ITパスポート 2010年 秋期 問65
問題文
ネットワークを介したアプリケーション間の通信を実現するために、数多くのプロトコルが階層的に使用されている。次の記述中のa, bに入れるプロトコル名の適切な組合せはどれか。
インターネットでWebページを閲覧する場合、ブラウザとWebサーバは、[ a ]というプロトコルを使用する。この[ a ]による通信は、その下層の[ b ]と、さらにその下層のIPというプロトコルを使用する。

選択肢
ア:
イ:(正解)
ウ:
エ:
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プロトコルの階層(a, bの組合せ)【ITパスポート 解説】
正解の理由
- HTTP(Hypertext Transfer Protocol:Webページなどのハイパーテキストを取得するための通信規約)は、ブラウザとWebサーバが使うアプリケーション層のプロトコルです。
- TCP(Transmission Control Protocol:データを確実に順序どおり届けることを担うトランスポート層のプロトコル)は、HTTPの下位にある通信手段として使われます。
- その下位にあるIP(Internet Protocol:ネットワーク上で機器を識別しデータを届けるためのプロトコル)がさらに存在します。
したがって「a = HTTP」「b = TCP」が正しい組合せです。
(注:HTTP、TCP、IPはいずれもプロトコル=通信の約束事です)
解法ステップ
- 文から用途を確認する:Webページを閲覧する=ブラウザとWebサーバ間の通信を考える。
- その用途に使う代表的なアプリケーション層プロトコルを思い出す:WebならHTTP。
- 「その下層の[b]と、さらにその下層のIP」という記述から、bはアプリケーション層の下にあるトランスポート層のプロトコルであると判断する。
- トランスポート層の代表はTCP(またはUDP)。Web(HTTP)は通常TCPを使うので、bはTCPと決まる。
この順序(アプリケーション → トランスポート → ネットワーク(IP))を意識すると速く解けます。
選択肢別の誤答解説
-
ア(a = FTP、b = Ethernet)
- FTP(File Transfer Protocol:ファイル転送のためのアプリケーション層プロトコル)はWeb閲覧用ではありません。
- Ethernet(イーサネット:同一ネットワーク上の機器間でデータをやり取りするリンク層の技術)はIPのさらに下位(データリンク層)なので、「アプリケーション→トランスポート→IP」と並ぶ構造の「b」には当たりません。
-
イ(a = HTTP、b = TCP) ← 正解
- 上述の通り、WebはHTTP、HTTPは通常TCPの上で動作します。
-
ウ(a = SMTP、b = POP3)
- SMTP(Simple Mail Transfer Protocol:メールを送信するためのプロトコル)とPOP3(Post Office Protocol 3:メールを受信するためのプロトコル)はどちらもアプリケーション層に属する「別々の」メール用プロトコルです。問題の「下層の[b]」という関係には当てはまりません。
-
エ(a = WWW、b = HTML)
- WWW(ワールドワイドウェブ)は「Web全体」を指す概念で、プロトコル名ではありません。
- HTML(HyperText Markup Language:Webページの文書構造を記述するためのマークアップ言語)はプロトコルではなくデータの形式(言語)です。従ってどちらも[a]や[b]に入れる用途の語ではありません。
よくある誤解
- 「HTMLとHTTPを混同する」
- HTMLはWebページを記述するための言語、HTTPはそのページをやり取りするための通信規約です。用途が違います。
- 「Ethernetが常にTCPの下にあると思う」
- Ethernetは物理的・リンク層の技術で、IPより下にあることは正しいですが、問題の[b]はアプリケーションの直接下層(トランスポート)を指している点を見落としやすいです。
- 「WWWやHTMLがプロトコルだと思う」
- WWWはサービスの集合体、HTMLは文書の形式であり、プロトコルではありません。
補足コラム
- HTTPのポート番号:HTTPは通常ポート80、暗号化されたHTTPSはポート443を使います(ポート=ネットワーク上の通信の入口番号)。
- TCPとUDPの違い:TCP(信頼性重視)はデータを順序どおり確実に届ける仕組みを提供します。UDP(User Datagram Protocol:ユーザデータグラムプロトコル)は軽量で遅延を抑えたい用途に向きます。
- 近年の動き:HTTP/3では従来のTCPではなくQUIC(Quick UDP Internet Connections:UDP上に作られた新しいトランスポート技術)を使い、通信の高速化や遅延低減を図っています。つまり「HTTPは常にTCP」と覚えるのは過去の常識としては十分ですが、最新技術では例外もあります。
FAQ
Q1. HTMLはプロトコルではありませんか?
A1. いいえ。HTMLは文書を記述する言語(マークアップ言語)です。プロトコルはデータをやり取りする約束事で、別の役割です。
A1. いいえ。HTMLは文書を記述する言語(マークアップ言語)です。プロトコルはデータをやり取りする約束事で、別の役割です。
Q2. Webは必ずTCPを使うのですか?
A2. 伝統的なHTTP/1.1やHTTP/2はTCPを使いますが、HTTP/3はQUIC(UDPベース)を使います。試験レベルでは「HTTP → TCP → IP」の理解でまず正解です。
A2. 伝統的なHTTP/1.1やHTTP/2はTCPを使いますが、HTTP/3はQUIC(UDPベース)を使います。試験レベルでは「HTTP → TCP → IP」の理解でまず正解です。
Q3. Ethernetはどの位置の技術ですか?
A3. Ethernetはネットワークの下の方(データリンク層/物理層付近)の技術で、LAN(同一ネットワーク)内の通信に使われます。階層としてはIPの下にあります。
A3. Ethernetはネットワークの下の方(データリンク層/物理層付近)の技術で、LAN(同一ネットワーク)内の通信に使われます。階層としてはIPの下にあります。
関連キーワード: HTTP、TCP、IP、Ethernet、アプリケーション層、トランスポート層、プロトコル階層、HTML、SMTP、FTP、UDP、QUIC

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