ITパスポート 2011年 秋期 問40
問題文
ITILの説明として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:ITサービスの運用管理を効率的に行うためのソフトウェアパッケージ
イ:ITサービスを運用管理するための方法を体系的にまとめたベストプラクティス集(正解)
ウ:ソフトウェア開発とその取引の適正化のために作業項目を定義したフレームワーク
エ:ソフトウェア開発を効率よく行うための開発モデル
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ITILの説明として、適切なものはどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
イは正解です。ITIL(Information Technology Infrastructure Library:IT インフラストラクチャ ライブラリ)は、ITサービスを継続的に提供・改善するための方法や手順を体系的にまとめた「ベストプラクティス集」です。日本語で言えば「ITサービス運用のやり方をまとめた指南書」のようなもので、具体的なソフトウェアではなく、どのように管理・運用すべきかの考え方や役割・プロセスを示します。
- ITサービスマネジメント(ITSM:IT Service Management:ITサービスを提供・管理する活動全体)に関する実践的な指針を与えます。
- 具体的なプロセス例:インシデント管理(障害対応)、チェンジ管理(変更の手続き)、サービスレベル管理(SLA:Service Level Agreement:サービス品質の合意)など。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを探す:「方法を体系的にまとめたベストプラクティス集」。
- ITILの定義を思い出す(または確認する):ITILは手順や役割、プロセスをまとめたガイドラインである。
- 選択肢を一つずつ当てはめる:ソフトウェア、開発フレームワーク、開発モデルといった表現はITILの説明と合わない。
- 最も合致するものを選ぶ:イはガイドライン(ベストプラクティス集)を表しており一致する。
短いチェックポイント:ITIL=「やり方(ベストプラクティス)」、ツールや製品ではない、という点を確認してください。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 「ITサービスの運用管理を効率的に行うためのソフトウェアパッケージ」
誤り。これはITILに基づいて作られる「ITSMツール」(例:ServiceNow、JIRA Service Management)の説明に当てはまります。ITIL自体はソフトウェアではなく、手法の集まりです。 -
イ: 「ITサービスを運用管理するための方法を体系的にまとめたベストプラクティス集」
正解。ITILの本質を表しています。 -
ウ: 「ソフトウェア開発とその取引の適正化のために作業項目を定義したフレームワーク」
誤り。これはソフトウェア開発に関する別のフレームワーク(例えば開発プロセスの標準や契約手順)に近い説明です。ITILはサービス運用側のガイドであり、ソフトウェア開発の作業項目定義が主目的ではありません。 -
エ: 「ソフトウェア開発を効率よく行うための開発モデル」
誤り。ウォーターフォールやアジャイルのような「開発モデル(プロジェクト遂行方法)」の説明であり、ITILの定義とは異なります。
よくある誤解
-
「ITILはソフトウェアだ」
→ 間違いです。ITILは手順や考え方の集まり(文書・ガイドライン)です。ソフトウェアはその考え方を実装するツールに過ぎません。 -
「ITILは全ての手順を絶対に守らなければならない規則だ」
→ ITILはベストプラクティスを示すガイドです。必須ルールではなく、組織の状況に合わせて取り入れる「推奨方法」です。 -
「ITILは開発者向けだけ」
→ ITILは主に運用・サービス提供側の考え方です。もちろん開発と運用(DevOps)の連携で役立ちますが、対象は運用・サービス管理全体です。
補足コラム
- バージョンの変遷:ITILは長年にわたって改訂され、最近の主要な版は「ITIL 4」(2019年)です。ITIL 4では「Service Value System(SVS:サービス価値システム)」という考え方が導入され、価値共創や継続的改善が強調されています。
- 実務での使われ方:多くの企業はITILの考え方を完全にはそのまま使わず、自社の規模や文化に合わせてプロセスを簡略化・カスタマイズして運用します。例えば、中小企業では「インシデント対応」と「サービス要求」を簡潔に分けて運用することが多いです。
- 関連する規格やツール:ITILは規格(例:ISO/IEC 20000)やツール(ServiceNowなど)と組み合わせて使われます。規格は「満たすべき要件」を示し、ITILは「どうやって運用するか」のヒントを与えます。
FAQ
Q1. ITILの資格は取るべきですか?
A1. 業務でITサービス管理に関わるなら有益です。転職やキャリアの証明にもなります。ただし業務が全く関係ない場合は必須ではありません。
A1. 業務でITサービス管理に関わるなら有益です。転職やキャリアの証明にもなります。ただし業務が全く関係ない場合は必須ではありません。
Q2. ITILとシステム開発(アジャイル)は対立しますか?
A2. 対立しません。ITILはサービス運営の指針、アジャイルは開発手法です。運用と開発の連携(DevOps)では両方を組み合わせて活用します。
A2. 対立しません。ITILはサービス運営の指針、アジャイルは開発手法です。運用と開発の連携(DevOps)では両方を組み合わせて活用します。
Q3. 小さな会社でもITILを使えますか?
A3. はい。全てをそのまま導入する必要はありません。規模に合わせて主要なプロセスだけ取り入れるのが実務的です(例:インシデント管理と変更管理だけ実施する)。
A3. はい。全てをそのまま導入する必要はありません。規模に合わせて主要なプロセスだけ取り入れるのが実務的です(例:インシデント管理と変更管理だけ実施する)。
関連キーワード: ITIL, ITサービスマネジメント, ベストプラクティス, インシデント管理, チェンジ管理, サービスデスク, SLA, ISO/IEC 20000, ITSMツール, ServiceNow

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