ITパスポート 2011年 秋期 問29
問題文
企画プロセス、要件定義プロセス、開発プロセス、保守プロセスと続くソフトウェアライフサイクルにおいて、企画プロセスの段階で行う作業として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:機能要件と非機能要件の定義
イ:経営上のニーズと課題の確認(正解)
ウ:システム方式の設計と評価
エ:ソフトウェア方式の設計と評価
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ソフトウェアライフサイクルで企画プロセスの段階に行う作業は何か【ITパスポート 解説】
正解の理由
- 企画プロセスとは、作る「目的」や「期待する効果」を明確にする段階です。ここでは「何を作るべきか」「なぜ作るのか」「投資に見合うか」といった経営的・業務的な判断を行います。
- 「経営上のニーズと課題の確認」はまさにこの目的に当たります。事業の目標や問題点(課題)を洗い出し、システム投資の妥当性を確認します。
解法ステップ
- 問題文で示されたライフサイクルの段階名を確認する(企画→要件定義→開発→保守)。
- 各段階の役割を簡単に思い浮かべる。
- 企画:何を・なぜ作るか(目的・効果・投資判断)
- 要件定義:何が必要か(機能や品質)
- 開発:設計・製造(システム方式・ソフトウェア方式など)
- 保守:運用・改善・障害対応
- 選択肢を当てはめる。企画段階に合うものを選ぶ。
これで素早く正解にたどり着けます。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 機能要件と非機能要件の定義
- 誤り。これは「要件定義プロセス」で行う作業です。
- 機能要件=システムが「何をするか」(例:ログインできる)。
- 非機能要件=品質や条件(性能、可用性、セキュリティなど。可用性=常に使える割合など)で、動作の「良さ」を規定します。
-
イ: 経営上のニーズと課題の確認
- 正解。経営・業務の目標や課題を整理し、システム投資の目的や優先度を決めます。
-
ウ: システム方式の設計と評価
- 誤り。システム方式の設計は「開発プロセス」や「基本設計」の段階にあたります。
- システム方式=ハードウェア、ネットワーク、ミドルウェア(ソフトウェアの下支え部分)などをどう組み合わせるかを決める作業です。
-
エ: ソフトウェア方式の設計と評価
- 誤り。ソフトウェア方式の設計はさらに詳細な設計段階(詳細設計→実装)にあたります。
- ソフトウェア方式=ソフトの内部構造、モジュール分割、インタフェース設計などを決める作業です。
よくある誤解
- 企画=すべて決める段階と考える
- 誤りです。企画は「目的と投資判断」を行う高い視点の段階です。詳細な仕様や設計は後の段階で詰めます。
- 「方式設計」を聞くと企画の仕事だと思う
- 「方式」は設計の言葉です。企画は方向性や要件の根拠を作る段階で、方式設計は詳細設計の一部です。
- 要件定義と企画は同じだと思う
- 近いですが役割が違います。企画は「なぜ必要か」を整理し、要件定義は「何が必要か(具体的に何を作るか)」を決めます。
補足コラム
ソフトウェアライフサイクルの簡単な流れ(例):
- 企画プロセス:事業目標、コスト見積り、期待効果、優先度決定。関係者(経営層、業務担当者)と合意をとる。
- 要件定義プロセス:機能要件・非機能要件を具体化。業務フローや利用者の要望を整理。
- 開発プロセス:基本設計、詳細設計、実装、テスト。ここでシステム方式・ソフトウェア方式の設計評価を行う。
- 保守プロセス:運用監視、障害対応、バージョンアップ、改善。
身近な例:会社が経費精算アプリを導入する場合
- 企画:経費精算の時間削減やミス削減が目的か、コスト削減かを確認(経営判断)。
- 要件定義:どの機能が必要か(領収書写真アップ、承認フロー)、セキュリティ要件は?
- 開発:アプリの画面や内部設計を作り、実装する。
- 保守:不具合修正や機能追加を行う。
用語メモ:
- ミドルウェア(middleware):アプリとOSの間で働き、共通機能を提供するソフトウェア。
- アジャイル(Agile):小さな単位で繰り返し開発する手法。企画と開発が柔軟に重なることがあります。
FAQ
Q1: 企画プロセスはどれくらい詳細に作るべきですか?
A1: 高いレベルで「目的」「期待効果」「制約(予算・期間)」「主要な関係者」を明確にします。詳細要件は次の要件定義で詰めます。
A1: 高いレベルで「目的」「期待効果」「制約(予算・期間)」「主要な関係者」を明確にします。詳細要件は次の要件定義で詰めます。
Q2: アジャイル開発では企画と開発が混ざりませんか?
A2: はい。アジャイルでは企画(ビジョン)を元に、小さな単位で要件や設計を順次決めていきます。ただし、最初に「何を達成したいか(企画)」を明確にしておくことは重要です。
A2: はい。アジャイルでは企画(ビジョン)を元に、小さな単位で要件や設計を順次決めていきます。ただし、最初に「何を達成したいか(企画)」を明確にしておくことは重要です。
Q3: 「経営上のニーズ」を確認するのは誰の仕事ですか?
A3: 事業部門やプロダクトオーナー(製品責任者)、経営層が主に関与します。IT側はそのニーズを技術やコストの面で評価・助言します。
A3: 事業部門やプロダクトオーナー(製品責任者)、経営層が主に関与します。IT側はそのニーズを技術やコストの面で評価・助言します。
関連キーワード: ソフトウェアライフサイクル、企画プロセス、要件定義、機能要件、非機能要件、システム方式、ソフトウェア方式、開発プロセス、保守プロセス、アジャイル、ミドルウェア

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