ITパスポート 2011年 春期 問55
問題文
企業のネットワークにおけるDMZの設置目的として、最も適切なものはどれか。
選択肢
ア:Webサーバやメールサーバなど、社外に公開したいサーバを、社内のネットワークから隔離する。(正解)
イ:グローバルIPアドレスをプライベートIPアドレスに変換する。
ウ:通信経路上にあるウイルスを除去する。
エ:通信経路を暗号化して、仮想的に専用回線で接続されている状態を作り出す。
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企業のネットワークにおけるDMZの設置目的として、最も適切なものはどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
企業が外部(インターネット)に公開するサービスを置く領域を「DMZ(Demilitarized Zone:非武装地帯)」と呼びます。DMZは、社内のネットワーク(機密データを扱う内部ネットワーク)と外部(インターネット)の間に置かれます。したがって、外部に公開したいWebサーバやメールサーバなどを社内ネットワークから切り離す目的が最も適切です。よって、アの記述が正しい理由です。
(補助説明)
- Webサーバ(Webページを提供するコンピュータ)やメールサーバ(電子メールの送受信を行うコンピュータ)は外部からアクセスされます。これらを直接内部ネットワークに置くと、侵入時に内部へ被害が広がりやすくなります。DMZに配置することで、そのリスクを下げます。
解法ステップ
- 「DMZ」が何を指すか確認する。→ 外部と内部の中間に置く公開サーバ用の領域である。
- 各選択肢が何の技術/目的を説明しているか判別する。
- ア:公開サーバを社内から隔離 → DMZの定義と一致
- イ:グローバルIPとプライベートIPを変換 → NAT(Network Address Translation)の説明
- ウ:通信経路上のウイルス除去 → ウイルス対策やゲートウェイ型のスキャン装置の役割
- エ:通信経路を暗号化して仮想専用線を作る → VPN(Virtual Private Network)の説明
- DMZの定義に一致する選択肢を選ぶ。→ ア
選択肢別の誤答解説
-
ア(正解)
外部に公開するサーバを社内ネットワークから隔離する、という説明はDMZの目的そのものです。DMZにおくことで、公開サーバが攻撃を受けても内部ネットワークへの直接の侵入を防ぎやすくなります。 -
イ(誤り)
「グローバルIPアドレスをプライベートIPアドレスに変換する」はNAT(Network Address Translation:ネットワークアドレス変換)の役割です。NATはIPアドレスの変換を行う機能であり、DMZの設置目的とは異なります。 -
ウ(誤り)
「通信経路上にあるウイルスを除去する」はウイルス対策ソフトやゲートウェイ型アンチウイルスの仕事です。DMZはネットワークのセグメント(区画)を意味するもので、ウイルスの除去機能自体を指しません。 -
エ(誤り)
「通信経路を暗号化して仮想的に専用回線を作る」はVPN(Virtual Private Network:仮想私設網)の説明です。VPNは暗号化による安全な通信路を作る技術で、DMZの設置目的ではありません。
よくある誤解
-
「DMZはファイアウォールと同じもの」
→ DMZはネットワークの区画(公開領域)であり、ファイアウォール(外部と内部の通信を制御する装置)はその区画を守るために使います。役割は異なります。 -
「DMZに置けば内部は完全に安全になる」
→ DMZは防御層の一つです。公開サーバが侵害されるリスクを下げますが、内部ネットワークも別途強化(ファイアウォール設定、アクセス制御、パッチ適用など)が必要です。 -
「DMZは必ず別の物理機器で作らないといけない」
→ 必ずしも物理的に別の機器が必要なわけではありません。仮想化やVLAN(仮想LAN)で論理的に分ける方法も一般的です。ただし設計と設定を誤ると隔離効果が低くなります。
補足コラム
-
DMZの一般的な配置例
インターネット ←→ 外部ファイアウォール ←→ DMZ(公開サーバ群) ←→ 内部ファイアウォール ←→ 社内ネットワーク
このようにファイアウォールを二重に置く構成もあります。重要なのは、公開領域と内部領域でアクセスルールを厳格に分けることです。 -
実務での注意点
- DMZ内のサーバにも最新のセキュリティパッチを適用する。
- 管理用アクセスは別の経路(管理専用ネットワークや踏み台サーバ=bastion host)に限定する。
- ログ収集や侵入検知(IDS/IPS)を導入し、異常を早く検知する体制を作る。
FAQ
Q. DMZとVLANは同じものですか?
A. 異なります。VLAN(Virtual LAN:仮想LAN)は物理ネットワーク上で論理的にネットワークを分ける技術です。DMZは「公開サーバを置く領域」という目的の概念で、VLANを使ってDMZを実現することがあります。
A. 異なります。VLAN(Virtual LAN:仮想LAN)は物理ネットワーク上で論理的にネットワークを分ける技術です。DMZは「公開サーバを置く領域」という目的の概念で、VLANを使ってDMZを実現することがあります。
Q. DMZに社内重要サーバを置いてはいけませんか?
A. 原則として避けます。DMZは外部からアクセスされやすいため、重要な内部データを扱うサーバは内部ネットワーク側に置くべきです。
A. 原則として避けます。DMZは外部からアクセスされやすいため、重要な内部データを扱うサーバは内部ネットワーク側に置くべきです。
Q. クラウド上のサービスでもDMZは必要ですか?
A. クラウドでは、自分でネットワークを分ける(パブリックサブネット/プライベートサブネット)設計がDMZと同じ役割を果たします。設計とアクセス制御が重要です。
A. クラウドでは、自分でネットワークを分ける(パブリックサブネット/プライベートサブネット)設計がDMZと同じ役割を果たします。設計とアクセス制御が重要です。
関連キーワード: DMZ、境界ネットワーク、ファイアウォール、NAT、VPN、公開サーバ、セグメント化

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