ITパスポート 2011年 秋期 問28
問題文
プロバイダ責任制限法によって、プロバイダの対応責任の対象となり得る事例はどれか。
選択肢
ア:書込みサイトへの個人を誹謗中傷する内容の投稿(正解)
イ:ハッカーによるコンピュータへの不正アクセス
ウ:不特定多数の個人への宣伝用の電子メールの送信
エ:本人に通知した目的の範囲外での個人情報の利用
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プロバイダ責任制限法によって、プロバイダの対応責任の対象となり得る事例はどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
理由を簡単に言うと、プロバイダ責任制限法(正式には「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限および発信者情報の開示に関する法律」)は、インターネット上の第三者投稿などによる「名誉毀損(誹謗中傷)」や同種の被害について、被害者がプロバイダ(プロバイダ(provider):インターネット接続や掲示板などのサービスを提供する事業者)に対して投稿の削除や投稿者の情報開示を求める手続きと、プロバイダの責任範囲を定めた法律だからです。被害を受けた場合、被害者はプロバイダに削除や発信者情報開示を請求できます。
解法ステップ
- 問題文から「プロバイダ責任制限法」の目的を思い出す(第三者投稿の被害救済・プロバイダの責任範囲を定める)。
- 各選択肢を「この法律が扱う問題か?」で判定する。
- 投稿内容による名誉毀損 → 法律の対象(ア)。
- ハッキング、不正アクセス → 別の法律(不正アクセス禁止法)で扱う(イは×)。
- 迷惑メール(スパム) → 別の規制(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)で扱う(ウは×)。
- 個人情報の目的外利用 → 個人情報保護法の対象(エは×)。
- 最も対応責任の対象となり得るのは「誹謗中傷投稿」であると確定する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 書込みサイトへの個人を誹謗中傷する内容の投稿
- 正解。被害者は投稿の削除や発信者情報の開示請求をプロバイダに申し立てることができる。プロバイダは所定の手続きに基づき対応する義務や権限がある(ただし開示には裁判所の判断が必要な場合が多い)。
- イ: ハッカーによるコンピュータへの不正アクセス
- 誤り。不正アクセスは「不正アクセス禁止法(Unauthorized Computer Access)」で規制される。攻撃は加害者の違法行為であり、プロバイダがその行為自体に対する責任を問われることは通常ない。
- ウ: 不特定多数の個人への宣伝用の電子メールの送信
- 誤り。いわゆるスパム(迷惑メール)は「特定電子メール法(Act on Regulation of Transmission of Specified Electronic Mail)」などで規制される。プロバイダが直接この法律で処罰・責任を負うわけではない。
- エ: 本人に通知した目的の範囲外での個人情報の利用
- 誤り。これは「個人情報保護法(Personal Information Protection Law)」の問題で、個人情報を扱う事業者(データ管理者)が責任を負う。プロバイダが単に通信手段を提供している場合は別の問題となる。
よくある誤解
- 「プロバイダはネット上のすべてのトラブルの責任者だ」
- 誤解です。プロバイダ責任制限法は特に投稿等による被害救済とプロバイダの責任範囲を規定するもので、他の違法行為は別の法律で扱われます。
- 「プロバイダがすぐに投稿者情報を開示できる」
- 誤解です。発信者情報の開示には裁判所の判断や所定の手続きが必要な場合が多く、プロバイダが自由に個人情報を渡せるわけではありません。
- 「削除を要求すれば必ずすぐ消える」
- 誤解です。プロバイダは申立ての内容や手続きの正当性を確認します。緊急性や明白な違法性がある場合は速やかに対応されることもありますが、常に即時削除とは限りません。
補足コラム
- 発信者情報の開示請求(発信者情報開示請求)とは:被害者が掲示板等に書き込んだ人物を特定するため、プロバイダに対して投稿者の接続ログなどの情報の開示を求める手続きです。通常、裁判所での判断や形式的な請求書類が必要になります。
- プロバイダの免責:プロバイダが法で定められた適切な手続き(たとえば、削除依頼への対応や裁判所決定に従うこと)を行った場合、一定の要件の下で損害賠償責任が制限されるという考え方が、この法律の趣旨です。
- 実務的には、被害者は証拠保存(スクリーンショット、投稿の日時URL)をまず行い、弁護士や警察に相談するのが一般的です。
FAQ
Q1: 被害投稿を見つけたらまず何をすればいいですか?
A1: まず証拠を保存(スクリーンショット・URL・日時)、次にプロバイダの問い合わせ窓口やサイト管理者に削除依頼を出す、必要なら弁護士に相談して発信者情報開示請求や仮処分を検討します。
A1: まず証拠を保存(スクリーンショット・URL・日時)、次にプロバイダの問い合わせ窓口やサイト管理者に削除依頼を出す、必要なら弁護士に相談して発信者情報開示請求や仮処分を検討します。
Q2: プロバイダは必ず投稿を削除するのですか?
A2: 必ずではありません。削除依頼の内容や手続きの正当性を確認した上で対応します。明らかに違法な場合は速やかに対応されることが多いです。
A2: 必ずではありません。削除依頼の内容や手続きの正当性を確認した上で対応します。明らかに違法な場合は速やかに対応されることが多いです。
Q3: 発信者情報はすぐに分かりますか?
A3: 技術的にはログ等で特定できる場合がありますが、開示には法的手続き(裁判所の判断等)が必要になることが多いです。
A3: 技術的にはログ等で特定できる場合がありますが、開示には法的手続き(裁判所の判断等)が必要になることが多いです。
関連キーワード: プロバイダ責任制限法、発信者情報開示、名誉毀損、不正アクセス、スパム対策、個人情報保護法

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