ITパスポート 2011年 春期 問50
問題文
システム開発の結合テスト段階において、開発済の機能に追加や修正が必要となり、データベースの構成も変更することになった。プロジェクトマネージャの対応に関する記述a~dのうち、適切なものだけをすべて挙げたものはどれか。
a WBSを改定しプロジェクトスケジュールを見直す。
b 追加又は変更に要するコストを見積もる。
c データベースの構成変更に伴うリスクを洗い出す。
d 当初予定していた結合テストを完了させてから変更を行う。
選択肢
ア:a, b, c(正解)
イ:a, b, d
ウ:b, d
エ:c, d
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システム開発の結合テスト段階で機能追加・DB構成変更が発生【ITパスポート 解説】
正解の理由
結合テスト段階で機能の追加・修正とデータベース(データを管理する仕組み)の構成変更が必要になった場合、プロジェクトマネージャ(プロジェクトを管理する人)は影響範囲を評価して計画を更新する必要があります。具体的には、
- WBS(Work Breakdown Structure:作業分解図。作業を小さく分けて管理する計画図)を改定し、スケジュール見直しを行うことは必須です(a)。
- 追加・変更にかかるコストを見積もることも必要です(b)。
- データベース構成変更は障害やデータ整合性の問題を生むリスクが高いため、リスク洗い出し(リスクアセスメント)を行うべきです(c)。
一方、当初予定していた結合テストを「完了させてから変更を行う」(d)は現実的でないか、非効率です。既に問題が見つかって変更が必要になっているので、まず影響評価をしてテスト計画と作業を調整するのが正しい対応です。したがって、適切なものだけをすべて含む選択肢は ア になります。
解法ステップ
- 変化のトリガーを把握する
- 何がどう変わるのか(機能、データ構造、インターフェース)を具体的に確認します。
- 影響範囲の特定(インパクト分析)
- どのモジュール・テストケース・データが影響を受けるかを洗い出します。
- WBSとスケジュールの改定(a)
- 影響部分の作業を追加・修正し、全体の納期やリソースを再調整します。
- コスト見積もり(b)
- 人件費、追加テスト費用、データ移行コストなどを見積もります。
- リスク洗い出しと対策立案(c)
- データ損失、性能低下、既存機能への波及などを列挙し、対処策を決めます。
- 変更管理プロセスを実行する
- 変更要求(Change Request)を正式に登録し、関係者の承認を得ます。
- テスト計画の更新と回帰(かいき)テストの実施
- 変更による副作用がないかを確認するため、結合テストや回帰テストを再実行します。
選択肢別の誤答解説
- ア(a, b, c)
- 正答。WBS改定、コスト見積、リスク洗い出しはいずれも必要で適切です。dを除くのが正しい判断です。
- イ(a, b, d)
- d(テストを完了してから変更)は誤りです。原因が分かっているなら影響評価→修正→テストの流れが効率的です。テストを無駄に進めてしまう恐れがあります。
- ウ(b, d)
- dが含まれているため不適切。さらにWBS改定やリスク評価が抜けており管理が不十分です。
- エ(c, d)
- dのため不適切。リスクを洗い出すのは良いが、スケジュールやコストの見直しが欠けています。
よくある誤解
- 「テストは終わらせてから変更すれば良い」
- 結合テストを無理に完了させようとすると、既知の問題が残ったまま進めて時間や労力の無駄になります。まず影響評価を行い優先度を決めるのが正しいです。
- 「データベース変更は開発側だけの問題」
- DB変更は運用、バックアップ、他システム連携に影響します。関係部署と連携したリスク評価が必要です。
- 「コストは変更後でいい」
- コスト見積は早期に行うことで、スコープ調整や上位承認が速く得られます。後回しにすると納期や品質に悪影響が出ます。
補足コラム
- 変更管理(Change Management)プロセスのポイント
- 変更要求の登録 → 影響分析 → 承認(ステアリングコミッティ等)→ 実施 → 検証、という流れを踏むとトラブルが減ります。
- データベース構成変更で注意する具体例
- データ型やスキーマ変更は既存データの移行(マイグレーション)を伴うことが多いです。事前バックアップ、リハーサル(テスト環境での移行検証)、ロールバック手順を必ず用意してください。
- 回帰テスト(regression test:修正で新たな不具合が出ていないか確認するテスト)は、変更があったら必須です。
FAQ
Q1: 結合テスト中に変更が見つかったらすぐテストを止めるべきですか?
A1: すぐに全てを止める必要はありません。まず影響範囲を評価して、影響の大きい部分だけ一時停止するなど段階的に対応します。重要なのは無駄な作業を避けるための判断です。
A1: すぐに全てを止める必要はありません。まず影響範囲を評価して、影響の大きい部分だけ一時停止するなど段階的に対応します。重要なのは無駄な作業を避けるための判断です。
Q2: WBSの改定は誰が行うのですか?
A2: プロジェクトマネージャの主導で行いますが、実作業を担当するメンバーやテスト担当者と協議して詳細を詰めるのが普通です。
A2: プロジェクトマネージャの主導で行いますが、実作業を担当するメンバーやテスト担当者と協議して詳細を詰めるのが普通です。
Q3: リスク洗い出しは具体的に何を検討すれば良いですか?
A3: 発生頻度、影響度、発生時の検出可能性、対策の実行可能性(例:データ損失、システム停止、パフォーマンス低下、他システムへの波及)を検討します。
A3: 発生頻度、影響度、発生時の検出可能性、対策の実行可能性(例:データ損失、システム停止、パフォーマンス低下、他システムへの波及)を検討します。
Q4: データベース構成変更で回帰テストの範囲はどう決めますか?
A4: 変更が触れるテーブル・ビュー・ストアドプロシージャなどを起点に、依存している機能全て(画面、バッチ処理、外部連携)を含めるのが基本です。
A4: 変更が触れるテーブル・ビュー・ストアドプロシージャなどを起点に、依存している機能全て(画面、バッチ処理、外部連携)を含めるのが基本です。
関連キーワード: 結合テスト、WBS、変更管理、リスクアセスメント、コスト見積もり、データベース設計、回帰テスト、影響分析、変更要求、プロジェクトスケジュール

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