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ITパスポート 2010年 春期 01


問題文

他社が開発した先進的な技術と、高い研究開発能力をもった人材を、自社固有の経営資源として取り込むことが可能な戦略はどれか。

選択肢

M&A(正解)
R&D
アライアンス
技術提携

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他社の先進技術と高度な人材を自社固有の経営資源として取り込む戦略はどれか【ITパスポート 解説】

正解の理由

設問は「他社が開発した先進的な技術と、高い研究開発能力をもった人材を、自社固有の経営資源として取り込む」ことができる戦略を問うています。ここで重要なのは「自社固有の経営資源として取り込む=その技術や人材を自社の所有・支配下に置く」という点です。
選択肢のうち、の M&A(Mergers and Acquisitions:合併と買収)は、他社を買い取ったり合併したりして、その会社が持つ技術や従業員を自社の資産や人材として組み込む手法です。買収によって権利(例:技術の所有権、雇用契約や人材)を自社の下に置けるため、「自社固有の経営資源として取り込む」目的に合致します。
他の選択肢は協力・共同利用に近く、所有や支配を必ずしも伴いません(以下で詳細に説明します)。
※用語の補足(初出で簡単に説明)
  • M&A(Mergers and Acquisitions:合併と買収) — 他社を買う・合併して資産や人材を自社に取り込む行為。
  • R&D(Research and Development:研究開発) — 自社で新しい技術や製品を開発する活動。
  • アライアンス(alliance:提携) — 互いに協力する契約・枠組みで、資産の移転を伴わないことが多い。
  • 技術提携(technical partnership) — 技術面で協力・ライセンス供与する関係。技術の「共有」や「利用」はできても、相手の技術を自社のものとして完全に所有するとは限らない。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワードを探す:「自社固有の経営資源として取り込む」→「所有」または「自社の下で利用・支配できる」ことを意味する。
  2. 各選択肢の意味を短く確認する:M&Aは買収で所有を得る。R&Dは自社で開発する。アライアンスや技術提携は協力関係で、通常は所有までは行かない。
  3. 所有・支配を満たすのはどれかを判断する。→ 所有を得られるのは(M&A)である。
  4. よって選ぶのは

選択肢別の誤答解説

  • :M&A — 正しい。買収・合併により、他社の技術や従業員(人材)を自社の「資産・人的リソース」として取り込めます。ただし実務では買収後の統合(PMI:Post Merger Integration)や従業員の定着対策が重要です。
  • イ:R&D(研究開発) — 自社が内製で技術を作る方法です。外部の「他社が開発した技術や人材」をそのまま取り込む手段ではないため不適です。
  • ウ:アライアンス(提携) — 互いに協力して技術や情報を共有する枠組みです。技術の共同利用や共同研究は可能ですが、相手企業の技術や人材を自社の固有資源として所有するわけではありません。
  • エ:技術提携(technical partnership) — 技術供与や共同開発などをする関係です。ライセンスで技術を使える場合もありますが、「自社固有の経営資源として完全に取り込む」=所有する点ではM&Aとは異なります。

よくある誤解

  1. 「技術提携やアライアンスでも自社のものになる」と思う誤解
    • 提携で得られるのは利用権や共同開発の成果が多く、相手の技術そのものの所有や人材の移籍を必ず伴うわけではありません。権利関係や契約内容をよく確認する必要があります。
  2. 「M&Aすれば人材は必ず残る」と考える誤解
    • 買収後に人材が流出するリスクはあります。契約(雇用条件)やインセンティブ、文化統合が重要です。買えば自動的に“使える”わけではありません。
  3. 「R&Dは速く技術を得られる手段だ」と思う誤解
    • R&Dは時間とコストがかかるため、短期間で他社の先進技術を手に入れたい場面ではM&Aが選ばれることがあります。

補足コラム

  • M&Aの種類:主に「合併(会社同士が一つになる)」と「買収(株式や資産を取得することで支配する)」があります。買収では株式取得や事業買収(asset purchase)など手法が分かれます。
  • のれん(goodwill)と無形資産:買収時に支払った額が帳簿上で「のれん」や「技術の無形資産」として計上されることがあります。これらは会計上の扱いが重要です。
  • 人材の確保策:M&A後に重要な研究者や開発者を確保するには、退職金、ストックオプション、役職・権限付与などのインセンティブ設計や職場文化の統合が欠かせません。
  • デューデリジェンス(事前調査)の重要性:買収前に技術の実態、権利関係、従業員契約やリスクを詳細に調べることで、買収後の失敗を減らせます。

FAQ

Q1. 技術提携で「完全な技術移転」はあり得ますか?
A1. 契約次第では技術の譲渡や独占ライセンスが可能ですが、通常は所有権そのものの移転(会社を丸ごと買う形)より限定的です。完全移転ならM&Aが確実です。
Q2. M&Aは必ず高額ですか?
A2. 規模や対象次第で変わります。小規模のスタートアップ買収(カジュアルな買収)もあり、戦略や交渉次第で費用は変わります。ただし、買収後の統合コストも考慮する必要があります。
Q3. アライアンスと技術提携の違いは?
A3. 両者は近い概念ですが、アライアンスは広義の協力関係(販売提携、共同事業など含む)で、技術提携は特に技術面での共同やライセンスを指します。どちらも所有を伴うとは限りません。
Q4. 短期間で他社の技術を“自社の物”にしたい場合、他に選択肢はありますか?
A4. 最も確実なのはM&Aですが、別途ライセンスの買い取りや採用(キー人材のヘッドハンティング)などの組み合わせも検討できます。状況に応じたコスト・リスク比較が必要です。

関連キーワード: M&A、買収、技術移転、人材獲得、経営資源、R&D、アライアンス、技術提携
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