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ITパスポート 2011年 秋期 54


問題文

サーバの仮想化に関する記述として、適切なものはどれか。

選択肢

現実感を伴った仮想的な世界をコンピュータで作り出す技術
手元のコンピュータからネットワークで接続された他のコンピュータのGUIを操作する技術
一つのコンピュータ上で、仮想的に複数のコンピュータを実現させる技術(正解)
補助記憶装置の一部を利用して、主記憶装置の容量よりも大きなメモリ領域を仮想的に利用できる技術

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サーバの仮想化に関する記述【ITパスポート 解説】

正解の理由

ウは「一つのコンピュータ上で、仮想的に複数のコンピュータを実現させる技術」を説明しています。
ここでの「サーバ(サービスを提供するコンピュータ)」と「仮想化(virtualization:実際には1台の機械をソフトウェアで複数の論理的な機械に見せる技術)」を合わせると、1台の物理サーバ上で複数の仮想サーバ(仮想マシン:VM, Virtual Machine)を動かす仕組みを指します。これが「サーバの仮想化」の正しい定義です。
ハイパーバイザ(hypervisor:物理マシン上で仮想マシンを管理するソフトウェア)を使って、CPUやメモリやディスクを分割・割り当てることで、複数の独立したOSやアプリケーションを同時に動かせます。これにより、資源の有効活用や運用の柔軟性が向上します。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワード「サーバの仮想化」を確認する。サーバ+仮想化で「1台の物理サーバを複数の仮想サーバに分ける」イメージを思い浮かべる。
  2. 各選択肢の表現を一つずつ簡単に定義する。
    • ア:仮想現実(VR)に近い表現。
    • イ:他のコンピュータの画面操作、リモート操作の説明。
    • ウ:複数の仮想コンピュータを1台で実現する。
    • エ:主記憶(RAM)より大きなメモリ領域を使う仕組み、いわゆる仮想記憶(仮想メモリ)の説明。
  3. 定義と問題のキーワードを照らし合わせて一致するもの(ウ)を選ぶ。
短く言えば、「サーバの仮想化」と「主記憶の拡張(仮想メモリ)」や「リモート操作」は別物です。まずはそれぞれの用語を切り分けることが重要です。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 誤り。
    内容は「現実感を伴った仮想的な世界をコンピュータで作り出す技術」。これは仮想現実(VR:Virtual Reality)に該当します。サーバの仮想化とは目的も技術も異なります。
  • イ: 誤り。
    「手元のコンピュータからネットワークで接続された他のコンピュータのGUI(GUI:Graphical User Interface:グラフィカルユーザインタフェース。画面上のアイコンやボタンで操作する方式)を操作する技術」は、リモートデスクトップやVNCの説明です。これはサーバを仮想化する技術ではありません。
  • ウ: 正解。
    「一つのコンピュータ上で、仮想的に複数のコンピュータを実現させる技術」がサーバの仮想化の定義です。ハイパーバイザや仮想マシン(VM)を使って実現します。
  • エ: 誤り。
    「補助記憶装置(secondary storage:HDDやSSDなど長期保存する装置)の一部を利用して、主記憶装置(RAM:短期記憶・作業領域)の容量より大きなメモリ領域を仮想的に利用できる技術」は、仮想記憶(仮想メモリ、virtual memory)の説明です。これはメモリ管理の技術であり、サーバの仮想化とは別です。

よくある誤解

  1. 「仮想化=仮想メモリ」と混同する
    • 仮想化(サーバ仮想化)は1台の物理機を複数の論理的なサーバに分ける話。仮想メモリはプログラムに大きな連続したメモリ領域を与えるためにディスクの領域を使う話で、用途も仕組みも違います。
  2. 「仮想化=クラウド」と考える
    • クラウドはサービス提供の形(インターネット経由でリソースを貸す)で、仮想化はその基盤技術の一つです。クラウドは仮想化を使っていることが多いですが、同義ではありません。
  3. 「仮想化すると必ず遅くなる」
    • 一般にオーバーヘッドはありますが、最近のハイパーバイザやハードウェア支援により性能差は小さく、運用効率や資源利用の改善で総合的に有利になることが多いです。

補足コラム

  • ハイパーバイザ(hypervisor)には主に2種類あります。
    • Type1(ベアメタル):物理サーバ上で直接動く。例:VMware ESXi、Microsoft Hyper-V(サーバ版)、Xen。
    • Type2:ホストOS上で動くソフトウェア。例:VMware Workstation、Oracle VirtualBox。
  • 「コンテナ(container)」は仮想化の一種ですが、OSレベルでの隔離により軽量です。Dockerが代表例で、仮想マシンより起動が速く資源効率が高い一方、完全なOSの分離(カーネルの違い)まではできません。
  • 利用メリットの例:物理サーバを減らせる(電気代・管理コスト削減)、テスト環境を簡単に作れる、障害時にスナップショットから復旧しやすい。

FAQ

Q1. 仮想サーバと物理サーバ、どちらが良いですか?
A1. 目的によります。小規模で高性能が必須なら物理が向く場合もありますが、一般的には仮想化で管理コストや柔軟性が改善します。
Q2. 仮想化で複数OSを同時に動かせますか?
A2. はい。1台の物理マシンでWindowsやLinuxなど別々のOSを同時に動かせます(ハードウェアの性能次第)。
Q3. 仮想化とコンテナはどう違いますか?
A3. 仮想化(VM)はハードウェアを仮想化して完全なOSを複数作る。コンテナはOSの機能を共有してプロセス単位で隔離する。用途と利点が異なります。
Q4. 家庭のパソコンでもサーバ仮想化できますか?
A4. はい。VirtualBoxやVMware WorkstationなどのType2ハイパーバイザを使えば可能です。学習目的なら十分です。

関連キーワード: サーバ仮想化、仮想マシン、ハイパーバイザ、VM、コンテナ、リモートデスクトップ、仮想メモリ、スワップ、ハードウェア仮想化
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