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ITパスポート 2011年 春期 39


問題文

内部統制の説明として、適切なものはどれか。

選択肢

業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、法令遵守、資産の保全を達成するために、企業内のすべての者によって遂行されるプロセスのこと(正解)
経営をゆだねられている経営者などが、金融機関などから資金を調達して親会社の株主から株式を買い取り、経営権を取得すること
仕事と仕事から離れた個人の生活の両方について、どちらかが犠牲になることなく、それぞれをバランスよく充実させていこうという考え方のこと
組織活動の目的を達成するための組織体の取組みであり、業務とシステムをともに最適化することを目指す手法のこと

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内部統制の説明【ITパスポート 解説】

正解の理由

選択肢のうち、企業活動全体に関わる「仕組み・プロセス」として正しく内部統制を表しているのは です。内部統制とは、企業が「業務の有効性・効率性」「財務報告の信頼性」「法令遵守(コンプライアンス)」および「資産の保全(資産を守ること)」といった目的を達成するために、会社の経営者から従業員まで企業内のすべての者が関与して実行する仕組み(プロセス)のことです。
ポイントを平易に言うと:
  • 「何をするか」:目的(業務の効率、正しい決算、法令遵守、資産保護)を達成するための取り組み
  • 「誰が関わるか」:経営層だけでなく、組織全体で遂行する
  • 「どのように」:ルール・手続き・チェック(監視)などのプロセスで実行する
この定義は国際的に広く使われるCOSO(Committee of Sponsoring Organizations:米国の企業委員会がまとめた内部統制フレームワーク)の考え方とも一致します。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワードを押さえる:業務の有効性・効率性、財務報告の信頼性、法令遵守、資産の保全。
  2. 各選択肢がそのキーワードに当てはまるか確認する。
  3. 「企業内のすべての者によって遂行されるプロセス」とある選択肢を探す。これが内部統制の本質に合致する。
  4. 該当する選択肢が であると判定する。
短いコツ:内部統制は「目的(守るべき事)+組織全体で行うプロセス」であるかを見ればよいです。

選択肢別の誤答解説

  • :正しい。内部統制の定義そのものです。企業の目的達成のために組織全体で実行するプロセスであり、財務の信頼性や法令遵守、資産保全などを含みます。
  • イ:誤り。これは経営陣などが資金を使って親会社の株式を買い取り経営権を取得する行為で、MBO(Management Buyout:経営陣による買収)やLBO(Leveraged Buyout:買収のために借入を活用する手法)に近い内容です。内部統制とは無関係です。
  • ウ:誤り。これはワークライフバランス(仕事と私生活の調和)の考え方です。働き方や生活の充実に関する概念で、内部統制の定義ではありません。
  • エ:誤り。組織活動の目的達成のために業務とシステムを最適化する手法、という表現は「業務プロセス改善」や「BPR(Business Process Reengineering:業務革新)」に近い説明です。内部統制は「最適化」よりも「目的達成のための統制と管理(チェック)」に重点があり、単なる最適化手法とは異なります。

よくある誤解

  1. 「内部統制は会計だけの話」
    → 実際は会計(財務報告の信頼性)を含みますが、業務運営や法令遵守、資産保全など幅広い領域を対象とします。営業や生産部門でも内部統制は重要です。
  2. 「内部統制は経営者だけがやる仕事」
    → 経営者が主導しますが、実行は現場を含めた全員のプロセスです。現場の手続き(承認や記録)も内部統制の一部です。
  3. 「内部統制=業務最適化(効率化)だけ」
    → 内部統制は効率化も目的の一つですが、同時に不正防止や法令遵守、資産保護など安全性や信頼性の確保が中心です。

補足コラム

内部統制の考え方を整理するフレームワークとしてよく使われるのがCOSOです。COSOは5つの構成要素を示します(平易に説明):
  • 統制環境(組織の風土や倫理観)
  • リスク評価(何が問題になりうるかの分析)
  • 統制活動(手続きや承認などの具体的なルール)
  • 情報と伝達(必要な情報が適時に共有されること)
  • 監視活動(仕組みが機能しているかをチェックすること)
覚え方の例:まず環境を整え(統制環境)、リスクを見つけて(リスク評価)、手続きを決め(統制活動)、情報を共有し(情報と伝達)、定期的にチェックする(監視活動)──という流れです。
また、内部統制は「防止(不正を防ぐ)」「発見(問題を見つける)」「是正(問題を直す)」のサイクルで考えると分かりやすいです。

FAQ

Q1. 内部監査と内部統制は同じですか?
A1. 同じではありません。内部統制は組織が目標を達成するための仕組み全体を指します。内部監査はその仕組みが適切に機能しているかを第三者的に点検・評価する活動です。
Q2. 中小企業でも内部統制は必要ですか?
A2. 必要です。規模に応じて簡素化したルールでも、業務の整理や不正防止、法令遵守のために内部統制の考え方を取り入れることは有益です。
Q3. 「財務報告の信頼性」に具体的には何が含まれますか?
A3. 決算書の数字が正しいこと、誤りや不正が入りにくい仕組み(承認・記録・検証)があることを意味します。

関連キーワード: 内部統制、COSO、統制活動、コンプライアンス、資産保全、内部監査、業務プロセス改善
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