ITパスポート 2011年 春期 問57
問題文
複数のコンピュータをLANやインターネットなどのネットワークで結び、あたかも一つの高性能コンピュータのように利用できるようにする方式を何と呼ぶか。
選択肢
ア:CAD
イ:IDE
ウ:グリッドコンピューティング(正解)
エ:シンクライアント
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複数のコンピュータをLANやインターネットなどのネットワークで結び、あたかも一つの高性能コンピュータのように利用できるようにする方式【ITパスポート 解説】
正解の理由
複数のコンピュータをネットワークで結び、あたかも一つの高性能コンピュータのように見せる方式は「グリッドコンピューティング」です。選択肢のうち ウ の「グリッドコンピューティング」は、複数の独立したコンピュータ資源を結合して大きな処理能力を実現する方式を指します。問題文の「LANやインターネットなどのネットワークで結び」「一つの高性能コンピュータのように利用できる」という表現が、まさにグリッドコンピューティングの定義に一致します。
※用語説明:LAN(Local Area Network:近距離のネットワーク)、インターネット(世界中をつなぐネットワーク)
解法ステップ
- 問題文の重要なフレーズを拾う:「ネットワークで結び」「一つの高性能コンピュータのように利用」
- 選択肢の語句がどの概念を指すか確認する
- CAD:Computer-Aided Design(コンピュータ支援設計)→ 設計ツール
- IDE:Integrated Development Environment(統合開発環境)→ プログラミング用ツール
- グリッドコンピューティング:分散したコンピュータを結合して大規模処理を行う方式
- シンクライアント:Thin Client(シンク=薄い)→ 処理をサーバ側で行う端末方式
- 問題文の意味と一致するものを選ぶ → ネットワークで複数資源をつなぎ大きな計算をするのはグリッドコンピューティング → ウ
選択肢別の誤答解説
- ア: CAD(Computer-Aided Design:コンピュータ支援設計)
- 説明:製品や建物の設計を支援するソフトウェアや手法です。ネットワークで複数のコンピュータを束ねて一つの高性能機のようにする方式ではありません。
- イ: IDE(Integrated Development Environment:統合開発環境)
- 説明:プログラミングを行う際の編集・デバッグ・ビルド機能をまとめたソフトウェアです。開発ツールであり、分散処理の方式とは無関係です。
- ウ: グリッドコンピューティング
- 説明:複数の独立したコンピュータ(時に異なる組織や場所にある)をネットワークで結び、計算資源を共有して大規模な処理をこなす方式。問題文と一致します。
- エ: シンクライアント(Thin Client:簡素な端末)
- 説明:利用者側の端末を軽くして、処理をサーバ側で行う方式です。端末自体を薄くする考え方で、複数のコンピュータを結合して一つの高性能機のようにするという意味ではありません。
よくある誤解
- グリッドとクラスタ(クラスター)を混同する
- クラスタは同一場所や同じ管理下の高性能機として緊密に連携する例が多い(高い同期性)。グリッドは地理的に離れた資源を緩く結合して共有する点が特徴です。問題文に「インターネット」まで含む表現がある場合はグリッドを想起します。
- シンクライアントは「複数のPCをまとめる方式」だと誤解する
- シンクライアントは端末側を簡素化し処理をサーバで行う仕組みで、複数の独立したコンピュータを結合して巨大な計算をする方式ではありません。
- 「クラウド」と同じだと思う誤解
- クラウドはサービス提供(例:SaaS、IaaS)を指し、内部的にグリッドやクラスタ、仮想化技術を使うことがありますが、クラウドは「サービスとして提供される」ことを強調する概念です。設問は「複数コンピュータを結び高性能化する方式」を問うためグリッドが適切です。
補足コラム
- 実際の活用例:科学研究で膨大な計算を分散して行う「SETI@home」や「Folding@home」は、個人のPCを使って大規模計算を分担するグリッド的な仕組みです。映画の映像レンダリングに多数のマシンを使う「レンダーファーム」も同様の考え方です。
- 技術的な要素:グリッドでは、計算資源の発見・割当・認証・スケジューリングを行うミドルウェア(例:Globus Toolkit のようなツール)が重要になります。
- クラスタとの違いを覚えるコツ:クラスタ = 密に結合(同じ場所・高速接続)、グリッド = ゆるく結合(広域ネットワークを利用)
FAQ
Q1. グリッドコンピューティングとクラウドの違いは何ですか?
A1. グリッドは複数の自治的なコンピュータ資源を結合して計算を分散する技術の集合です。クラウドは「サービスとして提供される」形態で、内部でグリッドやクラスタ、仮想化を使うことがあります。クラウドは利用者にとってサービス提供の形、グリッドは資源結合の仕組みという違いがあります。
A1. グリッドは複数の自治的なコンピュータ資源を結合して計算を分散する技術の集合です。クラウドは「サービスとして提供される」形態で、内部でグリッドやクラスタ、仮想化を使うことがあります。クラウドは利用者にとってサービス提供の形、グリッドは資源結合の仕組みという違いがあります。
Q2. 家のパソコンをグリッドに参加させることはできますか?
A2. はい。分散計算プロジェクト(例:BOINCプラットフォーム)に参加すると、家庭のPCの空き時間を使って計算を分担できます。参加には専用のクライアントソフトを入れる必要があります。
A2. はい。分散計算プロジェクト(例:BOINCプラットフォーム)に参加すると、家庭のPCの空き時間を使って計算を分担できます。参加には専用のクライアントソフトを入れる必要があります。
Q3. クラスタとグリッドは試験でどのように区別すれば良いですか?
A3. 問題文に「同一の場所で」「高速接続」「専用ネットワーク」といった語があればクラスタ寄り。「インターネット」「複数の組織」「資源の共有」といった語があればグリッド寄りと考えると識別しやすいです。
A3. 問題文に「同一の場所で」「高速接続」「専用ネットワーク」といった語があればクラスタ寄り。「インターネット」「複数の組織」「資源の共有」といった語があればグリッド寄りと考えると識別しやすいです。
関連キーワード: グリッドコンピューティング、分散コンピューティング、クラスタ、クラウド、分散処理、シンクライアント、レンダーファーム、BOINC, 高性能計算

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