ITパスポート 2010年 春期 問25
問題文
著作者の了解を得ないで次の行為を行った場合、著作権法に照らして適法な行為はどれか。
選択肢
ア:購入したCDの楽曲を自分のPCにコピーし、PCで毎日聴いている。(正解)
イ:購入したCDの楽曲を自分のホームページからダウンロードできるようにしている。
ウ:自社製品に関する記事が掲載された雑誌のコピーを顧客に配布している。
エ:録画したテレビドラマを動画共有サイトにアップロードしている。
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著作権法:著作者の了解なしの行為の適法性【ITパスポート 解説】
正解の理由
購入した音楽CDを自分のPCにコピーして毎日聴く行為は、著作権法で認められる「私的複製(し‐てき ふくせい)」の範囲に当たるため、原則として適法です。私的複製とは、個人や家庭内など私的な利用のための複製を指します(著作権法第30条)。したがって、設問の中では ア の行為が許されます。
ただし注意点として、CDに施されている技術的保護手段(コピーガードなど)を解除してコピーする行為は別途禁止されることがあります。技術的保護手段の回避は違法となる場合があるので、実務では解除を行わずに私的複製を行うことが前提です。
解法ステップ
- 行為ごとに、どの「権利」が侵害されるかを考える
- 複製権(コピーすること)/公衆送信権(インターネット上に公開すること)/譲渡・配布権(複製物を配ること)など。
- その権利について、著作権法上の例外が適用されるか確認する
- 代表的な例:私的複製、引用、報道や教育などの限定的な利用。
- 例外の適用条件を満たすかを判定する
- 私的複製なら「個人または家庭内など限られた範囲か」「技術的保護手段を回避していないか」など。
- 上記に照らして各選択肢を適法/違法に振り分ける。
この流れで考えると、個人でのCDコピーは私的複製で許され、ほかは公衆に配布・送信しているため許されない、という結論になります。
選択肢別の誤答解説
- ア: 購入したCDの楽曲を自分のPCにコピーし、PCで毎日聴いている。
- なぜ適法か:私的複製の範囲内です。個人的に聞くためのコピーであり、配布や公開(第三者への提供)を伴わないため著作権者の許諾は不要です(ただしコピー防止を解除する行為は別問題)。
- イ: 購入したCDの楽曲を自分のホームページからダウンロードできるようにしている。
- なぜ違法か:ホームページに置いて第三者がダウンロードできるようにするのは「公衆送信」や「複製の提供」に当たり、著作権者の許諾が必要です。私的複製の範囲を超えます。
- ウ: 自社製品に関する記事が掲載された雑誌のコピーを顧客に配布している。
- なぜ違法か:雑誌の無断コピーを配布するのは「複製物の配布(譲渡)」に当たり、著作権者の許可が必要です。配布は私的複製の例外に含まれません。
- エ: 録画したテレビドラマを動画共有サイトにアップロードしている。
- なぜ違法か:アップロードして不特定多数に視聴させる行為は「公衆送信(こうしゅうそうしん)」であり、著作権者の許諾が必要です。たとえ自分で録画したものでも同様です。
よくある誤解
- 誤解1:購入したものだから何をしても自由だ。
- 解説:購入は「その媒体(CDや書籍)の所有」を意味しますが、著作権は別に存在します。所有と著作権は別の権利です。配布や公開には著作権者の許諾が必要です。
- 誤解2:家庭内で家族が聴くくらいなら何でもOKだ。
- 解説:家庭内での私的複製や共有は一般に認められますが、「広く共有」したりネット上で公開するのは私的範囲を超えます。家族以外の多数への配布はNGです。
- 誤解3:録画したテレビ番組は自由にネットに上げてもよい。
- 解説:録画は個人視聴のためなら許される場合がありますが、ネットで公開するのは「公衆送信」にあたり許可が必要です。
補足コラム
- 用語メモ(簡単に)
- 著作権(ちょさくけん):著作者が作品を独占的に利用できる権利の総称。
- 私的複製(し‐てき ふくせい):個人や家庭内での利用のためのコピーを認める例外。著作権法第30条。
- 公衆送信(こうしゅうそうしん):インターネットなど不特定多数に送る行為。動画サイトへのアップはこれに当たる。
- 複製権(ふくせいけん):作品をコピーする権利。著作権の主要な権利の一つ。
- 技術的保護手段(コピーガード等)について
- CD等にコピー防止が施されている場合、その回避(解除)は別途違法になり得ます。たとえ目的が私的複製でも、保護を解除してのコピーは避けるべきです。
- 引用や教育目的の例外もあるが、条件が厳しいため試験ではまず「私的複製」か「公衆送信・配布か」で判断するのが安全です。
FAQ
Q1. 家族のスマホにもコピーして共有して良いですか?
A1. 家庭内での私的利用であれば認められる場合が多いです。ただし家族以外の不特定多数と共有するのは不可です。
A1. 家庭内での私的利用であれば認められる場合が多いです。ただし家族以外の不特定多数と共有するのは不可です。
Q2. CDをリッピングしてスマホで聞くのは合法ですか?
A2. 私的複製の範囲なら合法です。ただしCDのコピーガードを解除してリッピングするのは問題になる場合があります。
A2. 私的複製の範囲なら合法です。ただしCDのコピーガードを解除してリッピングするのは問題になる場合があります。
Q3. 企業が商品の紹介記事を配布しても良いですか?
A3. 雑誌の記事の無断コピー配布は著作権の侵害です。企業利用の場合は出版社や著者の許諾を得る必要があります。
A3. 雑誌の記事の無断コピー配布は著作権の侵害です。企業利用の場合は出版社や著者の許諾を得る必要があります。
Q4. ウェブにある「フリー音源」を自分のサイトで配ってもいい?
A4. 「フリー」と明示され、配布が許可されている音源なら問題ありません。利用条件(クレジット表記など)を確認してください。
A4. 「フリー」と明示され、配布が許可されている音源なら問題ありません。利用条件(クレジット表記など)を確認してください。
関連キーワード: 著作権法、私的複製、複製権、公衆送信、配布権、技術的保護手段

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