ITパスポート 2010年 春期 問49
問題文
ソフトウェアの受入れに関する記述として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:受入れでは、そのソフトウェア開発者の支援などの関与があってはならない。
イ:受入れでは、そのソフトウェアの開発で用いた詳細設計書に基づいて、取得者がレビュー及びテストする。
ウ:受入れは、そのソフトウェアの開発者が主体的に行う。
エ:受入れは、そのソフトウェアの取得者が行い、開発者は受入れを支援する。(正解)
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ソフトウェアの受入れに関する記述 +【ITパスポート 解説】
正解の理由
ここでいう受入れ(acceptance:ソフトウェアを受け取って、契約や要求仕様どおりに動くかを確認すること)は、ソフトウェアを「買う側」や「利用する側」である取得者(取得者:ソフトウェアを入手する人・組織)自身が行うのが原則です。一方、開発者(開発者:ソフトウェアを作る人・会社)は、その検証を支援(テスト手順の提示や環境設定の補助など)します。したがって、「受入れは取得者が行い、開発者は受入れを支援する」とする選択肢が最も適切です。これは、受入れが客観的・独立的に行われることで、契約どおりの品質が担保されるためです。
(上の説明に該当する選択肢は エ です)
解法ステップ
- 設問のキーワードを確認:受入れ=誰が主体か、開発者は関与できるか。
- 「主体的に行う」「支援する」「関与してはならない」などの表現を注意深く読む。
- 受入れの目的は「取得者が納品物を検証して合否を決めること」。つまり取得者主体が基本。
- 開発者は利益相反や偏りを避けるため主体ではなく、あくまで支援や補助に留まるのが適切。
- したがって、「取得者が行い、開発者は支援する」を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 受入れでは、そのソフトウェア開発者の支援などの関与があってはならない。
→ 誤り。開発者の「主体的な主導」は避けるべきですが、支援(テスト環境の構築や不具合の修正支援など)は通常認められます。完全に関与を禁止すると、受入れが実行できない場合があります。 -
イ: 受入れでは、そのソフトウェアの開発で用いた詳細設計書に基づいて、取得者がレビュー及びテストする。
→ 誤り。受入れ検証は「要件や仕様書(契約で定めた受入基準)」に基づくべきで、必ずしも開発者が作成した詳細設計書(内部設計)を基準にするものではありません。取得者が確認すべきは外部仕様や受入基準です。 -
ウ: 受入れは、そのソフトウェアの開発者が主体的に行う。
→ 明らかに誤り。開発者が主体で受入れを行うと、公平性や客観性が失われ、品質の保証や契約上の合意に問題が生じます。 -
エ: 受入れは、そのソフトウェアの取得者が行い、開発者は受入れを支援する。
→ 正しい。取得者が合否判定を行い、開発者は必要に応じて支援する(テストデータの提供や不具合対応など)。受入基準は事前に契約で明確にします。
よくある誤解
-
誤解1: 「開発者が関与すると必ずしも不正確になる」
→ 関与がすべて悪いわけではありません。問題は「主体」の位置づけです。開発者が支援することは普通で、主体は取得者です。 -
誤解2: 「受入れテストは詳細設計に従うべき」
→ 受入れテストはユーザー要求や契約で決めた受入基準(外部仕様)に基づくべきです。内部の詳細設計は確認の参考にはなりますが、基準そのものではありません。 -
誤解3: 「受入れ=単なる納品の受け取り」
→ 受入れは単なる受け取りではなく、要求どおり動作するかを確認して正式に合否を決める行為です。
補足コラム
-
受入れ試験の種類
- ユーザ受入試験(UAT: User Acceptance Test):実際の利用者が動作を確認するテスト。
- 工場受入試験(FAT: Factory Acceptance Test):開発側の施設で動作確認を行う段階。
- 現地受入試験(SAT: Site Acceptance Test):導入先の環境で確認する段階。
これらは状況に応じて組み合わせて実施します。
-
契約での明記が重要
受入基準(合格条件)、テスト項目、合格時の手続き(受領書や検収書の発行)、不合格時の対応(修正と再検査の範囲・期間)を契約書に明確に定めておくとトラブルを防げます。 -
クラウドサービス(例:SaaS)での受入れ
SaaS(Software as a Service:サービスとして提供されるソフトウェア)の場合も、機能要件やSLA(Service Level Agreement:サービス品質の合意)に基づいて取得者が受入れ判断を行います。プロバイダ(提供者)が支援しますが、最終判断は取得者側です。
FAQ
Q1: 受入れ基準は誰が作るべきですか?
A1: 原則として取得者と開発者が合意して作ります。重要なのは契約書や仕様書に具体的に記載することです。取得者の業務要件を基に、テストで確認できる形に落とし込みます。
A1: 原則として取得者と開発者が合意して作ります。重要なのは契約書や仕様書に具体的に記載することです。取得者の業務要件を基に、テストで確認できる形に落とし込みます。
Q2: 受入れに第三者を入れることはありますか?
A2: はい。特に機密性や信頼性が重要な場合は、第三者による検査や監査を入れて独立性を確保することがあります。
A2: はい。特に機密性や信頼性が重要な場合は、第三者による検査や監査を入れて独立性を確保することがあります。
Q3: 受入れに合格しなかったらどうする?
A3: 不具合を記録して開発者に修正を依頼します。修正後は再検査を行い、合格できれば正式に受入れ(検収)となります。契約で対応手順や期間を決めておくとよいです。
A3: 不具合を記録して開発者に修正を依頼します。修正後は再検査を行い、合格できれば正式に受入れ(検収)となります。契約で対応手順や期間を決めておくとよいです。
Q4: 開発者だけで受入れを実施するケースはありますか?
A4: 小規模なプロジェクトや体制上の制約で一時的にそうなることはありますが、独立性が欠けるため推奨されません。可能なら取得者または第三者が最終確認を行うべきです。
A4: 小規模なプロジェクトや体制上の制約で一時的にそうなることはありますが、独立性が欠けるため推奨されません。可能なら取得者または第三者が最終確認を行うべきです。
関連キーワード: 受入れテスト、受入基準、受領・検収、受入試験、ユーザ受入試験、FAT、SAT、UAT、検収書、SLA

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