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ITパスポート 2011年 春期 07


問題文

A社は、事業戦略の見直しのため、SWOT分析によって、内部環境と外部環境の分析を行った。内部環境の分析に該当するものとして、最も適切なものはどれか。

選択肢

A社製品の競合製品の特徴の洗出し
A社製品の限界利益率の把握(正解)
A社製品の市場価格の調査
A社製品の代替品の市場調査

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SWOT分析の内部環境の識別【ITパスポート 解説】

正解の理由

この問題は「内部環境」と「外部環境」を区別できるかが問われています。SWOT分析(Strengths, Weaknesses, Opportunities, Threats:自社の強み・弱み・機会・脅威を整理する手法)では、内部環境は自社で管理・改善できる要素(強み・弱み)を示します。
選択肢のうち、「A社製品の限界利益率の把握」は、価格設定や原価管理といった自社の経営努力で直接変えられる指標です。したがって内部環境の分析に該当します。

解法ステップ

  1. 問題文で「内部環境の分析に該当するもの」を問いていることを確認する。
  2. SWOTの定義を思い出す:S/W=内部(自社でコントロール可能)、O/T=外部(市場・競合など自社で直接コントロールできない)。
  3. 各選択肢が「自社の内部に関する情報か」「外部の環境に関する情報か」を判定する。
  4. 自社で変えられる指標(例:コスト構造や利益率)は内部、競合や市場価格、代替品は外部と判断する。
  5. よって、限界利益率の把握(自社の収益性評価)は内部に当たるため、が正解。

選択肢別の誤答解説

  • ア: A社製品の競合製品の特徴の洗出し
    • 競合製品は自社の外にある他社の情報です。競合の強み・弱みを明らかにすることは外部環境(Threats/Opportunities)の分析に該当します。よって誤り。
  • : A社製品の限界利益率の把握
    • 限界利益率は「売価に対する限界利益の割合」を示す指標で、価格や変動費の管理によって自社が改善できます。内部環境(Strengths/Weaknesses)の評価に該当します。
  • ウ: A社製品の市場価格の調査
    • 市場価格は市場参加者(需要者・競合)が決める要素であり、外部環境の情報です。価格帯や顧客の受容性を把握する目的で行う調査は外部分析です。
  • エ: A社製品の代替品の市場調査
    • 代替品(他の技術やサービス)も自社のコントロール外で、外部からの脅威になります。したがって外部環境の分析です。

よくある誤解

  • 誤解1: 「価格を決めるのは自社だから市場価格は内部だ」
    • 企業は自社価格を設定できますが、市場価格は競合や需要の影響を強く受けます。市場全体の価格調査は外部分析です。一方、自社の価格戦略やコスト管理から算出する利益率は内部分析です。
  • 誤解2: 「内部環境は財務だけ」
    • 内部環境には財務(利益率、キャッシュなど)だけでなく、人材、技術、ブランド、組織力などの無形資産も含まれます。
  • 誤解3: 「限界利益と限界利益率を同じと考える」
    • 限界利益は金額、限界利益率は売上に対する比率です。用途が異なるので区別して理解しましょう。

補足コラム

  • 限界利益・限界利益率の計算(覚え方)
    • 限界利益(contribution margin:売上から変動費を引いた金額)= 売価 − 変動費
    • 限界利益率(contribution margin ratio:売上高に対する割合)=
    • 例)売価1,000円、変動費600円のとき:限界利益 = 400円、限界利益率 =
    • 限界利益率は「売上1円当たりに残る利益の割合」を示し、商品ごとの採算や販売促進の判断に使います。
  • SWOT実践のヒント
    • S/W(内部)には数値(利益率、シェア)と定性的要素(技術、ブランド力)を両方入れると実用的です。O/T(外部)は市場動向や法規制、競合行動を対象にします。

FAQ

Q. 競合の強みを理解することが自社の内部分析に役立ちませんか?
A. はい。競合分析(外部)から得た情報を受けて「自社が改善すべき内部項目(弱み)」を洗い出すことは重要です。しかし、競合そのものの調査自体は外部分析に分類されます。
Q. 限界利益率が高ければ必ず良い製品ですか?
A. 限界利益率は利益構造の一つの指標です。高くても市場規模が小さい、固定費が高い、成長性が低いなど他の要因で事業として不適切な場合があります。複数の指標を合わせて判断します。
Q. 内部環境の分析手法は他にありますか?
A. 財務分析(損益計算書・貸借対照表)、リソース・ケイパビリティ分析(資源と能力の棚卸)、価値連鎖(バリューチェーン)分析などがあります。

関連キーワード: SWOT分析, 内部環境, 外部環境, 限界利益率, 事業戦略, 損益分岐点, 競合分析
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