ITパスポート 2010年 秋期 問64
問題文
三つの装置A, B, Cの稼働率はそれぞれ0.90, 0.95, 0.95である。これらを組み合わせた図のシステムのうち、最も稼働率が高いものはどれか。ここで、並列に接続されている部分はどちらかの装置が稼働していればよく、直列に接続されている部分はすべての装置が稼働していなければならない。

選択肢
ア:
イ:
ウ:
エ:(正解)
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三つの装置の稼働率の組合せ【ITパスポート 解説】
正解の理由
エの構成は装置BとCが「並列接続」されているだけです。並列接続では、どちらか一方が稼働していればシステムが動作します。B と C の稼働率がそれぞれ なので、どちらも停止する確率は です。したがって、システム全体の稼働率は
すなわち 99.75% となり、他の選択肢より最も高くなります。
解法ステップ
- 基本ルールを確認する。
- 直列接続(series):全ての装置が稼働していなければならない。稼働率は各装置の「積」。
- 並列接続(parallel):どれか一つが稼働していればよい。停止確率(故障確率)の積の補集合で計算。
- 各装置の稼働率を確認する:。
- 各選択肢の稼働率を計算する(下で詳細に示します)。
- 数値を比較して最大のものを選ぶ。
各選択肢の計算(詳しい式)
-
ア(A と B が直列)
直列のため積:
-
イ(A, B, C が直列)
直列のため積:
-
ウ(A の直列の後に B と C が並列)
まず B と C の並列:停止確率を掛けて補集合を取る。
これを A と直列(掛け算):
-
エ(B と C が並列のみ)
先と同様に並列のみ:
比較すると、エ(99.75%)が最も高い。
選択肢別の誤答解説
-
ア(85.5%)
誤りポイント:直列は「積」を取ることを忘れると高めに出てしまう可能性があります。直列は信頼性を下げる方向です。 -
イ(81.225%)
誤りポイント:同様に、3つ直列はさらに低くなります。直列が増えるほど稼働率は小さくなります。 -
ウ(89.775%)
誤りポイント:B と C の並列を計算してから A と掛ける順序を確認してください。並列部分だけを単純に平均したり和をとったりすると間違えます。 -
エ(99.75%)
正解。B と C の並列だけなので、停止確率の積の補集合で計算します。並列はシステム稼働率を大きく改善します。
よくある誤解
- 「並列は単純に足す」:例えば 0.95 + 0.95 = 1.90 のように考える誤り。確率は 1(100%)を超えません。並列は「どちらかが動く」=停止確率を掛けて補集合を取ります。
- 「直列で足す」:直列は足すのではなく掛けます。直列接続が増えると稼働率は下がります。
- 独立性を忘れる:上の計算は各装置の故障が互いに独立(他の装置の故障に影響しない)である前提です。現実には共通原因故障(電源障害など)で独立でない場合があります。
補足コラム
- 「稼働率(availability)」とは、任意の時点で装置が動作している確率です。英語の availability は「利用可能であること」を意味します。
- 直列と並列の扱いは、電気回路の考え方に似ていますが、確率の世界では「停止確率(故障確率)」を使うと並列計算が楽になります。並列全体の停止確率は各装置の停止確率の積、稼働率はその補集合です。
- 実務では、並列化(冗長化)により可用性は上がりますが、コストや共通故障のリスクも考慮する必要があります。
FAQ
Q1. なぜ並列は なのですか?
A1. 並列で「全部が止まる」場合にシステムが止まります。各装置が止まる確率が なので、独立であれば「すべて止まる確率」はそれらの積です。そこから「少なくとも一つ動く」確率を得るには 1 から引きます。
A1. 並列で「全部が止まる」場合にシステムが止まります。各装置が止まる確率が なので、独立であれば「すべて止まる確率」はそれらの積です。そこから「少なくとも一つ動く」確率を得るには 1 から引きます。
Q2. 装置の故障が独立でない場合は?
A2. 共通原因(例:電源断、環境要因)があると、上の単純な式は過大評価になります。実務では共通故障確率や依存モデルを使って評価します。
A2. 共通原因(例:電源断、環境要因)があると、上の単純な式は過大評価になります。実務では共通故障確率や依存モデルを使って評価します。
Q3. 小数点の扱いはどのくらいで丸めるべき?
A3. 試験では小数第3位〜第4位まで計算すれば十分です。得点用の比較では大きな差があれば丸めても判定は変わりません。
A3. 試験では小数第3位〜第4位まで計算すれば十分です。得点用の比較では大きな差があれば丸めても判定は変わりません。
関連キーワード: 稼働率、可用性、直列接続、並列接続、信頼性、停止確率、独立故障、冗長化、確率の補集合

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