ITパスポート 2011年 秋期 問26
問題文
ある商店で販売している商品Aの1週間の売上個数の分布は表のとおりである。商品Aの発注から納入までのリードタイムが1週間のとき、品切れになる確率を10%未満にするため、発注時に最低限必要な在庫は幾つか。

選択肢
ア:87
イ:88
ウ:92(正解)
エ:93
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発注時の最低必要在庫【ITパスポート解説】
正解の理由
リードタイム(発注から納品までの時間)が1週間なので、リードタイム中に必要な在庫は「1週間の売上個数」に対応します。ここで「品切れになる確率を10%未満にする」とは、品切れ確率 が 未満であることを意味します。これは確率の補集合から
となり、等号を含まない「厳密に90%より大きい」ことが必要です。表の累積割合を下から足していくと、累積で94%になる点が初めて90%を超えます。そのときの売上個数は92なので、最小の必要在庫は92(選択肢ウ)です。
※分布(確率分布:各売上個数が起きる割合)、在庫(手元に保有する商品)、サービスレベル(一定期間内に品切れにならない確率)をそれぞれ示しています。
解法ステップ
- 与件の確率条件を式にする。品切れ確率が10%未満:。
- 補集合を使って在庫を満たす条件を表す:(ここで「>」が重要)。
- 表の分布(%)を小さい値から順に累積する。各値の累積は次の通り(%):
- 86: 1
- 87: 1 + 5 = 6
- 88: 6 + 11 = 17
- 89: 17 + 20 = 37
- 90: 37 + 26 = 63
- 91: 63 + 20 = 83
- 92: 83 + 11 = 94 ← ここで初めて
- 最小の S は累積が90%を超える最初の値=92。したがって発注時に最低必要な在庫は92個(選択肢ウ)。
選択肢別の誤答解説
- ア: 87
累積は6%で、品切れ確率は94%(=1−0.06)になってしまいます。目標の10%未満には遠く及びません。 - イ: 88
累積は17%で、品切れ確率は83%です。これも不十分です。 - ウ: 92
累積が94%で、品切れ確率は6%となり、要求の「10%未満」を満たします。しかも「最小」の在庫数です。 - エ: 93
累積は99%で、品切れ確率は1%になります。要求は満たしますが、「最低限必要な在庫」を問われているため、92より多い93は最小ではありません。
よくある誤解
- 「90%ちょうどで良い」と考える誤り:条件は「10%未満」なので、 は厳密に90%より大きくなければなりません()。等号(=)は不可です。
- 累積を上方向(大きい数から)で計算してしまう:必ず需要がその在庫以下である確率を求めるため、小さい値から順に累積します。
- リードタイムの期間を誤る:リードタイムが1週間なら対象は1週間の需要。リードタイムと需要期間を合わせるのを忘れると計算が狂います。
補足コラム
- 一般式:目標とする許容品切れ確率を とすると、在庫 は最小の で を満たす値になります。今回の なので を満たす最小の を選びます。
- リードタイムが複数週の場合は、リードタイム中の合計需要分布(複数週分の合計)で同様に累積確率を計算します。合計は独立であれば畳み込みで求めますが、表に直接与えられていればその累積を用います。
FAQ
Q1. なぜ「>0.90(厳密に超える)」が必要ですか?
A1. 問題の条件は「品切れ確率を10%未満にする」= であり、等号を含みません。確率の補集合を取ると になるため、「ちょうど90%」では不十分です。
A1. 問題の条件は「品切れ確率を10%未満にする」= であり、等号を含みません。確率の補集合を取ると になるため、「ちょうど90%」では不十分です。
Q2. 表の累積がちょうど90%の値があったらどうする?
A2. その値では となり、 で条件を満たさないので、次に累積が90%を超える値を選びます。
A2. その値では となり、 で条件を満たさないので、次に累積が90%を超える値を選びます。
Q3. リードタイムが2週間だったら?
A3. 2週間分の需要の分布を使って、同じく累積確率が90%を超える最小の合計需要を在庫として選びます。週ごとの独立性がある場合は確率の畳み込みが必要です。
A3. 2週間分の需要の分布を使って、同じく累積確率が90%を超える最小の合計需要を在庫として選びます。週ごとの独立性がある場合は確率の畳み込みが必要です。
関連キーワード: 在庫管理、サービスレベル、リードタイム、累積確率、品切れ確率

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