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ITパスポート 2011年 春期 48


問題文

図のアローダイアグラムにおいて、作業Bが3日遅れて完了した。全体の遅れを1日にするためには、どの作業を何日短縮すればよいか。
ITパスポート 2011年 春期  問48の問題画像

選択肢

作業Cを1日短縮する。
作業Dを1日短縮する。
作業Eを1日短縮する。(正解)
どの作業も短縮する必要はない。

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アローダイアグラムの遅延と短縮【ITパスポート 解説】

正解の理由

作業Bが3日遅れた結果、全体の完成日は当初より2日遅れます。全体の遅れを1日にするには、遅れた分(2日)のうち1日を短縮すればよいので、クリティカル(全体日数を決めている)な作業を1日短縮する必要があります。図の構造を見て計算すると、1日短縮で目的を達成できる作業は作業Eです。したがって、(作業Eを1日短縮)が正解です。
(理由の要点)
  • 元の全体所要日数は 日。
  • B が 3 日遅れたが、B には元々 1 日の余裕(スラック)があり、結果として全体は 日遅延する。
  • その遅れを 日にするには、現在のクリティカル経路上の作業の合計を1日短縮する必要があり、作業Eを1日短縮することで達成できる。

解法ステップ

  1. アローダイアグラムは「矢印=作業、円=イベント(節点)」です。イベントはそのイベントへ入る全作業が完了して初めて起きます(つまり複数の前作業のうち最後に終わるものがイベント時間を決めます)。
  2. 各イベントの最早時間(開始ゼロからの経過最短)を順に計算します。
    • Start → A = 3 → 上側ノード:3
    • Start → B = 7 → 中央への経路は 7
    • 上側ノード → C = 5 → 中央への経路は 3+5 = 8
    • 中央イベントの最早時間は incoming の最大値:max(7, 8) = 8
    • 中央 → D = 10 → Finish 経由は 8+10 = 18
    • 中央 → E = 7 → 下側ノードは 8+7 = 15 → F = 5 → Finish 経由は 15+5 = 20
    • よって元のプロジェクト所要日数は 20 日(最長経路)。
  3. 作業Bが3日遅れると B = 10 になる。中央イベントは max(10, 8) = 10 となる。
    • 中央→E→F 経由の完了は 10+7+5 = 22 日。したがって全体の遅れは 22 − 20 = 2 日。
  4. 全体の遅れを 1 日にする(目標完了日 = 21 日)ためには、現在の完了日 22 を 21 にする必要がある。つまり 1 日短縮が必要。
  5. どの作業を1日短縮すれば良いかを考える:
    • C を1日短縮しても中央は max(10, 7) = 10 のまま(中央に影響しない)。
    • D を1日短縮しても D 経由の完了は 21→でも現在の最長は E→F 側(22)のままなので効果なし。
    • E を1日短縮すると完了は 10+(7−1)+5 = 21 となり、目標を満たす。
  6. 以上より、作業Eを1日短縮する()のが正解。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 作業Cを1日短縮する。
    → C を短縮すると中央へ到達する時間は 7 になりますが、B が遅延して中央は 10 なので中央時間に影響せず、結果的に全体の完了日は変わりません。
  • イ: 作業Dを1日短縮する。
    → D を短縮すれば D 経由の完了は早まりますが、現在の最長経路は中央→E→F 側(22日)のままなので全体完了日は変わりません。
  • ウ: 作業Eを1日短縮する。
    → 中央が 10 の状況で E を1日短縮すると、完了は となり、全体遅れが1日に減ります(正解)。
  • エ: どの作業も短縮する必要はない。
    → 実際には全体は 2 日遅延しているため、短縮しないと遅れは 1 日にできません(不正解)。

よくある誤解

  1. 「単純に各作業の和で最長経路を決めればよい」と考える。
    → アローダイアグラムではイベント(ノード)が複数の作業の完了を待つため、ある作業が遅れても他に余裕があれば全体に同じだけ影響しないことがある(最大値で決まる点に注意)。
  2. 「遅れた作業分だけ全体が遅れる」と考える。
    → 作業Bのように元々余裕がある場合、遅れがその余裕分を消費するだけで、全体の遅れは短くなる場合がある(今回の例ではBが3日遅れても全体は2日遅れになった)。

補足コラム

  • 用語整理(初心者向け)
    • アローダイアグラム:作業を矢印で、出来事(イベント)を円で表す図。イベントは入ってくるすべての作業が終わるまで発生しない。
    • クリティカルパス(最長経路):プロジェクト全体の日数を決める経路。ここの作業を短縮すると全体が短くなる可能性がある。
    • 余裕(スラック、フロート):ある作業がどれだけ遅れても全体に影響しないかの余地。余裕がある作業の遅れはすぐには全体遅延につながらない。
  • 覚え方のコツ:イベント(円)に着目して「その円に入る作業のうち、一番遅いものがその円の時間を決める」と覚えると計算ミスが減ります。

FAQ

Q1. なぜ B が 3 日遅れても全体は 3 日遅れないのですか?
A1. 中央イベントは B と C の両方を待つため、元々 C の方が 1 日遅かった(C によって中央が 8 日)ので、B の 3 日の遅れはまずその余裕 1 日を埋め、残りの 2 日だけ中央を遅らせます。よって全体は 2 日遅れになります。
Q2. 「どの作業を短縮すればいいか」はどうやって素早く判断しますか?
A2. 遅延後の「今」どの経路が最長になっているか(クリティカルか)を確認し、その経路上の作業を短縮するのが基本です。余裕のある作業を短縮しても効果はありません。
Q3. 今回は E を1日短縮でよかったが、B を短縮することは考えなくていいの?
A3. B を短縮すればもちろん効果がありますが、設問では1日短縮で目的を達成する選択肢が E にあるため E を選びます。実務ではコストや実現可能性も考えてどの作業を短縮するか判断します。

関連キーワード: アローダイアグラム、クリティカルパス、スラック(余裕)、プロジェクト管理、PERT
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