ITパスポート 2010年 春期 問38
問題文
ある企業では、業務を遂行する上で違法行為や不正、ミスやエラーなどを防止し、組織が健全かつ有効・効率的に運営されるように基準や業務手続を定め、管理・監視を行うことにした。これを表すものとして最も適切なものはどれか。
選択肢
ア:情報モラル
イ:内部設計
ウ:内部統制(正解)
エ:プライバシ
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業務上の違法行為・不正・ミスを防ぎ、組織を健全に運営する仕組み【ITパスポート 解説】
正解の理由
設問は「違法行為や不正、ミスやエラーを防止し、組織が健全かつ有効・効率的に運営されるように基準や業務手続を定め、管理・監視を行うこと」と説明しています。これは企業全体のルールや手続き、監視の仕組みを作って運用することを指します。こうした仕組みをまとめて「内部統制(internal control:企業が不正やミスを防ぎ、業務を効率的かつ適法に行うための仕組み)」と呼びます。よって、選択肢の中で最も適切なのは ウ です。
具体例としては、決裁(承認)ルール、職務の分離(同じ人が受注と支払を両方担当しない)、監査・チェックの仕組み、業務手順書の整備などが内部統制に当たります。これらは組織全体の運営に関わるため、設問の記述と一致します。
解法ステップ
- 設問のキーワードを拾う:「違法行為や不正、ミスやエラーを防止」「基準や業務手続を定め」「管理・監視」「組織が健全かつ有効・効率的に運営される」。
- 各選択肢がこの説明に当てはまるかを判断する。
- 「組織全体のルール作り・監視」を示す語は何かを考える。
- 「内部統制」は組織のルール・手続・監視をまとめる概念であり、設問に合致するため選択する。
この順序で考えれば、迷わず ウ を選べます。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 情報モラル
情報モラル(情報倫理:情報を扱うときの善悪やマナー)です。社員の情報リテラシーや倫理観に関する話であり、組織全体の「基準や業務手続を定めて管理・監視する」仕組みそのものを指すものではありません。 -
イ: 内部設計
内部設計(ソフトウェアやシステムの内部構造を設計すること)です。システム開発の専門用語で、組織の運営手続きや不正防止のための管理体系を意味するものではありません。 -
ウ: 内部統制
内部統制(internal control:上で定義)です。設問の説明と一致します。 -
エ: プライバシ
プライバシ(プライバシー:個人の私生活や個人情報の保護)です。個人情報の取り扱いや秘匿に関する概念であり、組織全体の不正やミス防止のための管理・監視体系とは目的が異なります。
よくある誤解
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「内部統制=内部監査だ」は誤り
内部監査は内部統制が適切に機能しているかをチェックする役割です。内部統制は「仕組み・ルール・運用」で、内部監査はその「点検役」です。役割が違います。 -
「内部統制は会計だけの話だ」は誤り
会計や財務報告の信頼性にも関係しますが、業務の有効性・効率性、法令順守(コンプライアンス)など幅広い目的があります。 -
「紙の手続きがあれば内部統制は完成」は誤り
書類や規程を作るだけでなく、実際に運用し、監視・改善して初めて有効になります(PDCA:Plan-Do-Check-Act の考え方)。
補足コラム
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内部統制の要素(代表的な枠組み)
世界的に参照される枠組みの一つに COSO(Committee of Sponsoring Organizations:内部統制の枠組みを示す組織)があります。COSO は主に次の五要素を挙げています:統制環境(組織文化)、リスク評価、統制活動(手続き・ルール)、情報と伝達、モニタリング(監視)。これらがそろって初めて内部統制が機能します。 -
ITとの関係
情報システムに関する内部統制を「IT統制(情報システムにおける内部統制)」と言います。例:アクセス制御(誰がどのデータに触れるか管理する)、ログ管理、バックアップ、変更管理(システム変更の手続き)などです。 -
実務上の例
- 仕入れの支払いは発注者と決済者を分ける(職務分掌)
- 高額な支出には上長の承認が必要
- 定期的な監査や業務レビューで不正やミスを早期発見
FAQ
Q1: 内部統制は誰が責任を持つのですか?
A1: 最終的な責任は経営者にあります。具体的な設計や運用は各部署の管理者や担当者が行い、内部監査部門などが点検します。
A1: 最終的な責任は経営者にあります。具体的な設計や運用は各部署の管理者や担当者が行い、内部監査部門などが点検します。
Q2: 中小企業でも内部統制は必要ですか?
A2: 必要です。規模によって方法は簡素化できますが、基本は「リスクを把握し、重要な業務に対するチェック」を作ることです。
A2: 必要です。規模によって方法は簡素化できますが、基本は「リスクを把握し、重要な業務に対するチェック」を作ることです。
Q3: 内部統制とコンプライアンス(法令遵守)の違いは?
A3: コンパライアンスは「法や規則を守ること」。内部統制は「不正・ミス防止や業務効率化を含めた組織運営の仕組み」で、コンプライアンスは内部統制の重要な目的の一つです。
A3: コンパライアンスは「法や規則を守ること」。内部統制は「不正・ミス防止や業務効率化を含めた組織運営の仕組み」で、コンプライアンスは内部統制の重要な目的の一つです。
Q4: 内部統制はどうやって評価されますか?
A4: 文書化された手続きの存在、実際の運用状況、監査結果、改善履歴などで評価されます。定期的なモニタリングと監査が鍵です。
A4: 文書化された手続きの存在、実際の運用状況、監査結果、改善履歴などで評価されます。定期的なモニタリングと監査が鍵です。
関連キーワード: 内部統制, コンプライアンス, リスク管理, 内部監査, COSO, IT統制, 職務分掌, PDCA

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