戦国IT - 情報処理技術者試験の過去問対策サイト
ブログお知らせお問い合わせ料金プラン

ITパスポート 2011年 秋期 24


問題文

A社と競合B社の相互の意思決定において、A社先手で相互に3手目までの打つ手を次の表のとおり作成した。表の数値は3手目の局面におけるA社の期待値である。A社は自社の期待値を大きくするように打つ手を選択し、B社は、3手目の結果を予測してA社の期待値を小さくするように打つ手を選択するとき、3手目の局面におけるA社の期待値は何億円か。
ITパスポート 2011年 秋期  問24の問題画像

選択肢

8
9(正解)
10
15

🔒 解説は解答すると表示されます

意思決定の順序での期待値(3手目の期待値)【ITパスポート 解説】

正解の理由

この問題は「期待値(expected value:将来に得られる平均的な利益)」を使った順序的な意思決定の問題です。A社は自社の期待値を大きくする選択を行い、B社は「A社の期待値を小さくする」ように行動します。最後にA社がもう一度決める(3手目)ので、手順を逆向きにたどって考えます(逆向き帰納法:backward induction)。
以下の計算より、最終的にA社の3手目の局面における期待値は 9 億円となるため、選択肢は が正解です。

解法ステップ

  1. まず用語説明
    • 期待値:将来に得られる利益の「平均的な値」。ここでは億円単位で与えられています。
    • 逆向き帰納法(backward induction):最後の手(ここではA社の3手目)から順に考えて、その結果を手前の決定者がどう受け取るかを決めていく方法です。
  2. 各「2手目(B社)の場合」におけるA社の3手目での選択(A社は期待値を大きくする)を決定する。
    • 1手目:Aが「値引きする」の場合
      • Bが「値引きする」なら、Aは広告で 9 vs 広告しないで 2 → Aは 9 を選ぶ(大きい方)。
      • Bが「値引きしない」なら、Aは広告で 15 vs 広告しないで 8 → Aは 15 を選ぶ。
    • 1手目:Aが「値引きしない」の場合
      • Bが「値引きする」なら、Aは広告で 0 vs 広告しないで −6 → Aは 0 を選ぶ。
      • Bが「値引きしない」なら、Aは広告で 10 vs 広告しないで 4 → Aは 10 を選ぶ。
  3. 次にB社は、Aのその後の最適選択を予想して、Aの期待値を小さくする(BはAにとって不利な方を選ぶ)ため、各場合で小さい方を選ぶ。
    • Aが1手目に「値引きする」を選んだ場合:Bは Aにとって 9 と 15 のうち小さい方 9 を選ぶ。
    • Aが1手目に「値引きしない」を選んだ場合:Bは Aにとって 0 と 10 のうち小さい方 0 を選ぶ。
  4. 最後にA社は1手目で自社の期待値を最大化するように選ぶ。Aは 9(値引きする場合)と 0(値引きしない場合)のうち大きい方 9 を選ぶ。
したがって、3手目の局面におけるA社の期待値は 9 億円です。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 8
    いくつかの誤りから8になることがあります。例えば、Aが最初に「値引きする」を選び、Bが「値引きしない」を選ぶときに、Aが誤って「広告しない(8億円)」を選ぶと仮定した場合です。しかしAは自社の期待値を大きくするので、この場面では本来15億円を選びます。よって8は誤りです。
  • イ: 9(正解)
    逆向きに考え、Aの最終選択→Bの選択→Aの最初の選択の順で合理的に決まる結果です。
  • ウ: 10
    10は「Aが最初に値引きしない、Bが値引きしない、Aが広告する」経路の期待値です。誤ってBが自社都合でAにとって有利な(10億円をもたらす)行動を選んだと仮定すると出ますが、問題文はBがAの期待値を小さくするよう行動すると明示しているため誤りです。
  • エ: 15
    15は「Aが最初に値引きする、Bが値引きしない、Aが広告する」経路の期待値です。BはAの期待値を小さくするので、15を選ばせるような選択はしません(Bは9を選ぶ)。したがって誤りです。

よくある誤解

  1. 「B社は自分の利得を最大化する」と誤解する
    • 問題文ではB社の目的が「A社の期待値を小さくする」と明示されています。Bの目的を勝手に別のもの(例えば自分の利得最大化)に変えると答えを間違えます。
  2. 「順序に関係なく一律に最大・最小を取る」と考える
    • 最後の手から逆に決める逆向き帰納法が重要です。手順を無視して単純に枝の中から最大や最小を取ると誤答になります。
  3. 「期待値を平均する(加重平均)」してしまう
    • この問題は確率や平均を扱っていません。各手番で合理的に選ぶ結果だけを見る問題です。

補足コラム

  • 逆向き帰納法(backward induction)は、順番に決定を行うゲームでよく使われます。最後に動く人の最適戦略を先に決め、その結果を踏まえて一つ前のプレイヤーが最適戦略を決める――これを繰り返すことで最初の局面での合理的な選択が導けます。
  • 実務での例:営業チームが値引きするかを先に決め、競合が反応し、その後に広告投資を判断するような場面で役立つ考え方です。各段階で「相手がどう反応するか」を予想して、自社の最善策を決めます。

FAQ

Q1. なぜAは3手目で「期待値が大きい方」を選ぶのですか?
A1. 問題文で「A社は自社の期待値を大きくするように打つ手を選択」と明示されているためです。これは合理的選択の前提です。
Q2. Bが「Aの期待値を小さくする」以外の目的なら答えは変わりますか?
A2. はい。Bの目的が異なればBの選択が変わり、その結果Aの最終期待値も変わります。目的(利得関数)を問題文で確認することが大切です。
Q3. 確率が与えられていたらどうしますか?
A3. 各終端の期待値に確率を使って加重平均する必要がありますが、本問は確率を伴わない決定的な数値なので、各プレイヤーの選好に基づく比較だけで良いです。

関連キーワード: ナッシュ均衡、逆向き帰納法、期待値、ゲーム理論、意思決定、戦略的思考、最適選択、競合分析
← 前の問題へこの年度をクイズで解く次の問題へ →
戦国ITクイズ機能

\ せっかくなら /

ITパスポート
クイズ形式で学習しませんか?

クイズ画面へ遷移する

すぐに利用可能!

©︎2026 情報処理技術者試験対策アプリ

このサイトについてブログプライバシーポリシー利用規約特商法表記開発者について