号化されるわけではありません。運用や設定次第で暗号化が使われるかが決まります。
- IPv6で「ホスト名だけで通信できる」と思う誤解
- 説明: ホスト名は便利ですが、実際の通信では数値のIPアドレスが使われます。DNSが裏で名前をIPに変換します。
- IPv6導入で「すぐにIPv4は不要になる」と思う誤解
- 説明: 現実には移行期間が長く、IPv4とIPv6の混在や変換措置が続きます(デュアルスタック等)。
補足コラム
- IPv6アドレスの見た目:IPv6は16進数(0〜f)で表し、コロンで区切ります。例: 2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334。連続するゼロは
::で短縮できます(ただし1回だけ使用)。 - 自動設定機能:IPv6はSLAAC(Stateless Address Autoconfiguration:状態を持たない自動設定)という仕組みで、ルータ情報から自動でアドレスを割り当てられることが多いです。これにより小規模ネットワークで手動設定が減ります。
- NAT(Network Address Translation:アドレス変換)について:IPv6の豊富なアドレスにより、IPv4のようなアドレス節約のためのNATは原則不要です。しかし管理方針でNATやファイアウォールを使うことはあります。
FAQ
Q1: IPv6は本当にIPv4と全く違うネットワークなのですか?
A1: プロトコル仕様は異なりますが、現実のインターネットではIPv4とIPv6が並行して使われます。両方を扱う「デュアルスタック」方式が一般的です。
A1: プロトコル仕様は異なりますが、現実のインターネットではIPv4とIPv6が並行して使われます。両方を扱う「デュアルスタック」方式が一般的です。
Q2: IPv6のアドレスはどうやって覚えればよいですか?
A2: 人間は長い16進の列を覚えにくいので、ドメイン名(例: example.com)を使います。DNSが名前をIPに変換します。学習時は仕組み(コロン区切り、短縮記法)だけ押さえれば十分です。
A2: 人間は長い16進の列を覚えにくいので、ドメイン名(例: example.com)を使います。DNSが名前をIPに変換します。学習時は仕組み(コロン区切り、短縮記法)だけ押さえれば十分です。
Q3: IPv6で暗号化は必ずされますか?
A3: 必ずではありません。IPv6仕様にIPsecが含まれていますが、実際の暗号化は設定や利用するサービス次第です。多くのウェブサービスはさらに上位のTLS(Transport Layer Security)で暗号化します。
A3: 必ずではありません。IPv6仕様にIPsecが含まれていますが、実際の暗号化は設定や利用するサービス次第です。多くのウェブサービスはさらに上位のTLS(Transport Layer Security)で暗号化します。
関連キーワード: IPv6、IPv4、IPアドレス、ビット長、アドレス枯渇、デュアルスタック、トンネリング、IPsec、DNS、SLAAC、NAT

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